「白海原」 domani11
立ち上がり
崩れ落つ波
泡立ちて
白海原に
秋の風過ぐ
※以前に四国を旅した折、通過した高知県黒潮町の海岸で見た波の美しさは格別だった。
「永遠・遺跡・人」 domani11
パルミラ、砂漠の廃墟
星空、ラクダの隊商
巨大な列柱群
はるか遠く
ローマ兵の勝鬨
女王ゼノビア、果て知れず
億年の星
数百年の国
数十年の人
星、変わりなく
国、興り亡び
ひと、さらに短く
わずかないのち
そのわずかないのちを
いかに
※「平山郁夫シルクロード美術館」で見た平山郁夫作「パルミラ遺跡を行く・夜」を思い出しながら
「落ち葉のテニスコート」 domani11
風のひと吹き
葉が一斉に落ち
群れとなり
ハムスターのように
コートを走る
微風には
ひらひらと落ち
竹トンボのようにしばし
コートの上を舞う
もみじの木々は
たちまち
裸木
球を打ち合う仲間
混合ダブルス
審判台のわたしには
つかの間の落葉劇
いつか見たような
落葉劇
いくたび見て
またいくたび
見るだろうか
「フルートとハープの協奏曲」 domani11
Ⅰ 飛翔のアレグロ
音符階段を駆け上がり
身を投げ出すと
そこは大空
急降下急上昇
水平飛行
ほうきならぬ
笛1本で
かくも
かろやかに飛ぶ
すべてを忘れ空の中
Ⅱ 夢のアンダンティーノ
笛のメロディーは
澄んだ秋の空
透き通るようなアリア
果てしなく鳴り響く
夢見るひびき
永遠にリピートしたく
Ⅲ いのちのロンド
音
のめるかに
駆け上がり
駆け下り
時
踊るかに弾み
一瞬一瞬が
ときめき
心
解き放つ
いのちのコンチェルト
よろこびの輪舞
おお
愉悦のモーツァルト
ブラボー
きみに乾杯!
人生に乾杯!
「黄金色の時」 domani11
高原道路、風を切る
落葉松林、駆け抜ける
針葉、道端に降り積もる
落葉松の森、ひろがる
落葉松の山、重なる
高原道路、風を切る
いま
黄金色
緑から黄、橙、赤、茶
様々の色散りばめて
基調は黄金色
黄金色
まばゆく
照り映え
浮き立つ
黄金色
いま
秋の真っ只中
※2007年10月30日~31日、好天の八ヶ岳高原に遊ぶ