アアクスグループブログ

アアクスグループ代表者堂上孝生のブログ

金融恐慌の予測への対処

2008年09月30日 | Weblog
 平成20年9月16日、負債合計は4兆6975億8400万円を抱えて、リーマンブラザーズの日本法人グループ4社が民事再生手続きに入った。民事再生というのは、債権の棒引き・「損切り」である。米国発の金融不安について日本は傷が浅いと言われてきた。しかし、この件だけでも4.7兆。マクロ経済の話として空恐ろしい。

 このところ経済学者が良く引用する本がある。“A History of Interest Rates” : S. Homerで、お目当ては金融の異常2件。一つは、16世紀後半~17世紀前半のイタリア(ジェノバ)の金利。1613~1621年(8年間)、新大陸の資金集積のため金利1%前半に低迷していた。しかし1622年にスペインの債務不履行でジェノバの銀行破綻で(金融恐慌)、金利が一気に4.25%に上昇した。

 次の異常は1931~1941年の米国。1920年台の大恐慌の景気低迷の後、日本の真珠湾攻撃(戦争)で上昇に転じた。1931年5月ロスチャイルド系銀行(オーストリア)の破綻、1931年9月には金融恐慌がドイツに転移。これを機に仏・米国がポンドを金に兌換し、英国の金貨準備が底を突いた。それで1931年9月に、英国はポンドの金本位制を停止した。すると金利は米国で1.5%→3.5%へ、日本でも5.11%→6.57%へ公定歩合が引きあがった。

 今、米国株は1万ドル割れ寸前が予測される。基軸通貨の信用失墜(心理)。米銀大手と中南米の株価指数が連動している。中南米経済は今回の金融不安で直撃される。ドル信認が揺らぎ米国はドル防衛に走り、近未来にドル金利は上がらざるを得なくなる。これが一部の聡明な経済専門家の意見である。この後、金融恐慌になっていく可能性は高いのではないだろうか? 

 では、零細企業は何をどうすれば良いのか?まず金利が上がるから、個人住宅ローンの金利が上がる。だからその人たちは大変であるのでその支援をすれば喜ばれる。それにモノが売れず不況が続く。ビジネスモデル(儲かる仕組)のない起業は今、始めるべきではない。反対に「売りモノ」がある人は、勝負時であろう。

 弊社も既存の顧客とは別に、「経理・決算・申告を年5万円の予算で・・・」と銘打った経理コストのユニクロ化を打出した。尤も規模が問題になるので当面、起業家に限定している。しかしコスト管理のノウハウが、3年も掛ったが、ようやく確率されたので、近く年商を限定して、全小規模事業者に広げることは、可能である。さあ、今後どのような展開にするか検討を要すると思う。広く皆様のご意見を賜りたい点である。H20.9.30税理士堂上孝生