仙台ドクタークラブ(2004~2008)

仙台市医師会野球部ホームページ
(広報部編集)
2004~2008年の活動の記録

お待たせしました

2006-09-04 | Weblog
試合が終わった日からこのブログへのアクセスが急増します。皆さんをお待たせしては申し訳ないと、一日で原稿を書き上げました。これまでの最速記録です。勢いで画像もアップしてしまいました。やはり優勝するとやる気が違います。

ついでに昨日までの打撃成績です。(10打数以上で3割以上の者)

安藤    0.615
松井    0.414
綿谷    0.400
浅沼(孝) 0.375
菊地(達) 0.375
板垣    0.321
佐藤(韶) 0.310
矢野    0.300


投手成績です。

安藤     5勝0敗1セーブ
松井     1勝0敗
板垣     0勝0敗
伊藤(幸)  1勝2敗

皆さん、今年はあと2試合です。頑張りましょう。 

ドクタークラブ便り  第27回仙台市三師会親善野球大会

2006-09-04 | 2006年 三師会親善野球大会
  とき  平成18年9月3日(日) 
  ところ  ウェルサンピアみやぎ泉 
  天候 晴れ   気温 30℃

 仙台市医師会(仙医)、歯科医師会(仙歯)、薬剤師会(仙薬)の野球好きが集うこの大会も今年で27回目となった。暦は9月。爽やかな秋風を期待したが、水銀柱は朝からぐんぐん上昇した。暑い。去年の大雨を取り返すかのような好天である。

 今回の当番である仙歯会長・阿部洋一郎の開会の挨拶に引き続き、一昨年優勝の仙薬監督・狭川晴芳から優勝杯が返還された。昨年は雨天中止となったので仙薬は丸々2年間も優勝杯を眺めて暮らした。そろそろ仙医の手許に取り戻したいところである。

<試合経過>

 ■第一試合 仙歯対仙薬

 初戦を落として優勝の目はない。仙歯は及川、仙薬は穂積、両軍ともエース同士の対決となった。穂積はスピードもコントロールも申し分なかったが、初回から仙薬の内野守備が麻のように乱れた。ゴロを打てば大概セーフになるので、穂積は三振かフライを打たせてアウトを取るしかない。正視するのが気の毒なほどであった。仙薬内野が笊であることを見抜いた仙歯は次々とバントヒットを重ね、小刻みに加点した。2回にはなんと2死満塁からセーフティ・バントを行ない、これも見事に決まった。仙薬も0対9となって目が覚めたか、ようやく4回裏に4点を返したが遅きに失した。

     1  2  3  4  5    計
仙歯   2  1  1  5  1    10
仙薬   0  0  0  4  0    4

 ■第2試合  仙歯対仙医

 仙薬の笊内野を見せられた後では、この試合が事実上の決勝戦と思われた。仙医は今回勝ちに来ている。矢野、菊地(達)を召集してベストオーダーを組み、エース安藤には連投が言い渡されてある。安藤は最初の打者を空振りの三振に取り、2番のセンターへの大飛球は綿谷がスーパーキャッチして、早くも仙歯の戦闘意欲を萎えさせた。

一方仙医は先頭の佐藤(韶)がいきなり2塁打で出塁。ここから2安打、失策、2四死球と仙歯を攻め、3点を挙げた。2回表、仙医のファースト松永が凡飛を捕らんと2,3歩踏み出した途端、どうしたことか突然転倒。左肩をしたたかに打って早々にリタイヤとなった。この走者は2塁に進んだが、次打者が3塁ゴロを打った際、佐藤(韶)の偽投に釣られて飛び出し、2,3塁間で挟殺。仙歯は反撃の芽を摘まれた。

仙医は2回裏、菊地(達)が3塁エラーで出塁。代わった千葉に綿谷、矢野、安藤が長短打を浴びせ4点を追加した。仙歯は走者を出すものの、仙医の堅守の前に3回まで3塁を踏めなかった。3回裏は3番手及川を攻め、宮地、菊地(達)のセンターへの連打で2点を加え、9-0とダメを押した。仙医は早々と大差をつけ、内野の堅さを見せつけることで、仙歯得意のバント攻撃を封じた。仙歯は4回にようやく1点を取り一矢を報い、最終回も2死満塁まで好機を広げたが、最後の打者が3ゴロ封殺となり、万事休した。

     1  2  3  4  5    計
仙歯   0  0  0  1  0    1
仙医   3  4  2  0  ×    9
 

■第3試合  仙薬対仙医

 仙医はこの試合に勝てば優勝である。既に1敗の仙薬は仙医に勝って三すくみとし、得失点差の争いに持ち込みたい。得失点差はここまで仙医+8、仙歯―2、仙薬―6である。仙薬は仙医に8点差以上を付けて勝てば優勝、7点差で勝てば同点でじゃんけんとなる。逆に仙医は6点差で負けても優勝という有利な条件である。しかし仙医はあくまでも2連勝を狙う。1勝1敗では潔しとしない。

安藤は連投である。初回仙薬は先頭打者が痛烈に三遊間を破り、その後内野の失策が重なり2点を奪った。仙医にとっては嫌な立ち上がりとなった。しかも仙薬の先発は秘密兵器・矢田29歳である。年は若いし何より当日の朝メンバーに登録されたばかりの初顔である。しかし1回裏仙医は1番、2番が連続四死球で出たところで、安藤の3塁線のゴロをサードがタイムリー・エラー。2者が帰って同点。さらに松井がセンター前に渋く弾き返してたちまち逆転した。

試合のターニングポイントは3回表の仙薬の攻撃であった。2死満塁で、6番横田は痛烈なピッチャー返し。安藤のグラブを弾いた打球はマウンドの後方2mに転がった。安藤は果敢にこれに飛びつき1塁に矢のような送球、間一髪アウトにし、1点差を守った。ピンチを凌いだ仙医は3回裏、またも松井の内野安打で貴重な1点を、4回には打者9人を送ってダメ押しの3点を追加した。その後仙薬は優勝に向かって加速する安藤を打ちあぐみ、初回の2点がスミ2となった。

この試合見逃せないのがライトに入った浅沼(孝)の守備である。球種と打者のスイングから打球方向を予測する能力は素晴らしい。打球が1塁手の頭上を越し、誰もが無人のライト線に落ちると思った瞬間、人はそこに浅沼の姿を見る。1,4回のピンチは浅沼の好捕に救われた。2回には先頭打者のライト前に落ちた打球をダッシュ良く1塁に送り、あわやライトゴロに仕留めるところであった。浅沼と猪股とは大学の同級で親友でもあるが、今後ライトのポジション争いが熾烈になりそうである。

この2人には大きな共通点がある。身体が硬いため前屈に難があり、自分で靴下が履けないのである。家人に手伝ってもらうか、かなわぬときには足を前に投げ出して座り、靴下を両手に持って後ろに思い切り転がる。足先が顔に近づいた一瞬を逃さず靴下を履く。曲芸さながらである。両足履くのに少なくても2回は転がる必要がある・・・閑話休題。結局仙医は見事2連勝で3年ぶりの優勝を飾ったのであった。



     1  2  3  4  5   計
仙薬   2  0  0  0  0   2
仙医   3  0  1  3  ×   7

 ド・クはこれで今季7勝2敗となり早くもシーズンの勝ち越しを決めた。中巨摩戦以来は圧倒的強さでの5連勝である。思えば2年前のこの大会では2試合続けて大敗。あまりの不甲斐無さに当時の佐藤(徳)監督は激昂、ナインは天を突く怒髪に震え上がったものであった。その日、安藤は肉離れを起こし、板垣は一人で5失策と大活躍。佐藤(韶)に至っては2盗の際、ベースの遥か手前で足が縺れ転倒、失笑を誘った。何一つ見るべき点がなく、チームの先行きに不安さえ覚える状態であった。

しかしその試合を原点にド・クは再生の道を歩み始めた。夜間ロードワークをする者、回数券を買ってバッティングセンターに通い詰める者、毎日息子とキャッチボールをする者。ド・クの選手は奥床しさの塊り揃いで、自分からアピールすることはないが、精進の成果は今シーズンになって現れ始めた。失策が極端に少なくなったのは勿論、目立つのはその打棒である。八戸・原田の130kmの速球に沈黙したのはいたしかたないとして、その後はあらゆるタイプの投手を打ち砕いて来た。

佐藤(韶)が今季トップに定着してから初回の大量点が増えた。相手の防御体制が整う前にいきなり長打を撃ち込むので与える心理的効果が大きい。女子バレーボール風に愛称を付けるなら“暁のテポドン”としたい。しかしそれだと精度が悪そうなので“暁のトマホーク”の方が良いかもしれない。

表彰式、懇親会は仙台国際ホテルで行われた。優勝杯を手渡された佐藤(徳)総監督は、今生にもはや未練なしと述べた。故・前田慶子先生の例もある。宿願を遂げた後はくれぐれも自愛願いたい。今回で優勝回数は仙医10回、仙歯9回、仙薬6回となり、仙医が一歩抜け出した。最優秀選手には1日で2勝を挙げた安藤が、優秀選手には松井、佐藤(韶)、綿谷が選出された。安藤は仙歯戦で94球、仙薬戦で69球の計163球、甲子園並みの熱投であった。

組織的な戦術に長け、年間10試合をこなす仙歯は絶対的なエース不在に泣く。平成11年を最後に7年間優勝から遠ざかっている。仙歯の主将宮内は安藤のトレードを申し入れて来たが、20年待ってもらいたい旨回答した。仙薬は生きの良い若手が時々入るが、何故か定着しない。メンバーが猫の目のように変わって戦力が安定しないのが弱点である。仙医は中心メンバーは不動だが高齢化に悩む。3者3様に課題を抱えるが、毎年勝負の興趣は尽きないとも言える。

優勝は良いものである。仙医の選手は3年ぶりに美酒を味わった。松井は優秀選手に選ばれた上、仙歯の美女とカラオケをデュエットし、至福のひと時を過ごした。
仙台市では、医師会、歯科医師会、薬剤師会の連携・協力が非常にうまく行っている。これは全国でも珍しいことと聞く。真剣に野球を戦い、終わった後は胸襟を開いて互いの健闘を称え合う。この野球大会がその一助になっているのは間違いないであろう。

         熱戦も 吾関せずや 赤蜻蛉
                      (文責 宮地辰雄)