同軸のコーリニアを使うようになって、短縮率の掛かったアンテナサイズに魅力を感じていた。
いつか、これを短波帯に応用して、短縮コイルやリニアローディングを使わずに、短いサイズのHF用アンテナを作ってみたいと思っていた。
一方で、コーリニアの製作図が世の中には数多くあって、どうなっているんだ?との質問も多いので、私がいろんな資料を元に勝手に理解している考え方を書いておく。
やはり、基本形を理解していないと、混乱するだろう。
同軸コーリニアには、まず下記の2つのタイプがある。
この図をHFのアンテナと考えると非常に理解がしやすい。
まずは、私が430MHzコーリニアアンテナで使用している「先端ショートタイプ」から考えてみる。
オレンジの太線が電流分布。
同軸の短縮率を応用したHFアンテナを製作すると考えて、この図をみて下さい。勿論、水平偏波です。
例では素子数が1/4λが2つ、1/2λが2つの先端ショートアンテナのモデルです。つまり1.5λのアンテナです。
[アンテナサイズと給電]
この図の場合、7MHzで考えると1/2λが3セクション相当ですから、単線で製作すると60mです。しかし、同軸を使うと60x0.67=40.2mで1.5λの利得3DBd以上のアンテナが製作できるのです。
給電点は、普通中心で行いますので、この絵では電圧給電となります。勿論、給電位置をオフセットすれば電流給電も可能でしょう。
給電の際には、整合回路が必要なのは、言うまでもありません。
この図から1/2λのセクションを全てはずして(頭の中で、この絵から1/2λエレメントをはずして下さい)も、実は、アンテナなんですね。両端の1/4λからも輻射があります。2つ合わせると、1/2λのアンテナです。
この時、全長13.4m、片側6.7mで7MHzの1/2λのアンテナになるから、魅力です。
次は、先端オープンタイプを検討します。
オレンジの太線が電流分布。
同じく、同軸の短縮率を応用したHFアンテナを製作すると考えて、この図をみて下さい。これも、水平偏波です。
例では素子数が1/2λが3つの先端オープンアンテナのモデルです。①と同じく1.5λのアンテナです。
[アンテナサイズと給電]
この図は7MHzで考えると1/2λが3セクションですから、単線で製作すると60mです。しかし、同軸を使うと60x0.67=40.2mで1.5λの利得3DBd以上のアンテナが製作できるのです。(①と同等)
給電点は、普通中心で行いますので、この絵では電流給電となります。
給電の際には、整合回路が必要なのは、言うまでもありません。
この図から1/2λのセクションを2つはずすと(頭の中で、この絵から1/2λエレメントをはずして下さい)普通の1/2λのアンテナになります。
但しこれも同軸の短縮率が効きます。従って、全長13.4m、片側6.7mで7MHzの1/2λのアンテナは①同様です。
ところで、ダブルバズーカアンテナ??ってありますが、同軸HFアンテナとは全く異なるもの??あんな簡単で効率が良いならば、メーカーが作っているよな???
G5RVに優る簡単でよく飛ぶアンテナはないさ。
[同軸HFアンテナの活用]
以上から、やはりHFハイバンド・・10mあたりで、DX用に2段ないし3段のコーリニアアンテナを制作すれば、破壊力はかなりあるのではと、考えている。
[VUHF帯の垂直コーリニア]
これですでに察しの通り、VUのコーリニアの意味が理解できていると思う。
上記の基本アンテナに整合回路やラジアルを取り付けて端から給電したものが、VUコーリニアだ。
このバリエーションの多さは、マッチングセクションとラジアルそれぞれの有無、及び①②タイプの組み合わせであり、それがコーリニアアンテナの理解を難しくしている。
また、先端ショートタイプ(または先端ショートタイプの分割型)が常用されるわけは、①図のように両端で電流給電が可能でマッチングを取りやすいからと考えている。
ちなみに、私のコーリニアは、先端ショートタイプに1/4λGP+オフセット給電でマッチングを取り、さらにラジアルが付いたものだ。
更に①先端ショートタイプでは、図でも分かるように真ん中から半分にしてもアンテナとして成り立つ。このタイプも存在するので注意が必要だ。
少しは、理解の助けになっただろうか?いやいや、理解に間違いがあるかもしれないが。