崔洋一監督の「血と骨」。
原作は、梁石白(ヤン・ソギル)の自伝的小説。
とにかく壮絶で、重く、暗い映画でした。
ビートたけしを始めとして、俳優陣の演技が良かったのは、もちろん、美術セットが、細かなところまで、よくできていたことに感心。戦中、戦後の大阪の在日朝鮮人集落が、完璧と思えるまで、見事に、再現されていました。
もう一つは、時間の経過が、説得力を持って描かれていたこと。鈴木京香の老けていく様子(メイクさん、good job!)。子供時代の田畑智子が、やがて母になり、自ら命を断つまで、微妙に年を重ねていく様子。そんなところが、一人一人の存在にリアリティを与えていました。
それにしても、崔監督は、この映画を通して、何を伝えたかったんでしょうか?誤解を恐れずに言えば、金俊平というとんでもない怪物の持つ「愛情」ではないかと、ふと思いました。
家族の前で、平気で愛人を抱く神経を持ちながらも、また金の亡者でありながらも、この男の心の片隅に宿る、人を思う気持ち……。
自殺した娘の通夜で、「俺の娘は、どこだ」とその夫に迫り殴りかかる場面。脳腫瘍の清子の身体を大きな金ダライで優しく洗う場面。死んだ妻の火葬場にそっと姿を現す場面。そこからは、いびつで、そして不器用な彼の愛情が、哀しく伝わってきます。
梁石白(金俊平の息子)は、高校卒業後、さまざまな仕事を転々とした後、50代半ばで、作家デビュー。原作は、上下巻で文庫になっているけれど、ボリュームがありすぎて、ちょっとすぐには読めないなぁ。
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映画の出来はともかくとして、
役者としてのたけしはこの映画に合っていたと思います!
鈴木京香も女優として、いい演技だったと思います^^
>自殺した娘の通夜で、「俺の娘は、どこだ」とその夫に迫り殴りかかる場面。
脳腫瘍の清子の身体を大きな金ダライで洗ってあげる場面。
死んだ妻の火葬場に姿を現す場面。
これが彼を憎みきれなくさせてたんですね☆
壮絶な映画でした!
井筒監督のパッチギが楽しみです!
「血と骨」は原作をまず読了しての劇場鑑賞でしたが、どちらも素晴らしかったです。
人物もストーリーも、強烈な映画でしたね!
原作は文庫本のわりには、厚いですが、
一気に読めてしまいますよ!
原作長いですが、是非読んでみてください。
読み応えあります。
梁石白の最近の作品では「裏と表」も面白いです。
私のページはしばし放置状態になっており、
ご返事が送れましたことおわびいたします。
原作は映画よりずっとおもしろいです。
是非お読みになってみてください。
確かにところどころに感じられましたね。
TBさせていただきました。