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治療不可乃會

この宇宙のBGMにはタンジェリン・ドリーム(初期)しかありません。
ポツリポツリと更新させてもらってます。

プログレかくれ里

2009年12月05日 | ヨモヤマ話
とんでもないアーティストの来日が
来年も続くようですが、
クラウス・シュルツェの初来日決定には驚きました。

先日の上京時、7、8年ぶりに
東京タワーの蝋人形館に行ったところだったので。

以前と違い、
プログレ人形たちはアダルトコーナーのごとく
小部屋のような一角に集められていました。

しかもその入り口には
‘Inventions For Electric Guitar’
=マニュエル・ゲッチングのアルバムタイトルが掲げられ、
特別展示のコンセプトをほのめかしていました。

確かにジャーマンプログレというジャンルでは
有名な方々の蝋人形が鎮座ましますわけですが、
あくまでも偉大なる「エレキギターの創造」者達…
なんですね?

全貌は行けばわかるので省略しますが(笑)、
もはや東京タワーの観光などではなく
京都の実家近くの山寺の拝観のような気さえました。

薄暗い空間に
アシュ・ラ・テンペルのアルバムがエンドレスに響き渡って
辺りの空気は妙に澱んでおり、
関連資料の展示はさながら宝物殿でした。

ここではフリップもザッパもテキトーな扱いです。

ジャーマンプログレは人並みに(?)聴いてきたつもりですが、
誰だかわからない人形が一体あって
身元不明遺体みたいで怖かったです。
(例えが悪くてすいません)

迷い込んできた純粋観光系の中年のご婦人が
「クラウス…シュリエ?」
と誤読をして去っていかれたのは救いでした。

そうやっておののきながらも
ショップも含めると小一時間ウロウロさせて頂いたり。(笑)

大都会の中の‘プログレかくれ里’は健在でした。

ちなみに「クラウトロック」という
茶化したようなカテゴリーが嫌いな私です。
真剣に聴いたらそういう発想は生まれないはず。

ジャーマンプログレは表舞台には出れなかったけど、
様々なジャンルに昇華されることで
音楽を進化させた影の功労者ですから。



 思えば15の年から本気で向き合って来たなぁ…



秋のメタルツアー ②究極のアシカショー編

2009年11月25日 | 企画モノ
早くも一ヶ月が経ってしまった
ジューダス来日公演とラウドパークの記憶を、
遅ればせながら記しておくことにします…。


全曲演奏日本初演となる神戸。
会場は普段演歌の公演に使われることも多く、
  》こんなとこでジューダスやっていいのか…?
と、始まるまで半信半疑。

エキチカなので通勤・買い物客に紛れて
ジューダスのオールドファンが集う姿は異様な光景。
私も仕事を早退し駆けつける。
人生史上初、10列目の席だったので、
さして視力のない私ですらロブの胸毛が拝める距離。

  》このシンプルなショーは一体…?

比べるのもヘンだけど、
ジェフ・ベックのライブ・アット・ロニースコッツを想起。
鋼鉄神なのに、「バンドの音」「バンドらしさ」が楽しい(笑)。
神戸という一地方の公演ゆえか、
ロブにはラフさ(悪く言えば脱力)すら感じられる。

すぐに‘原点回帰’という言葉が浮かぶ。

『ブリティッシュ・スティール』全曲演奏という企画を
初めて聞いた時、
「もう後がない!」と絶望的になった。
が、エンジェル・オブ…といい、ノストラダムスといい、
近年のやりすぎ感をリセットするために
この企画はあるのだと理解できた。

音もシンプル、セットもシンプル、衣装もシンプル…
(まるで現ディープ・パープルだな

相方には終演後、
「極めてシンプルなアシカショーだった」とのみ報告。
それゆえ大いに観る価値はある、と。


翌々日に上京し前述のディアノの公演を経、
ラウドパークへ。

ジューダス神戸公演の日に
エース・フレーリーのキャンセルを知り軽くショックを受ける。
それでも人生初ドッケン(ジョージ・リンチ含む)だし
ツェッペリンのコピバンもあるから、
ま、いいか~と気を取り直す。
前夜のディアノのライブで耳はやられたまま…。

指定席で「体力温存!」をモットーに、
日中をやり過ごす。
常に軽食類をモグモグさせながら(歌舞伎観劇みたく
ラウドネス、ドッケン、アンスラックス等を拝見。

正直ツェッペリンのコピバンは
この程度ですか…という感じ。
ローリー寺西のほうが、
ジミー・ペイジの本質をはるかによくとらえている。

相方は私の神戸公演報告を受け、
「そんなにいいライブなら最前列で観るしかない!」と
気丈にも2バンド前(アーク・エネミー)より
ステージ近く目指し旅立つ。

新作はあまり気に入ってないけど、
メガデスでは着席状態のまま盛り上がる(大人だな~)。
相変わらず年齢不詳のムステイン。

眠気を感じる時間に鋼鉄神演舞開始。

まず驚いたのは、ロブの力の入りよう。
私が今まで見てきたジューダスのライブでは最高の、
宗教家レベルのカリスマオーラを発揮。

  》周りの空気が凍るってコレのことだな…

と同時に、ロニースコッツ状態の神戸公演が思い出される。

  》これって、もしかして東京と地方の格差問題…?

ラウドパークのトリとして、
若いもんには負けてられない気合ゆえか
東京公演はいつもこれくらい力が入ってるのか…

複雑な心境に陥ったけれど、ザ・レイジは圧巻。
個人的に今回の目玉曲。

KKは髪も表情もぐったりしていて、
やっぱり年には勝てないのかな…と心配に。
グレンはどこで演っても同じ安定感。
匠の技ですな。

ステージ横のスクリーンに元気そうな相方の笑顔が映し出され、
身を案じていたけど無茶苦茶いい表情してるので
安堵する。
まさか最前列にたどり着いたとは…

グレンのピックを隣にいた外国人に横取りされ、
家宝になり損ねたのは気の毒だったが。


原点回帰は二度見ても素晴らしかった。
ジューダスは再び地球に降りてきてくれた(笑)。

が、地方公演との「格差問題」に
今さらながら気づいてしまった。
これからは東京公演に通うことも必要なんだろうか…?
歌舞伎観劇状態でメタルを楽しめる
ラウドパークには来年も行きたいと思うが。

で、次のアルバムは一体?
という若干の危惧も…。







秋のメタルツアー ①ビースト編

2009年11月03日 | 企画モノ
秋のメタルウィークから半月が経ち、
やっと頭の中が整理されてきました。

一週間のうちに、ジューダス神戸公演 ~上京 
→ビースト クラブチッタ公演 →ラウドパーク
…を消化するという、久しぶりの強行軍。

ビーストとは、かのポール・ディアノ氏。
初期メイデンほぼ全曲演奏らしいのと
相方が盲目的な信奉者であるので、
今回のライブに同行させてもらうことに相成りました。

「ギャップのないように」という相方の配慮により、
最近のアルバム(メイデンカヴァー集)も予習。
90年代以降の海坊主状態のヴィジュアルも押さえ、
「ロブがアシカならディアノはトドだな…」
と心の準備も万端。

それが、トドどころではなかったのです。

 》 まるでマナティーだ…

メタボを通り越した巨体に加え膝が悪いらしく、
直立不動の様は悠々と立ち泳ぎをする
海獣マナティーのようでした。
(とはいえ上半身はアクティヴです。声もよく出てました。)

覚悟はしていたもののやはりどこかで、
メイデンデビュー時の若鮎のような姿を
求めていたのかもしれません。
昨年春、シロクマのクヌート君に会いに
ベルリン動物園に行った時並みの衝撃でした。
(成人したクヌート君は、
 ただのデカい黄ばんだ感じのオス熊でした。)

直立不動でも、とりえあず歌は相当上手いんです。
若い頃とはまた違って、
海千山千の老海獣(笑)にしか出せない深みがあります。
MCからも素行は悪くても
悪意はない(むしろ善良な)人柄だということが伝わりました。

 》 でも、Tシャツの柄が映画『スカーフェイス』って?

フロントには映画(※)のシーンのコマ送り柄プリント、
バックにはロゴ。
たまたま家にあったTシャツを着てきたのか、
主演のアル・パチーノが好きだからなのか…
いずれにせよ生地のヨレ感から
かなり年季が入ってる様子。
(※今風にいうなら、超肉食系男子の成り上がり人生を描いた映画)

選曲はマニア向きのものもあり
ディアノファンとしては大満足だったらしいです。
…が、ワタシ的には
老海獣が歌う凄みのある初期メイデンナンバーと
『スカーフェイス』Tシャツに幻惑されながらも、
「ずっと汗かきっぱなしでゴメンよ~」との
最後のご丁寧な謝罪MC(?)で
何とか我に返れたというライブでした。

ちなみにその日は、朝から美術館三つハシゴして
夕刻にはタクシー移動してまで
東京タワーの蝋人形館に行ったりして相当疲れてました。
でもそのくらいでよかったのかもしれません…。

ディアノ氏にはとりあえず
膝を治すとか体重を落とすとかして頂いて
来阪を願うばかりです。


 翌日のラウドパークではさらなる衝撃が…


小さな鋼鉄神って何やねん!

2009年09月14日 | 心の叫び
週末、
デヴィッド・シルヴィアンの新譜『マナフォン』を
●マゾンで発注しました。(明日より発送開始とのこと)

ほとんど無意味だとは思いつつも
曲名をざっと見ると…。

 一曲目  :  Small Metal Gods 


「エッ、小さな鋼鉄神って…」

普段低血圧の私ですが、
血圧が高騰し頻脈になりました。

デビシルHPにて、
『ブリティッシュ・スティール』批判等の意図は
全くないことを確認。(当たり前)

そもそもデビシルとジューダスが両立してしまう耳に
問題アリなのですが…。

ていうか、また『NAOSHIMA』みたいやん!!
(↑HPにて試聴)


それはともかくとして、
ジューダス来日が近づいて来たので
軽く神経過敏になってるみたいです。
ラウドパークも年寄り泣かせの出演者が増えすぎて、
精神的に混乱しています。

ドッケンやキッスのヒットメドレーに、
プログレ畑の私がどう反応したらいいのでしょう?





デビシルの新作に不安がないわけではない

2009年07月22日 | ヨモヤマ話
先日エイドリアン・ブリューの“Young Lions”('90)を
今さらながら中古で購入し、
昼寝しながら聴いていました。


ふとデビッド・ボウイの声が聞こえたように思い
これは幻聴ではないぞ!とびっくりして飛び起き、
ライナーノーツを確認したら
単にボウイが参加していたアルバムでした。


90年代初頭にボウイがブリューを従えて来日した時、
私は何かの理由で(失念)ライブに行けてないのですが
姉が「ブリューがいる!!」と狂喜して
東京ドームの公衆電話からリポートしてきたのが
昨日の事のように思い出されます…。
(事前にツアーメンバーを把握していなかったようで)


ボウイといえば、
私の中で最近心境の変化がありました。

嫁:イマンが黒人モデルとしていかに苦労してきたかを
語る映像をたまたまネットで見
その媚びることのない中性的なカッコよさに
心を打たれたのです。
彼女は外見もメンタルもたぶんボウイより男らしいです(笑)。

そういうわけで、「ボウイを独占しやがって!!」
というイマンへの長年のわだかまり(結構執念深い)が
突如としてとれてしまいました。

まったくの私事で恐縮ですが…。


デビッドつながりというわけではありませんが、
シルヴィアンのほうはニューアルバムが
9月に発売予定。
過剰な期待を抱いてはいけない!!と思いつつも、
今彼がどういう方向に行ってるのか楽しみではあります。

弟ジャンセン達とのプロジェクトはさておき、
個人名義のアルバムだと07年発表の
“NAOSHIMA”が記憶に新しいですネ。
全世界で何枚売れたのだろう…と心配せざるをえない、
芸術性の高いサウンドスケープ作品。


かくいう私も今年の冬に直島(香川県)に行き、
デビシル作品を検証。
イギリス人の感性だと
四国にありがちなド田舎の小さな島(すいません)も
こう詩的に解釈するものか…と感心しました。

昔からエキゾティシズムの好きな人だから(笑)
大いに刺激されたのでしょうね。

いずれにせよ直島は、
猫が日向ぼっこをしているような昔懐かしい風景の中に
極彩色だったり観念的だったりする
現代アートの楽園が…という、
世界に類を見ない貴重な空間であります。

ベネッセ経営のホテルは各部屋にテレビがなく
代わりにBOSEのCDプレイヤーがあるとのことで、
「DJか!」っていうくらい
CDを持参してしまいました。(←相当アホ)

明らかにミスだったのは、旅行直前に入手した
モーガン・フィッシャー企画の『ミニチュアーズ』('80)を
聴き込んでしまったこと。

1人1曲1分…計51分の、
キワモノ的コンピレーションアルバムです。
フリップやロバート・ワイアットも参加。

たまたま外は雪まじりの強風という悪天候、
求めていた安らぎのホテルライフとは程遠かったですね(笑)。



皆様も旅先のBGMにはお気をつけ下さいませ~。





ビーストがやって来る!

2009年07月18日 | 心の叫び
先日、
邦楽が好きでバンド活動ではギター担当という高校生と
会話をしていました。
 

「どんなジャンル演ってるの?」
「ハードロック!」

平成生まれだとB’Zとかになるのかな…(百歩譲って)
いやいや、最近のバンドもなにがしかあるんだろう。

もちろんここで引き下がる私ではありません。

「具体的なバンドで言うと?」
「グレイ!」


その瞬間、私の脳の神経回路がプスプス…
ショートしたように思いました。


回復に3日かかりました。(本日全快しました)


↑のように、近年音楽ジャンルのカテゴリーが
曖昧化してきてるように思います。

iPod世代は
アルバム間もシャッフルして聴いてしまうから、
ジャンルのみならず
アルバムという形態も無意味化しているようです。

その流れか、新旧含めたアーティストも
彼らにとっては存在の重みがない気がします。
「記号化」と言ったほうが適切かもしれません。

グレイが好きな高校生も
毎月のように自分のライブ活動は行っているのに、
いわゆるプロのアーティストのライブは
観たことがないそうです。

死に筋系アーティストのライブだけが生きる糧の
私などには、とうてい信じられません。


アーティストは記号にすぎないから
ナマで観る必要もないし、
アルバムをありったけ聴いて
その全体像を捉える必要もない。
iPodのネタとしてザッピング(ツマミ食い)が繰り返されるわけです。

聴いてきた音楽の全体量は多くはないけれど、
ツェッペリンだけは、ジミヘンだけは、YMOだけは、
しっかり聴き続けている…
そういうリスナーが我々の世代には少なからずいます。

iPod世代を責めているわけではありません。
ただ、音楽を受容する上での自分の価値観と
あまりにかけ離れていると感じずにはおれないのです。
社会(技術)の変化と人間精神の変化が
絡み合った結果なんでしょうか…。


そんな中でジューダス・プリーストの
「ブリティッシュ・スティール」全曲演奏は、
アーティストの持つ威厳と偉大な作品が放つオーラ
(W.ベンヤミン言うところの「アウラ」)
を取り戻す試みといえるでしょう。

こういう動きがヘヴィー・メタルという
どちらかといえば亜流扱いを受けてきたジャンルから出てきたのは、
特筆すべきことだと思います。
(ファンとのつながりが特別濃いから?)

音楽に必要以上に身も心も捧げてしまった世代の、
価値観を共有できる場になることを切に願って…



あ、ポール・ディアノのメイデン1st&2ndほぼ全曲演奏は、
ただ単にそれ以降の活動の知名度が低いからで
壮大な試みでもなんでもありません。
(そこがディアノらしくてイイ!


 わーい、Running Free が聴けるぞ~♪



全曲演奏に身も心も燃え尽きたい

2009年07月08日 | ヨモヤマ話
マイケル・ジャクソンの一連の報道に気を取られていたら、
先月はヒュー・ホッパー氏やピナ・バウシュ女史までも
ご逝去されてたではありませんか!!
そんなバカな…


80、90代の大往生ならまだしも、
60代の方に逝かれるとさみしく感じます…。
ますます燃えカスアーティストへの忠節も
尽くしていかねばならん!と思った次第です。

ご存知のように、秋~冬にかけても骨董品の来日ラッシュ。
もう財源の続く限り頑張るしかありません。


さて近年、イベントとして開催される
中古CD・レコード市が京阪神エリアであれば
マメに出入りしています。


輸入CD屋とかアマゾンなんかだと、
もともと関心のあるアーティストの作品しかチェックしないから
自分のこだわりから抜けられないんですよね…

その点、会場の在庫を全部見る勢いで挑みますから
(世に言う「ベストヒットUSA状態」)、
「そういえば、こんなアルバムあったなあ!」
という狂喜の発見が度々あります。

日頃興味のないアーティストのまで
安いので買っちゃいますしね…
在庫の状態から今何が大人世代に聴かれてるのかも
わかったりして、面白い。
(来日があると少しタイムラグを置いて在庫が増える傾向が)

…ですが最近自分が買ったものを見ると、
若い頃関心があったものから
全く抜け出せてないことを自覚させられました。

例えば
ルー・リードとジョン・ケールのA.ウォーホル追悼盤、
『ソングス・フォー・ドレラ』。
こういう企画モノの¥相場は安いですね。
作品としての評価は…微妙ですが。

実はヴェルヴェット・アンダーグラウンドは
昔からかなり好きで(ルー・リード単品は苦手)、
学生時代はウォーホルのダラ撮り実験映画も
「教養として絶対必要だ!」と思って忍耐強く観たり。

4月のニューヨーク旅行も
ウォーホル関係の遺跡(?)巡りは欠かせなかったし、
ロックンロール・ホール・オブ・フェイムの売店では
ヴェルヴェットグッズを購入。(時代錯誤で恥ずかしい
どメジャー観光スポット、エンパイア・ステートも
ウォーホルの重要モチーフの一つだな、
と見なしてしまうわけです。

四半世紀近くも興味の対象が変わらないってのは、
人生とは結局同じところを
グルグル回ってるだけってことなんでしょうねえ。
(いつも痛感させられる…

そういえばミニマル・ミュージックって
また聴かれてるみたいです。
最近は中古市でもミニマル作品を見かけるようになったので、
何事かと思ってました。

我々世代だと現代音楽経由で聴き始めたものですが、
今時のリスナーは
今様テクノやジャーマン・プログレ経由で入るんですね。
キッカケはなんでもいいと思うけど、
聴き出したら系統立ててちゃんと聴いて欲しい。
(↑説教臭い)

ま、自分ルーツを挙げるなら、
私は戦前ブルース経由。
ロバジョンの音源が出回った頃にハイティーン(死語)でしたので。

決して支離滅裂ではありません。
あの単調な反復の世界はある意味ミニマルですからね…。
ただし、隣の姉の部屋から
スティーヴ・ライヒが聞こえてくるという
特殊環境が必要でしたが。


今年も全曲演奏流行りだな~(やっとタイトルとの関連性が!)



アーティスト「枯れ」の作法

2009年06月28日 | ヨモヤマ話
本ブログは死に筋系ロックを専らとしますが、
今日は世代的には避けて通れない
この話題をさせて頂きます…。

マイケル・ジャクソン逝く。
知らない間に五十路になっていた…ことにもビックリ。

全盛期にローティーン(死語)だった私の
彼に対するイメージはアーティストというよりか、
特撮ヒーローみたいな感じでした。
(マドンナもある意味「ビジンダー」みたいだったし)

当時マイケルはどメジャーすぎて、
語るには気恥ずかしい存在。
むしろアル・ヤンコビックのほうを話題にしていたり。
(それもどうかと思うが。

今思うとネバーランド建設とか
子供の頃に充分遊べなかったことの代償行為だし、
妙に色白になってったのも
成功してもなお差別的待遇を受け
それに精神的に打ち勝てなかったってことか。
なんだかせつないわ~。

歴史上の偉人ばりに桁はずれにメジャーになりすぎたのと、
斜陽期以降うまく「枯れ」ていけなかった所に
アーティストとしての悲劇があるんでしょう…。

相続のことは兄弟に任せて(こりゃモめるなぁ~)、
バブルス君(不幸にも事故死したペットのお猿さん)と
天国で仲良く暮らしてください!


(↑後日訂正…バブルス君、存命だそうです。すいません。
 20年位前に交通事故に遭ったかと思うのですが??)


そういうわけでマイケルを追悼しつつ、
改めてアーティストの様々な「枯れ」のスタイルについて
整理してみました。(結局テーマはそっちかい!


大御所バンドの中には、
枯れたなりの秀作を発表し続けるバンドもある。

UFO、スコーピオンズ…
とうに「燃えカス」段階に達しつつも、
近年のアルバムは見過ごせないクオリティが。
中でもディープ・パープルは
ワビサビの境地ともいえる新作を発表し、
全盛期とはまた違った異様な魅力を放つ。

ライブではメンバー全員が満面の笑顔という、
観客おいてけぼりの全盛期RB氏とは全く違うアプローチ。
「老いることはつらいことばかりではないヨ!」と、
勝手にメタメッセージを受け取る
オーディエンスも少なくはないだろう(自分)。

宗教的な雰囲気すら漂い、
個人的には「らぷちゃ~ず」と呼んでいる。
アーティストの老後の理想型だが、
「まだ何かを生み出したい」という欲のある
選ばれた者だけが可能なように思える…。

肉体は衰えてしまったが、
全盛期と変わらぬ格好で全盛期の曲を演る。
新作もなくはないが、あくまで「話題づくり」のレベル。
骨董品愛好家のみに歓迎されるが、
これもまた枯れスタイルの一つである。

一曲目から革ズボンが破けないかと
ハラハラさせられたり(IMさん)、
バックバンドのに~ちゃんが孫くらいの年で
スラッシュメタルふうだったりするけど
とりあえずいつもの「タバコロード」を演られたり(EWさん)。
(↑日本式に黒子の衣装をさせるのはダメかしら?)

はたまた前回の来日は太ってベロベロだったのに、
翌年には痩せて精悍な顔つきで
まるで別人のようにプレイしたり。
(アッ、そういえばこの人の名前もマイケルだ…

骨董品愛好家としてはもう何でもOKとせざるをえません。
継続は力なり、ですから(?)。

また生活を圧迫しない程度に、
自分なりのペース&スタイルで音楽活動を続けるもよし。

今夏も細々とドイツの古城で
中世音楽のライブを行ったり(RBさん)、
ライブ活動はしないけれどカンタベリー系の重鎮として
存在感めいっぱいだったり(RWさん)、
時々公に出て来ては一気バイトのごとく稼いで
また隠遁する方も…(三大ギタリスト某氏)。

あんまり久々に人前に出たから、
ライブが発声練習みたくなってしまう方も
いらっしゃいました。(GBさん)

来日インタビュー時の巨漢ショットを雑誌で見て、
「体調不良でライブに行けなくてむしろよかった」と
しみじみ思うことも最近ありました。
(ブルースギタリストのMTさん)

思い出は美しいままに…
完全に引退してしまうのも一つの手だと思いますがね。



…結局どれがいいとも言えないんですが、
やっぱりらぷちゃ~ずはスゴイなぁ~という
ことです!!(→一応結論)



余談ですが、「枯れオーラがたまらん!」という、
乙女心に訴えかけてくる一握りの人たちがいます。

これは音楽活動のスタイル如何ではなくて、
個人的好みの問題ですのでまた改めて…

フフッ



ミスター・ビッグ回顧(プログレ目線)

2009年06月17日 | ライブ評
ミスター・ビッグといえば、
90年代の猫も杓子も…的なバンドの代表格。
プログレ求道を始めた頃の私の中では、
「流行りモノ」にすぎない存在でした。

なので回顧とも言い難いのですが、
友人の付き添いで先日の来日公演へ。

客層は…あまりに健全。(場違い感に悩む。)


バラードナンバーを改めて聴くと、
トッド・ラングレンの影響(ポール・ギルバートが公言)も
認められなくはない美メロが結構ある。
今の流行曲なんかより、ずっといい。
(年々退化していってるのか、音楽シーンは?)

ヴォーカリストの歌唱力に感動することは
プログレのライブではあまりないが(表現力は過剰ですが )、
エリック・マーティンは
邦楽カヴァーを歌っている場合ではない
素晴らしい才能の持ち主だと思う。
(さすがに邦楽コーナーはなかったです

ポールのギターソロは…相変わらず品がない。
もっと叙情性を!!
(ファンの皆様、すいません)

ビリー・シーンのように、
「なんでもやりまっせ」的営業力のある
タフなアーティストは、アメリカ人らしくて好きです。
どう考えてもミスター・ビッグを
ミスター・ビッグたらしめたのは、
彼の力。(他のメンバーはキャラ薄めだし)
ティム・ボガードを敬愛してるのも好印象。

たぶん十年後も残っているのはビリーだけでは…。

知らない間に驚くほど老成していたドラムのパットは、
私の「枯れリスト」に追加することにしました。
(現在の登録者はリチャード・バルビエリとエディ・ジョブソン

余興(?)で演った
メンバーがパートを入れ替わっての
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、
皆の(ビリー以外)おぼつかない感じが微笑ましくって!!
特にギター担当で余裕のないエリックがキュート

一曲目から断続的に泣いていた友人。
ミスター・ビッグの全盛期は
彼女の青春そのものだったようです。
(団塊ジュニア世代の例に漏れず、色々苦労したからなぁ…)


ところで私が最近涙したライブって??
 
アッ、ジューダスのノストラダムスのツアーか…


是非この秋も号泣させてほしい。
ロブ…



エディ様 with ガンちゃんと若いの 来日公演

2009年06月12日 | ライブ評
昨夜のUKZ来日公演は新生UKというよりか、
完全にエディ様・オン・ステージでした。

メタボとは無縁のステキな枯れ具合。
覇気も充分です。

トレイ・ガンはフリップ翁の肉体派ヴァージョンみたく
なってました。(個人的にこの先楽しみかも)

会場の皆さんはやはりUKという名のもとに
集まったんですよね?
プログレ関係であんなに大入りの
●ig Catさんは初めてでした…。

セットリストはエディ様のお時間、
そして「若いの」が頑張るコーナーと、
UKのベスト・オブ・ベスト。
(↑テキトーですいません。でも的は得ているかと。)

「太陽と戦慄」で一番盛り上がる失礼極まりない私。
久々に脳内麻薬が大量に出ました。
(ガンちゃんのスカート姿もフラッシュバックして
 帰宅後なかなか寝付けず

トコロテン流の継承者とされる
ギターの「若いの」(といっても三十代)は、
エディ様のサブ的ポジションではあったろうけど
やたら華がない(泣)。
ミュージシャンたるもの、
人間性でも観客を魅了してほしいんだよな…。

でも陽気なドイツ人ドラマーとガンちゃんとトリオで
何かいいものができそうな気がしたよ。

ついでに言うとヴォーカルはもっとプログレっぽい
叙情的な人がいなかったのかな…

ま、統一感はなかったけれど
エディ様のバイオリン乱れ弾きを堪能でき、
次世代の可能性もチラリと見えた貴重なライブでした。


(↑いつも書きたい放題ですいませんね…
  メンバーの皆さんの実名も出さないで重ね重ねすいません…)


さて来週は、友人の付き添いでミスター・ビッグ。
当日忘れないようにしないと。(笑)

エリックが邦楽カバーを歌い出したら、
個人的には即トイレ休憩の予定。

 ビリー・シーンは楽しみ♪





鋼鉄神を待ちのぞむ

2009年06月07日 | 心の叫び
今年も鋼鉄神の来迎(ラウドパーク)が決定し、
嬉しいばかり。

大阪公演がなければ上京するまで…。

世界同時不況の年に、
労働者の決起団結を讃えた『ブリティッシュ・スティール』の
全曲演奏とは、なんと象徴的な…

週末のうちに軽く10回は聴いてしまう。
そういえばこのアルバム、大学一回の頃
LAガンズのライブ前に心斎橋周辺で購入した記憶が…
(↑友人の付き添いとして。学生時代はこういうのが多い。)


できればラウドパークで、
同時期に来日するポール・ディアノもライオットも
まとめて観れるようにしてもらえませんかね?



不意にメタルスイッチが入ってしまったけれど、
今週はUKZのライブ。

戦慄!A!(ジェスロ・タル)
なんでも来~い!!



 ※本日のタイトルはシモーヌ・ヴェイユ女史より若干拝借。
  年々崇高さを増すジューダス。既に宗教です。




戦慄の梅雨のプログレ祭り

2009年05月30日 | ヨモヤマ話
先月末にニューヨークより帰ってからというもの、
日々の生活は少なからず新型インフルの影響を受けている。
(兵庫県民だったりするので)

とりあえず用がない限りは自宅で過ごし、
訳もなくキャプテン・ビヨンドばかりを聴く。

週末の自宅待機のやるせなさが
不思議にビヨンドで払拭された…。

街中の輸入盤屋に行けないという点だけは
非常にストレスが溜まるので、
●マゾンにてCDを発注し解消。
(検索&購入履歴がなんとなく気恥ずかしい)


そうこうしているうちに
新型インフル騒動も落ち着いてきたので、
来月公演のUKZのチケットを入手する。

正直UKにもエディ・ジョブソンにも
あまり強い思い入れはないが、
「プログレ祭り」的観点からいえば極上の企画。

UKZとしての新作は、
何故か90年代のキング・クリムゾンそのもの。
(You Tubeにプロモの投稿があるので参考にされたし)
…トレイ・ガンが仕切ったのか?

それはいいとして、
‘In The Dead Of Night’や‘Alaska’は勿論のこと、
何が飛び出すかわからない(死語)ライブになりそうな…

ギタリスト(私は初耳でした)はやはりトコロテンギター系なので、
個人的にこっちも楽しみ♪

大阪でのプログレライブは
お客さんが少なくていつもせつないです。

「太陽と戦慄」を演る可能性もなくはないな…(※)
くらいの過剰な期待を抱いてまいりましょう!!


※海外公演ではレヴィン+マステロットの飛び入りで
 演奏されたとか


呪われしゴールデンウィーク

2009年05月10日 | 企画モノ
今年は冬~春にかけて
例年にないほど‘要参拝’アーティストの来日が続いたが、
4月に入り一層の来日ラッシュに見舞われる。


ポール・ウェラー→インギー+ディープ・パープルと
精神的な無理がたたったのか、
中旬より体調がとんどん崩れていく。

ミック・テイラーに至っては前日より扁桃腺が腫れだし、
泣く泣くキャンセル。
(●ルボード・ライブのこの制度は本当にありがたい…)

医者に行くと処方されたのが、
抗生物質と鎮痛剤(ペインキラー)の「ロブ」錠。
どうしてゴマンとある薬の中でこれが選ばれたのか…
何かの偶然だと自分に言い聞かせる。


まもなく世間より早めの休暇スタート。
体調不良の中、単身渡米。
この頃は新型インフルの猛威を知るべくもなく…


ニューヨーク到着、
時差ボケでフラフラになりつつも
チック・コリア+ジョン・マクラフリンの
ファイヴ・ピース・バンドのチケットを求めに走る。

が、会場のチケットカウンターで
「全日ソールドアウトよ~」と言い渡される。
三日間もある公演だから
現地で買えばいいと思っていたのが甘かった…。
カリフォルニア・ロールをヤケ食い。(ほぼ毎晩)

ミニマル・ミュージックの大家(?)、テリー・ライリー
(ソフト・マシーンの面々にLSDを広めたりした)の
代表作「In/C」の公演のほうは難なく入手。
ヤッピー(死語)の集会になることを猛烈に期待する。


そもそも今回の旅行は
美術館詣で+観光満喫のはずだったが、
道すがら(?)ロック巡礼。


ジャズ・ジャイアンツ(死語)縁の地はいうまでもなく、
ジミヘンのエレクトリック・レディランド・スタジオ、
ツェッペリンの『フィジカル・グラフィティ』のジャケのアパート…
(↑似たような建物が多いのに不思議とわかるんです。)

ニューヨークといえども、探せばある。
ダコタハウスだけではありません。
CDも安いし、
意味なくジェスロ・タルの聴き漏れアルバムを購入。

「ロックンロール・ホール・オブ・フェイム」なる
ロックのスミソニアンを目指す(らしい)施設の別館が
最近ソーホーにできたばかりなので立ち寄る。
(本部はクリーブランド)

入館するとまず名曲イントロ地獄の小部屋で待たされる。
数十分してスクリーンのあるホールに移動し
ロック史を10分ほどの映像で振り返らされる。
(文化人類学でいうところの通過儀礼ですな)

やっと展示室に入ると、
衣装やギター、肉筆原稿や当時のパンフ・ポスター類が。
かなりアメリカン・ロック寄り、
しかも地元CBGB出身のバンド重視なのは仕方がないが、
全体として結構見ごたえあり。

4月の企画展は「ザ・クラッシュ展」。
あの展示量はクラッシュファンなら泣けたと思います。
見学に来てた小学生の団体(黒人9割)なんか
完全に無視してました。(笑)
ちなみに5月以降はオノ・ヨーコ監修のジョン・レノン展なので
ファンは期待されたし。

PS1というMOMAの別館にあたる美術館では、
タイミングよく(?)ケネス・アンガー展開催中。

この際だから全作品を観る。
もちろんジミー・ペイジがサントラのデモを作ったという
「ルシファー・ライジング」も含めて。
つくづく真昼間から観るものではないと思いましたが…


運がいいのか悪いのか、
滞在中の週末にマンハッタンで開催されたライブは
私の趣味圏内のものだけでも以下。

 ・ファイヴ・ピース・バンド
 ・ポール・ウェラー
 ・ルー・リード(メタル・マシーン・トリオなるプロジェクト)
 ・アラン・ホールズワース

テンション高すぎ!

結局その中からレア感の高い
テリー・ライリー(atカーネギー・ホール)を選んだわけですが…

演目はミニマルの基本形のような曲なので、
好きじゃないと眠くなります。(笑)
それが、総勢80人くらいいる出演者と観客との
境界が感じられない、和やかムードの会場でした。
ヒッピー世代はノスタルジーに浸り、
若い世代は新鮮味を感じているような…

ヒッピーはヤッピーになった後、
ステキな老紳士になったのですね。
妙に納得してしまいました。

隣の席はスキンヘッドのゲ●・カップルだったけど…


帰国の機内で新型インフル騒動を知る。
毎日ニュースは見てたけど、
扱いが小さくて重要性がつかめてなかった。

 ゲッ!集団感染した高校のあるクイーンズ地区って、
 ケネス・アンガー観た所やん~


体調は悪くなかったので翌日、
オーヴァー・ザ・レインボーのライブで
ユルゲン・ブラックモア拝見。

 なんか小動物っぽい…
 ネオナチふうの衣装はちょっと…(すいません)

ジョーリンが「レインボーのセレブレイションだ!」と
やたら強調。
ディオ期の曲を歌われると
やはりどこか違和感を拭えない一部のファン(自分?)を前に、
ものすごく頑張っていたのが印象的。

後期レインボーを全曲演ってくれればいいのに…
(そのつもりだったのに~)


そして時差ボケとの闘いの中で
怒涛のようにGWは終わっていきました。


今年はサマソニの出演アーティストも全然だし、
ゴングが来るフジロックは宿泊の手配等出遅れたし、
ラウドパークに賭けるしかないようですね…

当分おとなしくしてま~す



ブリティッシュ・スティール全曲完奏が観れますように…




プログレ風呂 最終回

2009年03月12日 | 企画モノ
●風呂で絶叫(by ボズ・バレル)●

花粉の飛散やらハノイ・ロックス解散やらで
風呂でゆっくりプログレを…
というわけにもいかなくなってきました。(?)

最終回は愛してやまない
キング・クリムゾンの『アイランズ』で
シメさせて頂きたいと思います。

短い間でしたが、
本企画は日常にどうプログレを取り込むかについて
考えるいい機会になりました。



さて、もし躊躇している方がおられたら
今回のハノイの公演は、行くべきだと断言します。
ライブ観てナンボ、のバンドですから…

正直、今の今まであんなにいいバンドとは思わなかった。
モンちゃん、ゴメンなさい



 また何か話題があればポツリポツリと更新していきます…


プログレ風呂 パート33

2009年02月27日 | 企画モノ
今朝の●日新聞に
「オーヴァー・ザ・レインボーの先行予約本日7時より」
との広告があった。
時計を見ると6時50分…。

起きぬけに「自分ってアホとちゃうんかな~」と自問しながら、
後期レインボーメドレーのために特電予約。

年をとるほどに死に筋系ロックに
忠節を尽くしてしまうのは何故…?



●ヴー風呂●

Popol Vuh “Hosianna Mantra” ('72)

サントラのようなヌケ感があって、聴きやすい。
これをスピリチュアルだって
解釈しなきゃならないんですよね、
ライナーノーツや物の本によると…。

ちょっと変化球が欲しいくらいの秀作。
そのためかお風呂の水音とも妙にマッチ。


 ☆☆(スティーヴン・ウィルソン君もヴー好きとか)