間もなく新入学、新入社など新生活シーズンに突入する。この春の新生活に合わせて新たにデジタルカメラを購入しようという人も多いのではないだろうか。この時期に合わせて、カメラメーカー各社からも魅力的な新商品が多数発表されている。そこで、この春にデジタルカメラの購入を考えている人に、選び方のポイントを解説しよう。
●"2,000万画素オーバー"も多数登場!高画素化は更に進む
コンパクトカメラ、デジタル一眼カメラともにイメージセンサーの高画素化が進んでおり、2,000万画素オーバーのコンパクトカメラや、フルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼カメラが人気に。より高精細な写真が気軽に楽しめるようになってきた。また、暗所の撮影でも低ノイズできれいな写真を撮ることができたり、写真に独自の効果や補正を加えることができたりするモデルも多数登場しているので、想定される撮影シーンによって選ぶカメラを決めたいところだ。
そして、レンズ交換式カメラを選ぶ人は、レンズ選びもポイント。カメラのレンズキットとして付属するズームレンズだけでなく、最近ではスナップ撮影に最適な安価な単焦点レンズや、子どもの発表会?運動会などで強い味方となる望遠ズームレンズなども多数販売されているので、自分が撮りたい被写体に合わせてちょっと個性的なレンズも選択肢に加えてみてはいかがだろうか。
● 高速連写で一瞬を切り取ろう
動いているものを瞬間的に切り取る連写性能も向上している。例えば秒間10コマの連写性能と言えば、少し前であればプロ向けの機材にしか搭載されていなかったが、最近では安価で購入できるミラーレス一眼カメラやコンパクトカメラでも高速連写を実現したモデルが多数登場している。
子どもが遊んでいる様子や走り回るペットなどは、速いシャッター速度+高速連写を活かした撮影をすることで普段は見られない意外な表情を切り取ることができる。カメラでしか記録できない世界は写真撮影の醍醐味だと言えるだろう。子どもや動物、乗り物など動く被写体の撮影に興味のある人は、カメラの連写性能を必ずチェックしたいところだ。
● 今まではなかった"通信機能"搭載モデルも多数登場
最新カメラのひとつのブームとなりつつあるのが、今まではほとんどのカメラに搭載されていなかった「通信機能」の搭載だ。
例えば、GPS 機能を搭載したカメラの場合、写真を撮影した際に現在位置の情報を同時に記録することが可能で、あとで写真の撮影場所を振り返る際に便利。また、無線 LAN を搭載したカメラであれば、スマートフォンからカメラをリモート操作したり、カメラで撮影した写真をクラウドストレージに自動的に保存したり、スマートフォンに転送したりすることができる。
カメラがインターネットとの連携を強化することで、"ただ撮るだけ"から一歩進んだ写真撮影の楽しみ方が実現するはずだ。
● 忘れてはいけない、動画撮影性能
写真を撮るデジタルカメラでも、動画撮影の能力はチェックしておきたいポイントのひとつ。最近は、コンパクトデジカメでもデジタルビデオカメラに匹敵する程のフル HD 動画撮影性能を実現しているモデルが多数登場しており、デジタルカメラで動画撮影を楽しむ人も増加している。
例えば子どもの様子を写真だけでなくビデオで残したいと思っている人などは、記録画質や撮影フレームレート、被写体にピントを合わせ続ける追従性などの動画撮影性能をチェックしておくとよいだろう。
● カメラの大事な"相棒"、メモリーカードの選び方
このように、カメラの性能は毎年驚くほどの進化を遂げており、そのトレンドは「高画質化」「高速連写性能」「フル HD 動画撮影」「個性的な機能」に集約することができる。特に、データが高画質になるということは写真1枚、動画1秒あたりのファイルサイズが大型化するということ。このカメラで記録される写真や動画をしっかりと保存するためには、メモリーカード(主に SD カード)の性能も気を付けたいところだ。
SD カードを選ぶ際のポイントは、主に「スピードクラス」「最高転送速度」「信頼性?耐久性」「容量」の4点だ。
「スピードクラス」は、カードが記録できる最低転送速度を示したもので、この性能が低いとカメラで撮影した動画の記録などに影響が及ぶ。最近のデジタルカメラでは「Class 6」以上を推奨していることが多いが、ここは最高クラスの「Class 10」を選んでおきたいところだ。
メモリーカードの表面には性能を示す記号が。赤丸の「95MB/s」は最高転送速度を、黄丸の「10」はスピードクラスが「Class10」であることを示す。
写真撮影の際に重要になるのは、「最高転送速度」。これはカメラが記録した写真をどれほどのスピードでカードに書き込めるかという性能を表したもので、この転送速度が遅いとカメラとカードの間でデータが渋滞状態になり、連写中に撮影がストップするということもありうる。例えば、メモリーカード世界最大手のサンディスクが検証したところによると、廉価版の SD カードと毎秒95MB という高速転送が可能な「サンディスク エクストリーム プロ UHS-I カード」では、15秒で撮影できる写真の枚数に2倍以上の差があり、廉価版は連写中に撮影がストップすることも。一瞬のシャッターチャンスを逃さないためには、メモリーカードの転送速度が重要なのだ。
そして、雨やほこり、カードの落下、繰り返し使用などに強い耐久性、多くのプロカメラマンが選んでいるという信頼性も重要なポイント。また、写真の大容量化、大容量なフル HD 動画を、残量を気にせずに記録するためには、32GB 以上の大容量 SD カードを選びたいところだ。
この春カメラを購入して写真撮影を楽しみたい人は、自分の撮影したい被写体や撮影シーンに合った特長をもったカメラとともに、そのカメラの性能をフルに活かすことができる高性能な SD カードを選んでほしい。