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安倍首相を希望したアメリカ政府の後悔

2017-06-28 12:46:12 | 日記





(フィナンシャル?タイムズ 2014年2月19日初出 翻訳gooニュース) デイビッド?ピリング


安倍晋三首相の日本と習近平国家主席の中国。この両者の関係を見定めるのは比較的簡単だ。どちらも相手があまり好きではない。両方とも、政策目標を推進する道具としてナショナリズムを利用している。両方とも相手側に「タフマン」がいるのは好都合と思っているだろう。相手が強く出てくればこちらも強く押しやすい。

日米関係の状態は、これに比べると判断しにくい。日中関係よりずっと解読しやすい関係であるはずなのだが。なにせ日本はアメリカにとってアジアで最も重要な同盟国だ。日本は第2次世界大戦が終わってからというもの、ずっとアメリカの戦闘機や兵士を受け入れてきた「不沈空母」なのだから。その日本に対して、もっと積極的な防衛体制をとるようアメリカは何十年にもわたってせっついてきた。そしてここへきてようやく、アメリカの意にかなう総理大臣として登場したのが安倍氏だ。平和主義の日本は「タダ乗り」国防ドクトリンを長年大事にしてきたのだが、これを見直そうという日本国首相がついに登場した。アメリカの思い通りの総理大臣だ。しかし長年探し求めてきたものをやっと手に入れた今、アメリカ政府は二の足を踏みつつある。

安倍氏による昨年12月の靖国参拝に、アメリカ政府は「失望」を表明した。これが、アメリカ政府の態度を推し量るサインのひとつだった。靖国神社は中国と韓国から、日本の無反省な軍国主義の象徴と見なされている。アメリカ政府は過去にも、日本政府関係者の靖国参拝について不満を表明してきたが、それは内々でのことで、この点について公然と日本を批判することはなかった。アメリカ政府が使った表現は「disappointed」で、これが 日本語ではきつく聞こえる「失望」に翻訳されたこともあり、日本政府は予想外のことに驚いた。

日米関係の軋みを示すサインはほかにもある。アメリカの政治家たちは、安部首相の歴史観に懸念を表明している。バージニア州の州議会は、州内の教科書では「日本海」だけでなく「東海」という韓国名も併記すべきだと決議した。アメリカにとっては韓国も重要な同盟国であり、安倍政権下での日韓関係悪化を米政府は懸念している。

一方で日本側から見ると、領有権を争う諸島をめぐり中国政府が防空識別圏の設定を発表して日本の実効支配を巧妙に挑戦してきた際、アメリカはあまり熱心に日本を応援してくれなかったということになる。確かにアメリカ政府は防空識別圏内に爆撃機「B52」を2機飛ばして、中国に対する不快感を示したものの、ジョー?バイデン米副大統領は北京訪問時に特にこの問題を取り上げなかった。

中国の一方クラークス 靴な動きをアメリカは事実上、ただ受け入れた——日本政府関係者の多くはそう受け止めている。オバマ大統領の周りにいわゆる「ジャパン?ハンド」がいないという嘆き節が日本政府内では定期的に聞こえるし、確かにオバマ氏の側近には親中派が多い。日本はもはやアメリカを頼りにできないという思いが政府内 には募っていると、複数の政府関係者が指摘する。

これは実に皮肉な展開で、皮肉のポイントは安倍氏も納得するところだろう。アメリカ政府は1950年からずっと日本に再軍備するよう、そして安倍氏のような積極的な防衛姿勢をとるよう、求め続けてきたのだから。ダグラス?マッカーサー元帥の命令で起草された1947年の平和憲法のインクが乾くや否や、日本に「交戦権」を永遠に放棄させたことをアメリカは悔やむようになった。米軍占領の終了交渉を担当したジョン?フォスター?ダレスは日本に対し、30万~35万人規模の軍隊を構築するよう求めたものだ。中国は共産化していたし、アメリカは朝鮮半島で戦っていた。戦えない「従属国家」 が東アジアにいても、それはアメリカのためにならなくなっていたのだ。

再軍備を求めるアメリカの圧力に、日本は長年抵抗してきた。日本はアメリカの核の傘を頼りにしながら、自分たちはせっせと経済活動にいそしんできたのだ。唯一の譲歩が、戦闘を禁じられた自衛隊の創設だった。それから60年たった今、アメリカの要求を言葉通りに受け入れる指導者がやっと日本に現れた。日本の憲法解釈を見直そう、平和主義を掲げる憲法第9条そのものを覆してもいいという。安倍氏にはその信念があるし、 日本をとりまく地政学的な情勢も首相を後押ししている。

しかし、いよいよその時が訪れた今、アメリカ政府の関係者たちはためらっている。ある元ホワイトハウス筋によると、ジョン?ケリー国務長官は日本を「予測しにくくて危険だ」と見ているという。日本のナショナリズムが、同じような反応を中国政府から引き出すのではないかという不安感もある。 オーストラリア国防省の元高官で研究者のヒュー?ホワイト氏によると、これが意味することは明白だ。「アメリカは、中国と対決の危険を冒すくらいなら、日本の利益を犠牲にした方がいいと考えている」というのだ。

靖国参拝を通じて、アメリカ政府にメッセージを送るつもりも安倍氏にはあったのかもしれない。奇妙なことに日本の右派というのは、日米同盟を実に熱心に支持する一方で、アメリカが敗戦国?日本に押し付けた戦後処理を不満に思っている。アメリカの意向に逆らってまで靖国に参拝すれば、 日本はいつでもワシントンの言いなりになるとは限りませんよというサインを相手に送ることになる。

ワシントンの誰もが安倍氏を嫌っているわけではない。ある意味で安倍氏は、アメリカにとってまさにうってつけの日本首相そのものなのだし。安倍氏は日本経済を再び拡大させようとしている。長年の懸案となっている沖縄の米海兵隊基地問題をこの人なら解決できるかもしれないと、希望が多少なりとも持てる総理大臣はかなり久しぶりだ。日本は長年、防衛費は国内総生産(GDP)比1%という枠を自ら設けてきたが、安倍氏は防衛費をさらに増やす意向だ。とはいえ安倍氏のこうした政策には値札がついている。ワシントンの大勢が不快に思う、修正主義なナショナリズムという値札だ。

「中国が成長すればするほど、中国の力に日本の不安はどんどん募るのは当然だし、アメリカは自分たちを守ってくれないのではないかとアメリカへの信頼がどんどん薄れていく」と言うホワイト氏は、アメリカについて、日本の中核的な国家利益を守るつもりだと明確に意思表示するか、あるいは日本が「1945年以降に放棄した戦略的自主性」の回復を手伝わなくてはならないと主張する。アメリカのこのジレンマについて日本としては、アメリカにいったん今まで以上に強くしがみついてから、その手を離してしまうことが答えになる。




フィナンシャル?タイムズの本サイトFT.comの英文記事はこちら(登録が必要な場合もあります)。


(翻訳?加藤祐子)



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