5番の刺繍糸

趣味の針仕事・庭仕事・料理を中心に、日々のあれこれを綴ります。

花三昧の1日...なばなの里(後編)

2008年05月14日 | 庭仕事


○ 前編から続いています

ベゴニアというと、春先から出回るポット苗のベゴニアを思い浮かべますね。
でも、ベゴニアってたくさんの種類があって、ハンギングで仕立てるものや、
まっすぐ上に伸びる木立性のもの、葉を観賞するものなどなど、
これが同じ名前の花なの?というほどの世界があります。

しかも、どれも高温多湿が苦手で寒さも苦手。
一度私も球根ベゴニアを求めたことがありますが、
「雨に当てないように」なんて注意書きがあるくらいで、
ちょっと難しいんですよね。



従って、このベゴニアガーデンは完全ガラス張りの巨大な温室で、
前室を抜けて自動ドアが開くと、このような別世界が急に広がります!
すごいんです、この迫力。立ち止まって目を丸くして、夫と顔を見合わせましたよ。



壁面には一輪ずつ大輪の花を咲かせた鉢が、数百並んでいます。
隙間なくびっしりです。
でも、この手入れの行き届いた状態と、
“びっしり”であっても、スッキリと抑制の利いた展示にはだらしなさがなく、
それはそれは、大変に素晴らしいものでした。

ひと鉢ずつ器具が差してあって、細い管で繋がっていました。
恐らく灌水の装置なのでしょう。これで完璧な管理が出来ますね。
( 天井近くの装置からは、定期的にミストも噴出されていました。)

ハンギングの株も仰ぎつつ更に歩を進めていくと、
同じような構成のフクシアガーデンに入ります。
ハンギングは手入れがしにくいので、あまり見掛けない展示方法ですが、
ここでは徹底的にその利点を追求している感じ。
下のような、ユニークな植物もたくさん見ることができます。



さて、その後にお待ちかねのバラ園です。
これも前室を経て、屋外展示の数千のバラたちに対面です。





自動ドアが開くと、一斉にバラの香りに包まれました。
歓声...!そして溜息...
強い日差しに照らされ生命力に満ち溢れたバラが、そこにありました。
夢中で見てまわり、写真を撮りました。夫と言葉を交わす余裕もありません。





バラ園が出来てまだ2年ほどということですが、素晴らしいですねぇ。
いつもバラ苗を購入する時にはどの品種にしようか、ものすごく悩むのですが、
ここでバラを見ていると、結局はどの品種でもいい!どれも美しい!と思いました。
でも、私の写真ではそれがお伝えできないのが残念。
是非、実際に見て頂きたいです!



あ、そうだ。ベゴニアソフトクリーム、350円。
ベゴニアは香りの強い花ではないので、これもほとんど匂いはしません。
またひと口食べてから、撮影しなきゃとパチリ。
他にも赤バラと黄バラのソフトクリームがあり、バラ園内のカフェ限定だそうです。
( 夫はなぜだかブルーベリーソフトを食べてました。) 

そしてバラ園から、また別の棟のベゴニアガーデンを抜けます。
ここも素晴らしい!とにかく写真をどうぞ。





映画「キャシャーン」に出てくる温室みたい。
ジブリの「ハウルの動く城」にも温室が出てきますね。
アメリカの絵本作家、ターシャも温室を持っているし...
こうして、いくつも温室の光景が思い浮かぶ私は、
実は、温室に寄せる思いや憧れがとても深いことに気がつきました。
だって、自前の温室を楽しむことこそ、一番の道楽で贅沢だと思いますもの。
本当の温室を持つお金持ちこそが、そのお金の価値を分かる人だ!
なんて勝手に興奮して、夫に話してましたから。(笑)

ここは別世界ですよ。天国のよう......



最後、出口をくぐる前に振り返って。
何とも、去りがたい光景です。



さて、元の園内に戻ってきますと、
間髪入れずにビオラとルピナスの庭に囲まれます。



ルピナスがすっくと立ち上がる景色は、とても印象的です。
真似をしたいものですが、なかなかこうはいかないものです。
ルピナスはマメ科の植物なので、連作しない方がいいのですが、
ここは徹底的に土壌改良をするのかな?
他の花壇でもルピナスは多用されてますので、恐らくノウハウがあるのでしょうね。



少し離れた広場には、アンパンマンやバイキンマンが花で描かれていました。
ここだけじゃないかな?キャラクターものは。
展望台があって、上から見ることができます。
( この左にはドキンちゃんがいます。)

この時点で2時をまわろうとしていましたが、
実は、まだ昼食をとっていなかったので、急いでレストランへ。
7~8種類の各国料理のレストランがあり、それぞれ別棟で点在しています。



窓から花を眺めながら、ゆっくりと美味しい料理を頂きました。
まあ、園内のものは何でもいいお値段するのですが、
それも、この花を維持するのなら必要だろう...という感じすらして、
仕方ないと思うようになります。
異世界へ訪れたのだから、お金のことは言うまいて。(笑)



最初は、こんな小さな苗なんですね。
ここから大きく茂らせていくので、土には相当気を遣っているはず。
年間パスポートを出して、さらに園芸教室でもやってくれれば、
私は喜んでパスポートを買っていたかも。ちょっと遠いけど。(^ー^;



鏡池。なるほど。
ちょっと文字が、外人の書いた漢字風。



歩き回って休憩に座ったベンチの真ん中に、こんな贈り物が。
河津桜の小さな実です。誰かが置いていったんでしょうね。
私もそのままにしてまた歩き出しました。





ふと、池と反対の方に目をやれば、このようなシェードガーデン。
ともすれば、日陰に諦めてしまう環境ですが、この雰囲気はどうでしょう!
勉強させてもらいました。



園内にはベーカリーもありますので、
数種のパンとボンヌママンのジャムをお土産に。



こちらが、粉粧楼のお嬢さん。
雨に当てないように、鉢植えにして育てるつもりです。



本当に、思いがけずと言っては失礼ですが、
大人が楽しむ本当の“花と緑の庭園”を体験できた1日でした。

邪魔なものは極力排除され、
音だって、植え込みの中に仕込まれた小さなスピーカーから、
控え目にクラシックが流れるだけです。
( 花を見るために、近くで足を止めないと分かりません。)
こんなところが日本にあるなんて、とても頼もしく思いましたね。

5月下旬からは、あじさいと花しょうぶの見頃になります。
是非、近いうちにまた訪れようと思っています。



長い記事を読んでくださって、ありがとうございました!



 


花三昧の1日...なばなの里(前編)

2008年05月14日 | 庭仕事


昨日、三重県は桑名市にあるなばなの里に行ってきました。
6日にも書きましたが、モッコウバラをきっかけにまた刺激されたか、
夫が休みと知るや否や「バラが見たい!」と、私が訴えたのでした。

関西ではテレビCMも流れているんですが、
併設されている遊園地よりも温泉よりも、また最近できたアウトレットモールよりも、
このなばなの里(花のテーマパーク)が一番気になっていたのです。
ゴールデンウィークも終わって人出も収まり、
花にも行楽にもうってつけの時期だったのが幸いしました。

まぁ実を言うと、アウトレットにも興味あったのに、
すっかりバラのおかげで、存在自体を忘れていたんですけどね。(^ー^;
ホテルも併設されているので、泊りがけで楽しむところかもしれません。



さて、張り切って朝早く出発したものの、
ナビに任せていると、とんでもない山道に連れて行かれ、
トンネル工事の飯場の脇を通り、すれ違いも儘ならない細い道を登らされ、
挙句の果てには、“2m幅制限”というコンクリートの門に阻まれて、
とうとう、1時間以上走った道を引き返す羽目になったのでした。
2時間近くかけて結局家のすぐ近くまで帰ってきて、ハイ最初からやり直しー。o(-_-;*)
「 こんなのが、先ではいい思い出になるのよ 」と大笑いしていました。

そんなこんなで、通常の3倍近くかかってなばなの里に到着し、
まず最初に気になったのは、駐車場横の“花市場”。
苗や切花、野菜がドーっと並んでいます。




この、向こうの方まで全部苗ですよ。見るだけでもひと苦労。(^ー^;
「 こういうのは、帰り掛けに見るもんだろう? 」という背後からの声にも負けず、
「 こういうのは、午後になるといいのがなくなっちゃうの 」とバラ苗だけザッと見て、
すぐに、ひとつしかない粉粧楼(フンショウロウ)のバラ苗を発見!
バラに興味を持つきっかけとなった粉粧楼、迷わず即購入しました。



花束が3束で1,000円くらいだったかな?いろんな種類がありました。
ただ、後ろ髪を引かれながらも、やっぱり買い物は後にするべきなので、
早々に引き上げて、なばなの里のゲートに向かいました。



大きな看板がなく、最初は“分かりにくい...?”とも思いましたが、
( これが入場ゲートですが、道路側からは植栽でほとんど見えないのです。)
いえいえ、この控え目な佇まいがよろしい!のです。
中に入ると、何を目的としてデザインされているのか、よりはっきりします。



入ってすぐの、プロローグとしての青い花のカーペット。
カーブを曲がってこの光景が目に入ると、ハッとします。



歩道の舗装もカーブを描く花壇のエッジも、すべて洗い出しコンクリートで、
派手な幾何学模様のインターロッキングやタイルがなく、落ち着きます。
余計な看板も、キャラクターも、過剰にデザインされた照明やゴミ箱もなく、
どこかの街の中に迷い込んだかのよう。



中央には大きな池があり、その水辺には様々な花が。
ルピナスを効果的に配していますね。



いたずらにボートを出している様子もなく、
ゆったり麗らかな風景で、私にはとても好ましかったです。
正面の建物は真ん中がチャペル、左右はレストランとカフになってますね。
施設はあくまでも目立たず統一されたデザインで、これも大変心地良い。



池には大きな鯉がたくさんいて、餌をやることも出来ます。
彼らはプチュプチュ音を立てて奪い合い、そりゃもう大騒ぎ。(笑)
ここは時間によって陰になる花壇で、光でパキッと明るい花畑もいいのですが、
シェードガーデンの落ち着いた輝きも教えてくれます。



さて、のんびり歩いていくと、ベゴニアガーデンに迎えられました。
「 ベゴニアガーデン...?」
はっきり言って、ここ、ノーマークでした。しかも、入場料1,000円だし。(^ー^;
( 最初の入場ゲートで500円の入場料と1,000円のクーポンを買い、
クーポンでベゴニアガーデンに入るもよし食事に使うもよし、という仕組み。)
しかも“なばなの里といえばベゴニアガーデン”なんて説明もある上、
ベゴニアガーデン内にバラ園があるようなので、もちろんこれは行くしかない。
行くしかないけど、500円の入場料に対して1,000円の別料金ってどうなの?
...と思わなくもなかったけど、でも、なんだかこれは期待できるぞ!


○ 後編へ続きます ○