我等の栃木SCの前線で身体を張り続け、今シーズンは14ゴールをマークし(JFL後期第6節終了時点)、チーム快進撃の立役者となっていた若林が大宮アルディージャに完全移籍することが決まった。背番号は33。
J2を飛び越えて日本最高峰リーグへ。既に移籍することは知ってはいたが、正式に発表されると、やはり心寂しい。優勝を狙える位置にチームがあるだけに、一層その思いは強い。しかし、選手寿命の短いサッカー選手が、より高いレベルの環境を求めるのは仕方がないこと。鈴木慎吾、徳重隆明、古橋達弥に劣らぬ活躍を期待したい。
J1で何も満足することはない。その先には海外への扉も開いている。日立栃木から栃木SCへ。そして、大宮に。飛躍するのは得意なはず。先ずはレギュラー奪取が最初の関門として待ち受けているが、臆することなくガンガンアピールしてゴールを量産して欲しい。GOOD LUCK 若林。今までありがとう。
http://www.ardija.co.jp/cgi-bin/info/info.cgi?month=200509&num=1935
☆祝!!移籍特別寄稿☆
『頭が開眼。覚醒した若林』
稀有な選手だった。
若林学は。
過去形で語るには理由がある。
昨シーズン挙げたゴール数3の内訳はヘディング1、足2である。188cmと恵まれた体躯を持ち合わせているものの、ヘディングでのゴールは少なかった。
更に、身体を張ったポストプレー、ヘディングでの競り合いにおいても、それほど強みを発揮するタイプでもない。かといって足元の技術があるのかと言われると答えに窮する。身長から反射的にポストプレーヤーをイメージしてしまうが、若林に既成概念を当てはめてはならないのだ。外見だけで人を判断してはいけない。
去年まで栃木SCには、同じく身長に長ける元Jリーガー(サンフレッチェ広島)松永一慶という選手が在籍していた(現アローズ北陸)。190cmの身長をフルに活用した松永は純粋たるポストプレーヤーだった。
だが、高身長ゆえに松永と若林同タイプと見てしまうが、見誤ってはならない。若林はポストプレーヤー、ターゲットマンというよりも、点で合わせるタイプのストライカーなのである。
それは、ハットトリックを完成させた3点目のゴールが如実に物語る。左サイドを疾走した吉見のグラウンダーのクロスに対して、若林はファーサイドに走り込み、スライディングで合わせた。まさしく、点で合わせたゴールだった。
綺麗なゴールもたまにはあるが、泥臭くゴールネットを揺らすのが若林の真骨頂である。それが、ゴール数が少なかった昨シーズンでも、サポーターから最もコールを受けていた所以であり、愛されている証拠なのかもしれない。憎めない顔立ちも多分に手伝っているのだろうが。
しかし、今シーズンの若林は点で合わせるだけの選手ではなくなった。頭が開眼したのだ。つまり、生まれ持った身体的アドバンテージを活かせるようになった。これまで叩き出した12ゴールの半分、なんと6ゴールがヘディングから生み出されている。最早、お分かりだと思うが、足と頭で偏りがないのだ。これがゴール量産の要因である。
只木のクロスに合わせた先制点、堀田のFKをドンピシャリのタイミングで叩いた2点目。いずれも頭からだった。
クロスをヘディングでも、足でも決められるようになった。また、惜しくもクロスバーに嫌われはしたが、強烈なミドルシュートも打てるようになった。Pエリア内外からゴールを陥れることが可能となってきた。
いままで、ひ弱に映っていた背番号36の背中が、今は逞しく見える。松永が移籍したことで重圧を背負い、水戸ホーリーホックから吉田が加入したことで危機感を抱いたことだろう。それでも、外圧と内圧を跳ね除けて若林は覚醒した。
栃木が、地元が生み、育んだストライカーは武器をひとつ、ひとつ増やし始めている。そして、更なる飛躍を遂げようとしている。時には温かく、時には厳しく、俺達の若林の成長を見つめていこう。
*JFL前期第14節 栃木SC対SC鳥取戦から。 ファイナルスコア:5-0*
J2を飛び越えて日本最高峰リーグへ。既に移籍することは知ってはいたが、正式に発表されると、やはり心寂しい。優勝を狙える位置にチームがあるだけに、一層その思いは強い。しかし、選手寿命の短いサッカー選手が、より高いレベルの環境を求めるのは仕方がないこと。鈴木慎吾、徳重隆明、古橋達弥に劣らぬ活躍を期待したい。
J1で何も満足することはない。その先には海外への扉も開いている。日立栃木から栃木SCへ。そして、大宮に。飛躍するのは得意なはず。先ずはレギュラー奪取が最初の関門として待ち受けているが、臆することなくガンガンアピールしてゴールを量産して欲しい。GOOD LUCK 若林。今までありがとう。
http://www.ardija.co.jp/cgi-bin/info/info.cgi?month=200509&num=1935
☆祝!!移籍特別寄稿☆
『頭が開眼。覚醒した若林』
稀有な選手だった。
若林学は。
過去形で語るには理由がある。
昨シーズン挙げたゴール数3の内訳はヘディング1、足2である。188cmと恵まれた体躯を持ち合わせているものの、ヘディングでのゴールは少なかった。
更に、身体を張ったポストプレー、ヘディングでの競り合いにおいても、それほど強みを発揮するタイプでもない。かといって足元の技術があるのかと言われると答えに窮する。身長から反射的にポストプレーヤーをイメージしてしまうが、若林に既成概念を当てはめてはならないのだ。外見だけで人を判断してはいけない。
去年まで栃木SCには、同じく身長に長ける元Jリーガー(サンフレッチェ広島)松永一慶という選手が在籍していた(現アローズ北陸)。190cmの身長をフルに活用した松永は純粋たるポストプレーヤーだった。
だが、高身長ゆえに松永と若林同タイプと見てしまうが、見誤ってはならない。若林はポストプレーヤー、ターゲットマンというよりも、点で合わせるタイプのストライカーなのである。
それは、ハットトリックを完成させた3点目のゴールが如実に物語る。左サイドを疾走した吉見のグラウンダーのクロスに対して、若林はファーサイドに走り込み、スライディングで合わせた。まさしく、点で合わせたゴールだった。
綺麗なゴールもたまにはあるが、泥臭くゴールネットを揺らすのが若林の真骨頂である。それが、ゴール数が少なかった昨シーズンでも、サポーターから最もコールを受けていた所以であり、愛されている証拠なのかもしれない。憎めない顔立ちも多分に手伝っているのだろうが。
しかし、今シーズンの若林は点で合わせるだけの選手ではなくなった。頭が開眼したのだ。つまり、生まれ持った身体的アドバンテージを活かせるようになった。これまで叩き出した12ゴールの半分、なんと6ゴールがヘディングから生み出されている。最早、お分かりだと思うが、足と頭で偏りがないのだ。これがゴール量産の要因である。
只木のクロスに合わせた先制点、堀田のFKをドンピシャリのタイミングで叩いた2点目。いずれも頭からだった。
クロスをヘディングでも、足でも決められるようになった。また、惜しくもクロスバーに嫌われはしたが、強烈なミドルシュートも打てるようになった。Pエリア内外からゴールを陥れることが可能となってきた。
いままで、ひ弱に映っていた背番号36の背中が、今は逞しく見える。松永が移籍したことで重圧を背負い、水戸ホーリーホックから吉田が加入したことで危機感を抱いたことだろう。それでも、外圧と内圧を跳ね除けて若林は覚醒した。
栃木が、地元が生み、育んだストライカーは武器をひとつ、ひとつ増やし始めている。そして、更なる飛躍を遂げようとしている。時には温かく、時には厳しく、俺達の若林の成長を見つめていこう。
*JFL前期第14節 栃木SC対SC鳥取戦から。 ファイナルスコア:5-0*