Trick or Treat

職場近くの洋菓子店が
ハロウィーンの飾りつけでいっぱいなのだが
このイベントだけは全力で日本から排除したいと思っている。

何するのかって仮装でしょ。
この着地点のわからなさ。
仮装してなにがどうなったら終了すんのよ。

それにまさか一人で仮装するわけにもいかないから
基本は仲間でわいわい集まってやることが前提の
リア充のネアカのためのイベントだろう。
そこがいけ好かない。

その洋菓子店には
「Trick or Treat!と言ったらお菓子一個プレゼント」と
張り紙がしてあった。

言えるかこのやろう。
どのタイミングでどういう顔して言えばいいんだ。

だいたい一人で店に入ってきた男が
「ト、トリックオアトリート」って言っても
絶対動じない覚悟がおまえたち店員にあるのかと問いたい。
引くだろう。うまく転んでも笑うだろう。
生半可な覚悟でやるんじゃないよ。

ここが瀬戸際だと思って踏んばらないと
今後またイースターだ感謝祭だ
何すりゃいいかわからんイベント
どんどん入ってきちゃうよ。

猿の惑星 新世紀

猿の中ではオランウータンが好き。
「生き物地球紀行」的な動物番組で昔
森の人オランウータンを特集したことがあった。
そこでオランウータンが川べりの木に登っていたのだが
ちょっと木の太さが足りなくて徐々にしなっていき
キリキリキリキリ・・・・
ドッパーン！！
と見事に川に落下した。
オランウータンがまるで人間のおっさんのように
ゲホゲホむせながら川からあがってくるのを見て
くっそ笑った記憶がある。
それ以来どうもオランウータンは憎めない。

猿の惑星ライジングでもオランウータンのモーリスは温厚で理知的な
いい役回りを演じている。
他の猿たちは前作で実験の結果賢くなったのだが
モーリスはその前から手話使って
シーザーと会話できていた。
もともと賢いのである。
そういうところがモーリスはすごい。
とにかくモーリスをもっと見たい。
次回は猿の惑星モーリスでいい。

ところでチンパンジーのシーザーは
ゴリラやオランウータンらを束ねて
猿たちのリーダーになっている。
こういうのって猿の場合なくはないのかもしれない。
これまた生き物地球紀行的な動物番組で
ハヌマンラングールという神の使いとされる猿が
全く違う種類の猿に毛づくろいされているのを
見たような記憶がある。

メリットとしてもれなく

事務職員の採用面接があった。
どうせボスは人の意見聞く気なんてないんだから
勝手に決めてくれればいいのだが
なぜかいつも面接に立ち会わされる。

今回は履歴書みた時点で明らかな美人が一人いて
始める前からボスは
「でんじろう先生は○○さんですか。」
と俺がその美人を推しているという流れに持っていこうと
必死だった。
要はボスが一番推しているのだが
実質的に事務所を牛耳っている奥さんの手前
おおっぴらにそう言えないので
俺のせいにしようと必死なのである。

「ひとっことも言ってないですけど。
　いいと思ってるのはボスでしょ。」

「あ、はい。」

面接終わった直後も
奥さんがいないスキに
「○○さんかわいいなー。」
などと５０になろうとするおっさんが
気持ち悪いセリフを吐くわ吐くわ。
気持ち悪さが原因で○ねばいいのに。

ただ奥さんは奥さんで
女の嫉妬なのだろうが
能力的には申し分ないのに
その方を最終候補に入れたがらない。

そこでボスとネチネチした
せめぎあいを繰り広げて
結論は連休明けに持ち越しとなった。

家でやってくんないかな。
暇じゃないんだわ。
どうでもいいのでさっさと帰ってきたのだが
噂では俺がいないのをいいことに
俺の票はその美人に入ったことにされていたらしい。

ひとっことも言ってない。
「その３人であれば誰でもいいので
　もうお任せします。」とだけ言った。
必死だなこの助平が。

ウザすぎてうんざりしたのは
真面目な面接の場面でボスが

「うちの事務所は年に１回事務所旅行があります。
　そのほかにメリットとして
　イケメン弁護士軍団がもれなくついてきます。」

ばっかじゃねぇの。
バカが原因で○ねばいいのに。

しかも初回で明らかにスベッたくせに
どこでどう自信を持ったのか
めげずに同じネタを今日の面接者
全員に使ってんの。
お前が一番不採用だわ。

シロちゃん盛りがつく

例のシロちゃんが盛りがついたか
うちのベランダで他の猫と
「ナーーーーーーーーオ！」と
けたたましい鳴き声をあげている。
何事かと思って嫁の方を見ると
嫁は全く気にする様子もなく
大河ドラマを見ていた。

ちょっとちょっと！聞こえないの？

すると嫁が

「官兵衛かと思った。」

そう思ったとしても驚けよ。
茶室で千利休と黒田官兵衛が密談しているときの
ＢＧＭが猫の盛り声って。
なんで落ち着いて見てんの。

ブラック事務所

一人事務員さんが辞めるので
新たに求人をしてこれから面接という段階なのだが
まったくやる気が出ない。
うちの事務所はブラックなので
採用される人が気の毒なのだ。

採用するなら事前に面接時に
うちは週○○時間残業はあたりまえだし
法律事務所のくせに残業代は×××し
大前提として元々の基本給が△△△だから
よっぽどのドＭしかやっていけないよ。
それとボスの奥さんは○○だよ。
と、開示すべきだろう。
開示したって労基法に□□しているのは変わらないのだが
少なくとも騙された感は少なくて済むのではないか。

ボスの労基法に対する意識の低さには本当に
びっくりする。弁護士じゃないのかよと。
事務所会議で若手が

「さすがに法律事務所が残業代×××のは
　まずいと思います。」と進言したら

ボス「まぁ、いいかなって思ってるんだよね。」

意見聞く気ないんだったら
会議開きたがるな。無駄だから。
さみしいから事務所会議と銘打って
強制的に人と話したいだけなんだもんこの人。

どうしようもなくお金大好きでケチなんだったら
残業代×××てもいいように、残業させなければいいのだが
ボスはそれも嫌なのである。
夕方６時半に事務員さんが帰ろうものなら
「え？今日は何かあるんですか。」と言わんばかりの
キョトン顔をする。

おまえはびっくりすんな。

そしてキョトン顔するだけじゃなくて実際よく言ってしまう。
「何かあるんですか。」とか
「今日は定時ですか。」とか。

このあたりがほとほとセンスないと思うのだが
その度に事務員さんにムッとされて

「定時でもないですけど。」と怒られている。
６時半だからね。定時でもないんだわ。
事務員さんの言うとおりなの。
６時半でも十分残業してるんだから
「今日は何かあるんですか。」じゃなくて
「今日もお疲れ様です。」でしょうよ。

休み取るのも基本的に罪悪だと思ってるから

「明日はお休みいただきます。」と事務員さんが言うと

「いーなー。いーなー。」と過剰にいじる。

そこは「はい。ごゆっくり。」でいいじゃない。

そんでやっぱり事務員さんにキレられて

「そういうこと言われると休み取りにくくなるじゃないですか。」

「いや、そういうつもりは。」

「上司と部下なのでそういうこと言われると取りにくくなるんですよ。」

「あ、はい。すみません。」

訴訟起こされたらこてんぱんに負けるだろうな。

ネコを手なずける

家の敷地に神秘的な目をしたネコがよく来る。
左右で目の色が違うオッドアイの白猫で
かねてから仲良くなりたいと思っていたのだが
警戒心が強いのと
首輪をしていて
どこかの家のネコじゃないかと思われるので
ムツゴロウばりにヨーシヨシするわけにもいかず。

徐々に距離を縮めていって
やっとすり寄ってくるくらいに手なずけることができた。
ここまで長い道のりだった。



最近では玄関でニャーニャー言いながら待つようになったので
かわいいじゃないかと喜んでいたところだった。

その日もいつものようにネコと遊んでいたら
リゲイン婆さんの家の中から
「シロちゃん！シロちゃん！」と呼ぶ声がして
ネコがリゲイン婆さんの敷地に消えていった。

ああ、なるほどね。
いまのでいろいろわかったよ。
①まずリゲイン婆さん家のネコだったのね。
②シロちゃんっていうのね。
③そんでリゲイン婆さん家の中から見てたのね。
　常に活動してるから、容易だよね。
④そして他人と遊ぶのをどうやらよく思ってないね。

まぁ、だったら、おおっぴらにはやめるけど。

その日から、リゲイン婆さんの家から死角になっている
うちのベランダまでやってくるように
ネコにうまく教え込んで
こっそり遊ぶようにしている。