狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

2014年イスラエル50日攻撃後のガザの実態(1):封鎖、停電、下水処理・浄水・医療・衛生不足、失業

2015-02-08 15:58:34 | パレスチナ 2012~2017
 昨年(2014年)7月8日~8月26日の50日間のイスラエルによるガザ攻撃による民間人虐殺と住宅・ライフライン破壊後のガザの実態
 2014年9月15日付・イランラジオ(IRIBイランイスラム共和国国営放送・国際放送ラジオ)「ガザ地区の実態(4)」より、「ガザ地区の人々は、すばらしいといえる日常生活を送った経験がありません。彼らは生活に最低限必要なものを確保する中で、大変な困難に直面しています。…(中略)…近年、パレスチナにおける発電の問題は、ガザの人々にとって生活上の深刻な問題のひとつとなっています。ガザ地区には火力発電所がひとつあるのみで、これも最近のシオニスト政権イスラエルの空爆により燃料の備蓄を失いました。もっとも、この発電所は稼動していた当時もガザ地区の電気を十分に供給できていませんでした。シオニスト政権はガザ封鎖により、この地区の発電に関する2つの道を塞ぎました。第1に、ガザ地区の発電所に関係する施設の修理に必要な部品のガザ地区への搬入を阻止し、第2に発電所のディーゼル燃料の搬入を妨害しました。このため、この発電所の最大発電量は60メガワットから70メガワットとなっています。世界銀行の統計によりますと、ガザ地区の人々の電力需要は280メガワットで、そのうち120メガワットはシオニスト政権から購入しています。また、エジプトからの供給分は17メガワットのみです。…(中略)…この電力不足の結果、ガザ地区の停電は長時間にわたり、最近のシオニスト政権の攻撃以前では、一日あたり18時間にも及んでいました。この発電所に対する空爆で、ガザ地区の多くのパレスチナ人は完全な停電状態の中にあります。停電により、ガザ地区の弱小産業は深刻な被害を受けました。しかし、ガザ地区の企業や産業団体の休業による失業は、停電や電力不足だけが理由となっているのではありません。」
 また続けて、「ガザ地区の一部の重要な市民サービスは、完全に電気に依存しています、その最も顕著なものは下水処理システムです。ガザ地区の下水処理施設は老朽化しており、シオニスト政権の制裁により、拡張されていません。この施設が建設されたのは、ガザの人口が38万人だった時代ですが、現在は150万人以上の人々がガザ地区で生活しているのです。シオニスト政権は最近の空爆により、この不十分な施設にも深刻な被害を与えました。国連が2013年に建設した下水処理システムも、シオニスト政権の電力供給制限により、使用されることなく残されています。現在の下水処理施設は電力によって動き、停電の際には稼動が停止し、住宅地からの排水を処理することができず、多くの衛生上の問題が発生しています。昨年11月、停電により、大量の下水がガザ地区の道路に流れ込み、一部の住宅地にまで及びました。…(中略)…また、およそ100立方キロメートルの汚水が直接地中海に流されていることから、ガザ地区の沿岸は極度に汚染されているのです。…(中略)…」。
 「下水はまず、パレスチナの人々の限られた水資源を汚染しています。支援団体オックスファムは、ガザ地区の水の90%が下水によって汚染されており、飲用に適していないと報告しています。ガザ地区の人々に対して汚染水の利用までをも制限するのは、シオニスト政権の常套手段です。最近のガザ攻撃の中で、シオニスト政権の戦闘機は、井戸や水関連の施設を空爆における第一の標的としました。この攻撃により、ガザ市では5つの重要な水道管が重大な被害を受け、これにより、10万人の人々が水を使用できなくなったのです。
水資源の不足により、ガザ地区の水の使用量は、世界銀行が基準とした最低ラインよりも下回っています。水の汚染により、この限られた水も彼らの健康を脅かす要因となっています。ガザの住民は1人につき1年当たり、最低でも180立方メートルの飲料水を必要としていますが、ガザ地区に現存する施設では、80立方メートルの下水しか浄化できません。WHO・世界保健機関の調査では、ガザ地区の水に含まれている汚染物質の量は、この機関が定めた最大許容量の4倍となっています。この地域の水は塩分を多量に含んでおり、硝酸塩の量も定められた最大許容量の6倍となっています。パレスチナ自治政府の関係者は、『ガザ地区の病気のおよそ26%は、水質汚染が直接的、あるいは間接的な原因となっている』と表明しています。」
 「…(中略)…ガザ地区の貧困や失業により、衛生的、医療的なサービスに対するパレスチナの人々の支払い能力が低下しています。…(中略)…パレスチナの最も重要な医療・衛生機関のひとつは、UNRWA・国連パレスチナ難民救済事業機関で…(中略)…NGOの医療サービスにかかる費用はUNRWAの4倍、ガザ地区のパレスチナ自治政府付属の医療機関の2倍となっています。医療・衛生部門に対する国際支援の5分の1は、ガザで医療サービスを行う民間組織に割り当てられています。なお、ガザ地区で民間の病院や医療機関に支払われる医療費は、全体の37%となっています。これらの組織は、ガザ地区の32の病院や、それより多い医療施設で、ガザ地区の150万人の住民に対して医療サービスを提供していますが、最近のガザ攻撃で、15の病院とそれ以上の医療施設が深刻な被害を受けました。これらも、シオニスト政権の建築資材に対する制裁により、復興することができない医療関連の建設物の数の中に含まれ、その一部は利用できません。あるいは、医療設備の搬入をシオニスト政権が禁止していることで、これらの建物は使用されないまま残されることになります。適切な衛生サービスと医療サービスの制限はガザ地区の住民の問題のひとつとなっているのです。」。
 また2014年10月18日付・dot.(週刊朝日・2014年10月24日号)「停戦は『命が脅かされなくなる』だけ “巨大な監獄”ガザに残された人々」より、「イスラエルによる封鎖でガザでは産業は壊滅、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)によると、失業率は実質80%を超える。“巨大な監獄”ガザを出ていく自由も、人々にはない。」。
 他にも、不足する浄水施設・機能による塩分が多く含まれる飲料水摂取により、若年者に結石患者が多い事(下記YouTube:イスラエル・パレスチナ問題へ公正な取り組みを 豪州議員David Shoebridgeより)や、設備の破壊による失業のみではなく、仕事が無い事から設備が遊んでしまっている事(下記YouTube: Documentary - Within Gaza (P.1)より)等も有ります。

 本ブログ過去の関連記事↓↓
  ・2014/08/17付:「イスラエル侵攻によるガザのインフラ危機・・・イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙(12)」
  ・2014/07/15付:「偽ユダヤ人が本当のユダヤ人・パレスチナ人を虐殺している・・・イスラエル軍によるガザ空爆、同じ血統のイエメンの人々はパレスチナ人と連帯・・・イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙(1)」
  ・「イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙 2014」(まとめ・ブックマーク)

 引用記事↓↓
  ・2014/09/15付・イランラジオ(IRIBイランイスラム共和国国営放送・国際放送ラジオ):「ガザ地区の実態(4)」
  ・2014/10/18付・dot.(週刊朝日・2014年10月24日号):「停戦は『命が脅かされなくなる』だけ “巨大な監獄”ガザに残された人々」

 参考記事↓↓
  ・時事ドットコム(時事通信):「戦闘50日間の爪痕~パレスチナ自治区ガザ~」

 参考動画↓↓
 

YouTube: Israel decides to reduce electricity supplies to Palestinians
 

YouTube: Gaza residents frustrated with frequent power outages
 

YouTube: Gaza's groundwater unfit for drinking
 

YouTube: IMF: Palestinian economy shrinking due to Israeli war on Gaza
 

YouTube: UN agency urges global funding for Gaza reconstruction
 

YouTube: Documentary - Within Gaza (P.1)
 

YouTube:イスラエル・パレスチナ問題へ公正な取り組みを 豪州議員David Shoebridge


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