Z32ターボチャージャー交換 その5


いよいよタービン交換のZ32は佳境に入ります。
エンジン搭載後の試走で若干のエラーが見つかったものの全体的な調子はまずまずです。 ひとまず空熱比をある程度セットした状態だけど、各回転数で変動する空燃比/点火タイミングを全体的に確認するためにシャーシダイナモ上にて、もう少し細かなチェックを行いました。


エンジン制御は最先端のフルコンピューターユニットのアダプトロニック モジュラープラグインですのでとても楽にセッティングを行うことが出来ます。
エキゾーストパイプから出力した空燃比計は、そのままアダプトロニックへ入力することが出来るので実空燃比/目標空燃比の相違をパソコン上で確認修正することが容易です。 また、これと同じようにアダプトロニックは純正のECUセンサーをそのまま使用しますから、純正センサーで出力される全ての電子信号情報はアダプトロニックへ入力となり、当然ながら純正のノックセンサーも同じように検知しています。 
嬉しいことにアダプトロニックにはノッキング検知用のステレオピンジャックがついているので、ECU本体へイヤホンを差すだけで実際にエンジンが発するノックの音をダイレクトに聞くことが出来ます。 これもセッティングを正しく行うことが出来る便利な機能の一つです。


リザルトは420馬力
毎度のことですがシャーシダイナモのゲイン値を随分と絞っているマシンでの計測ですので、通常のシャーシダイナモであれば1.15倍程度の値となります。 その場合の値は480馬力程度のポテンシャルということになり、これは3.7Lエンジンにスーパーチャージャーを搭載した出力とほぼ同等の結果です。
また、今回のZ32はブーストコントローラーは装着せずにブーストアップを行っています。
勿論任意の設定値に調整できないというデメリットはあるけれど、常用で120kpも140kpもブーストを入れる必要もないから、アクチュエーターで100kpに設定をしてエンジンを搭載しています。
インジェクター容量は十分足りていますし、これまでの経験上 もう少しブーストを上げる事もできるだろうとも思いますが、競技志向でもありませんので長く楽しくZ32に乗るならば余計なストレスは排除して余裕のある設定で良い選択であったと思います。
九州地方は夏が舞い戻ったかのような暑さが連日続いていることを考えれば、あと1ヶ月も経過したときに気温が下がれば自然とパワーは上がるし、今後のステップアップとしてブーストコントロールを行うのも良いかもしれない。 タービンキャパシティは530馬力としていますので、そのポテンシャルも手応えも確実にあります。


DAYTONA Facebookページでは、BLOG一期一へぇで紹介しきれない画像や情報を沢山公開しています。
Blogと並行して閲覧することで楽しさ倍増間違いなしです。

Z32ターボチャージャー交換 その4


搭載したエンジンにハーネスを繋ぎ、補機類を合体させて始動テストを行う段階にまで来ました。現段階ではオイル、水の漏れや各部作動状況をチェックし、実走するのはお盆以降から実施です。
それまでは元々ついていたマフラーの溶接修理や、お預かりしている間に車検満了が過ぎてしまいましたので、まずは公道を走れるように手続きを行います。


いよいよ2ヶ月ぶりにエンジンへ再び火が入ります。


今回nismo 555ccインジェクターで稼働させていますが、エンジン制御はアダプトロニックを使用していることもあり初期設定は比較的簡単。
ベース燃料テーブルを555ccにあわせるだけでとても調子よくエンジンは目を覚ましました。 レーシングは抜群の反応を見せています。 やはりVGエンジンにはDジェトロ制御がよく似合います。
あとは実走行での空燃比の設定を行いたいと思います。


DAYTONA Facebookページでは、BLOG一期一へぇで紹介しきれない画像や情報を沢山公開しています。
Blogと並行して閲覧することで楽しさ倍増間違いなしです。

渋滞してるけど確実に進んでいます。


現在のDAYTONAではZ32が偉いことになってます。
画像左から冠水、新規制作、エアコン修理、オイル水漏れ修理。
しかも全車 整備効率の悪いツインターボ、更にこの中で2台はエンジンの着脱を必要とする整備となっていて、またまた更にもう1台のZ32がお盆前に入庫してくる予定という事で、リフトに上がっている時間が長いZ32ではあるけれど急遽リフトをもう1台完全確保しないことには作業が進まないという事態になっています。
基本的に頂いた案件(引き受けできる案件という意味ね)は可能な限り手がけたいし、それら車両を預けてくださる方は時間的な猶予も含めて余裕があるオーナーさんが多いもんだから、気がついたらお盆休みは間近というにも関わらずコレクションのように全国よりZ32が集まっています。
先日から手がけているZ1ツインターボは予想どおり?インジェクターもメインECUも交換を行うため何かとスムーズには進まず長い時間ピットを占領していましたが、それも先週末に解消したので今週からは新しい作業に取り掛かります。


DAYTONA Facebookページでは、BLOG一期一へぇで紹介しきれない画像や情報を沢山公開しています。
Blogと並行して閲覧することで楽しさ倍増間違いなしです。

Z32ターボチャージャー交換 その3


ターボチャージャーをエンジンへ搭載します。
ターボサイズによるクリアランスやU.S仕様 JDM仕様との相違を気にしながら組み込みます。 勿論、細かな調整や加工は必要になりますがさほど問題はありません。


左バンクもこの通り。 調整式アクチュエーターやメカニカルなターボハウジングがカッコいいです。ターボアウトレットパイプはステンレス製の専用品を使用するため、一度エンジンを搭載してから逆アクセスを試みます。


通常ならば、ある程度エンジン/補機類を組み上げた段階でエンジンを車体へ搭載しますが、先にも書いたように各部クリアランスの確認や、ターボアウトレットパイプ〜ステアリングシャフトのクリアランス確認も行いたいので、仮搭載のパートです。



アウトレットパイプ〜フロントパイプの形状(角度、長さ)がU.S仕様とJDM仕様では異なりますし、そもそもステアリングシャフトの位置が異なりますので現物を見ながら修正を加えてゆきます。


ある程度めどが付いたので、最後にクラッチやダンパープーリー等を交換して(何度かエンジン着脱を想定していたのでパーツに傷をつけたくなかった)エンジンを本搭載してゆきます。
2,3回はエンジン着脱を想定していましたが、意外とすんなりクリアーです。


DAYTONA Facebookページでは、BLOG一期一へぇで紹介しきれない画像や情報を沢山公開しています。
Blogと並行して閲覧することで楽しさ倍増間違いなしです。

Z32ターボチャージャー交換 その2


今回選択したのはZ1モータースポーツ製GT535R BB
最大風量は535馬力のポテンシャルを持つ本キットは、GT2554RをベースにギャレットGTボールゲアリング カートリッジを使用し開発されたターボキットです。
ミニマムでも1機 170馬力程度の流量ですので、片バンク1500ccしかないVG30エンジンにおいても比較的低回転域でのターボラグが起こりにくいサイズとなっています。


コンプレッサー 60トリム
外形 54.3mm
A/R 0.80
油・水冷式ターボチャージャー

nissan 300ZX Stock Turbo vs Z1 motorsports GT535R BB Turbo

純正ターボ/GT535R タービンシャフト回転比較



DAYTONA Facebookページでは、BLOG一期一へぇで紹介しきれない画像や情報を沢山公開しています。
Blogと並行して閲覧することで楽しさ倍増間違いなしです。





Z32ターボチャージャー交換 その1


最終型のZ32が一区切りつきましたので、今月からはZ32中期モデルを着工します。
少し前に地元の整備工場にてエンジンをオーバーホールしたそうですが走行時の白煙が気になり、また確認するためにはエンジンの着脱を模様するレベルである事からDAYTONAへ入庫し点検を行うことになりました。


白煙の原因は一目瞭然。 運転席側のターボからオイルが漏れています。 吸気にオイルが混合されることにより白煙が出ている状態となっていますから、当然ながらターボは交換となります。
オーナーさんの意向で、より出力の大きなターボチャージャーへの交換を希望されていましたので、Z1 モータースポーツ GT535R BB ターボへとアップデートを行うことにしました。 ターボの詳細については次のBlogで解説を行います。


エンジンを下ろす前にエンジンコンプレッション(圧縮圧力)を測定しましたが問題はありません。
今回は依頼内装からいってもエンジンを再びバラして点検を行うことまではしませんが、それでも計器や目視を使い状況の把握は最低でも行う必要があり、現状エンジン本体については問題はないと判断しています。


DAYTONA Facebookページでは、BLOG一期一へぇで紹介しきれない画像や情報を沢山公開しています。
Blogと並行して閲覧することで楽しさ倍増間違いなしです。