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【霊告月記】第二十三回 歴史の天使は廃墟を凝視する

2017年09月01日 10時00分00秒 | 霊告月記21~25

【霊告月記】第二十三回 歴史の天使は廃墟を凝視する

 】霊告【 学ぼう 学ぼう 学ぼう  愛国心を超える道を  北一輝  

今月はたいへんに忙しかったので、モランボン楽団の動画にリンクを貼りました。またクレーの絵にベンヤミンが解説を加えた文章を引用しました。すべて素晴らしいものばかりです。
モランボン楽団、イイネ!  歴史の天使に敬礼!

    

「新しい天使」と題されているクレーの絵がある。それにはひとりの天使が描かれており 、天使は、かれが凝視している何ものかから、いまにも遠ざかろうとしているところのようにも見える。かれの目は大きく見ひらかれていて、口はひらき、翼は拡げられている。歴史の天使はこのような様子であるに違いない。かれは顔を過去に向けている。ぼくらであれば事件の連鎖を眺めるところに、かれはただカタストローフのみを見る。そのカタストローフは、やすみなく廃墟の上に廃墟を積みかさねて、それをかれの鼻っさきへつきつけてくるのだ。たぶんかれはそこに滞留して、死者たちを目覚めさせ、破壊されたものを寄せあつめて組みたてたいのだろうが、しかし楽園から吹いてくる強風がかれの翼にはらまれるばかりか、その風のいきおいがはげしいので、かれはもう翼を閉じることができない。強風は天使を、かれが背中を向けている未来のほうへ、不可抗的に運んでゆく。その一方ではかれの眼前の廃墟の山が天に届くばかりに高くなる。僕らが進歩と呼ぶのは〈この〉強風なのだ。
(ベンヤミン「歴史の概念について」第九テーゼ野村修訳)》

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