潰瘍性大腸炎の治療は薬の投与等の内科的治療が一般的で、ただ、症状が重くて生命にかかわる場合や、内科的治療では良くならず生活への支障が大きい場合等に大腸全部を摘出する外科手術の方法がとられます。大体患者の1、2割程度が外科手術の適応になると言われています。
「お腹を開いて大腸をとってしまう」……誰でもできれば避けたいと思うのが人情。私も、この病気と診断されてまだ2年足らず、当然ながら、外科手術は他人事、あるいはずっと先の話と思い込んでいました。
ところが、その私が、この2008年11月16日、緊急手術で大腸を切ってしまいました。 手術の前後は、トラブル続き、苦痛の連続で、まるで誰かが私を、「これでもか、これでもか」といじめているようでした。
大腸がなくなって、現在はストマの生活となり、大事な肉体の一部がなくなってしまったことに対する精神的なショックみたいなものもないといえばうそになります。しかし、潰瘍性大腸炎の原因である大腸がなくなって完治となり難病から解放された喜びのほうが大きいです。
本日現在、手術から約1ヶ月がたち、退院から3日目というところですが、これまで私を苦しめてきた、発熱や腹痛、下痢や血便、お尻の痛み、全身の関節痛等から完全に解放され、イレウスだけに注意しながら、結構なんでも食べ、食事を楽しんでいます。
何といっても、潰瘍性大腸炎が完治し、もう再燃(再発)を心配しなくて良いこと、したがって、仕事やスポーツ、旅行等、いろんな面で普通の生活に戻っていけるというしっかりした展望が開けたことで、これまでの「もやもや」が晴れて、すっきりとした気持ちになっています。
発病から、2008年7月ころまでについては、別記事の「入院体験談」で書いており、まだ未完ですが、今回、それ以降、大腸摘出手術とその前後について、「大腸摘出手術体験談」を書くことにしました。 同病の方、あるいは、健康な方も、何らかの参考にしていただければと思います。