フェスティバル/トーキョー
Berliner Volksbuehne, Cinecitta' aperta
豊洲公園西側横 野外特設会場。
作・演出/ルネ・ポレシュ、舞台美術/ベルト・ノイマン
Text and direction by Rene Pollesch, Set design by Bert Neumann
聞くところによるとドイツでは爆笑ものの作品らしいけど、字幕ではどう頑張っても無理があったんじゃないかと思うし、客席もなぜかフラットで、広大な空間を走り回る役者たちが何をやっているのかあまりよく見えなかった。だからかなり部分的にしか作品を味わえていないと思うけれども、その限りでいえば、50~60年代のイタリア映画とか、マルクス主義とかフーコーとか、そういう「大人の教養」をここから引き算し、空いた所を「日常」とかアニメとかその他ファストなもので埋めると、いま日本で若い人たちがやってるようなジャンクな演劇になるんだろうなと思った。その違いは、世代間のコミュニケーションがどれくらいあり、歴史に対する畏敬がどれくらい共有されているか、という問題として要約できる気がする。ユダヤ博物館のある国と、広島の空をピカッとさせている国の違い、と言い換えてもいいかもしれない。開演前の夕暮れ時の街の景色が息を呑むほど美しかった。