2007年に発行された日本医師会雑誌の別冊に「メタボリックシンドロームup to date」がある。
このなかでメタボリックシンドロームに対する食事療法の実際という章がある。
概略を記すと
減量を一義的(一番大切)に考えすすめていく
減塩する
3大栄養素の中身を吟味する。
→ 炭水化物摂取の低減は重要。
高GI食の過量摂取は戒める。
飽和脂肪酸やトランス型脂肪酸を避ける
といったところか。
脂質よりも炭水化物を減らすことが妥当であると述べている点が新しい。
2007年3月のJAMA(The Journal of the American Medical Association)に興味深い報告がある。
ATOZ studyとよばれる食事と減量に関するランダム化試験である。
炭水化物の含有量が異なる4つの食事群で1年間の比較を行っている。
もっとも減量成績がよかったのがAtkins食という、低炭水化物、高脂質食であった。
このての研究は長らく行われているが、標本数や脱落症例の少なさという点で、
これまでのどの研究よりも高く評価されている。
この論文の結論は、「低炭水化物+高タンパク+高脂質の食事が減量にもっとも効果があった」である。
「脂っこいものを避けましょう」と耳にタコができるくらい聞かされてきたが、どうやらこれまでの栄養指導は見直されるべき時期に来ているということだろう。
これからのダイエットは「脂質よりも炭水化物に配慮」がキーであろう。
上記論文はJAMAのサイトから入手可能である。
JAMAは最も信頼できる学術雑誌のひとつである。
小児科 今西康次
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます