京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「三匹のおっさん」/有川 浩

2010-09-08 | Book

『三匹のおっさん』/有川 浩(文藝春秋刊)

 

 
 
 有川 浩さんの小説は先日初めて「阪急電車」を読んだ。
 短い路線の往復の間で、様々な人間関係が交錯する面白い小説だった
 でも、最初に読みたかったのはこの「
三匹のおっさん」の方。
 実は図書館で予約しておいてがなかなか順番が回って来なかった。

 文字通り幼馴染みの三人のおっさんたちが繰り広げるドラマに、
 その家族や友人を交えて 面白おかしく描かれている物語。

 その三匹ならぬ三人のおっさんとは、
 清田清一(キヨ)・・・定年を迎え、嘱託として地元のアミューズメントパークに再就職。
 特技は剣道。 何故か孫・祐希のバイト先もかぶっている。
 立花重雄(シゲ)・・・居酒屋「酔いどれ鯨」を元主人。 特技は柔道。
 有村則夫(ノリ)・・・工場経営者で、機械にめっぽう強い。 特技はスタンガン(笑)
 この三人が腐れ縁である事件をキッカケに私設自警団を立ち上げ町内をパトロールすることに。
 痴漢やカツアゲ、動物虐待、詐欺(結婚、健康食品、芸能プロ)等、町内で発生する事件に立ち向かう。

 毎晩「鯨」に集まり、様々な事件に関して飲みながら対策を打ち、そこにキヨの孫・祐希や
 ノリの娘・早苗も加わり、 実に下町風皆人情味溢れる展開が描かれている。
 またそれぞれの事件の対処や解決法もユニーク。
 下手したら、つまらない刑事ドラマを見ているよりもスリリングで面白い。
 それだけではなく、近い将来自分たちも同じ問題を抱えることになるだろうと、
 商店街や市役所を動かし、老人の憩いの場を作る。
 長く生きた人はそれだけで様々な知識や能力を備えている。
 “三人寄れば文殊の知恵”ではないが、この三匹のおっさんたちの役回りは
 古くて申し訳ないが、TVドラマの「三匹の侍」を彷彿とさせる。
 また高校生の祐希や早苗を含め、それぞれに互いの良さを少しずつ理解し、
 現代社会の核家族化では 決して生み出せない年齢の溝を埋める柔軟さがここにはある。
 そしてそこに祐希と早苗の恋愛模様もかぶせ、ちょっと「阪急電車」テイストも
 織り込んでいるのはやっぱ作者のセンスかな(笑)


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4 コメント

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Unknown (リバー)
2010-09-08 23:35:12
TB ありがとうございます。

おっさんの活躍 面白いですよね
どう解決していくのかという

「阪急電車」もかなり好きでしたが
「フリーター、家を買う」もオススメですよ
返信する
オススメ~ (cyaz)
2010-09-09 08:32:36
リバーさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>おっさんの活躍 面白いですよね どう解決していくのかという
そうでしたね^^
やはり“年の功”ですかね(笑)?!

>「阪急電車」もかなり好きでしたが「フリーター、家を買う」もオススメですよ
おぉ、オススメの紹介、ありがとうございます^^
今度読んでみます!
返信する
痛快! (日月)
2010-09-14 16:42:55
実に痛快な物語でした。年寄りの知恵袋
は近年すたれてゆく一方ですが、やはり年を重ねた経験値というのはいいもんだよな、と思わせてくれますね。

「フリーター、家を買う」は今度ドラマ化もされますね。「三匹のおっさん」もドラマ化の話が来たらいいのになとひそかに思っています。
返信する
キャスティング~ (cyaz)
2010-09-14 17:27:53
日月さん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>年寄りの知恵袋は近年すたれてゆく一方ですが、やはり年を重ねた経験値というのはいいもんだよな、と思わせてくれますね。
ホント、そうですね!
それに特技を活かすということも^^

>「フリーター、家を買う」は今度ドラマ化もされますね。「三匹のおっさん」もドラマ化の話が来たらいいのになとひそかに思っています。
そうですね^^
なんだかキャスティングを考えるだけでワクワクしますよね~
「フリーター、家を買う」は未読なので今度読んでみようと思っています^^
返信する

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