アメリカSFの3大巨匠といえば、アシモフ、クラーク、そしてハインラインだ。
「夏への扉」はハインラインの作品の中でもっとも認知度が高いのではないだろうか。
私がSFにはまった当初、つまり中学生くらいの頃、海外SFを中心に読んでいたが、この小説もそのころに読んだ記憶がある。
だから、はっきり言って、それほど覚えていないのだ。
面白かったぞという感覚だけはあったのだが。
時は1970年、冷凍睡眠が確立され、冷凍睡眠保険という商品が一般化している。
優秀な技師であるダニエルは、
文化女中器(ハイヤード・ガール)という会社を弁護士マイルズと共同経営していた。
文化女中器は、家庭用の家電を扱う会社で、ダニエルの発明で人間の手を煩わせない自動で動く掃除機や窓拭き器を売り出し、大当たりをしていた。
ところが、会社を大きくしたいマイルズとダニエルの婚約者のベラは、今までの生産体制で満足しているダニエルを会社から追い出し、ダニエルの発明まで盗もうと計画し実行する。
親友と婚約者に裏切られたダニエルは、最愛の猫ピートを連れて30年の冷凍睡眠をしようと決意するが、冷凍睡眠に入る前に2人ともう一度対決する。
それが元で、当初予定していた冷凍睡眠の会社とは違うところで冷凍睡眠させられ、目覚めると2000年になっていた。
そこに、自分の考えていた発明が商品化されているのを発見し疑問を覚える。
30年前、2人と対決した後、会社や2人がどうなってしまったのか調べだすとともに、マイルズの娘に送ったはずの文化女中器の株の在り処を突き止めようとダニエルは奮闘する。
マイルズの娘リッキィが冷凍睡眠で最近目覚めたことを知り彼女を追うが、
彼女は目覚てすぐに結婚をしていた。
その結婚の相手とは・・・。
冷凍睡眠と時間旅行。
両方を組み合わせることによるパラドックスの回避が読みどころだ。
ストーリィも抜群に面白い。
ダニエルの技術一筋という職人気質な性格のせいで、裏切りを受け、悔しい思いをするのだが、その後の展開で収まるところにすべて収まると、よかったよかったと自分のことのように嬉しい気持ちでいっぱいになる。
ハインラインは、本書の中でダニエルに、過去に生きるよりも、未来のほうが断然良いに決まっていると言わせている。
この小説は、ハインラインの未来に対する希望と暖かい眼差しが詰まっている。
そして、猫に対する愛情もたっぷり詰まっている。
何度、「ピート可愛い!」と叫んだだろうか。
猫好き、SF好きにはたまらない一冊だ。
SFとしては難しくないので、初心者でも大丈夫。
ただ、福島正実さんが1975年に翻訳したものなので、多少、古めかしいところが気になるが、ストーリィ自体の面白さが打ち消されることはないのでその辺は目を瞑ってもらおう。
夏への扉ハヤカワ文庫 SF (345)
「夏への扉」はハインラインの作品の中でもっとも認知度が高いのではないだろうか。
私がSFにはまった当初、つまり中学生くらいの頃、海外SFを中心に読んでいたが、この小説もそのころに読んだ記憶がある。
だから、はっきり言って、それほど覚えていないのだ。
面白かったぞという感覚だけはあったのだが。
時は1970年、冷凍睡眠が確立され、冷凍睡眠保険という商品が一般化している。
優秀な技師であるダニエルは、
文化女中器(ハイヤード・ガール)という会社を弁護士マイルズと共同経営していた。
文化女中器は、家庭用の家電を扱う会社で、ダニエルの発明で人間の手を煩わせない自動で動く掃除機や窓拭き器を売り出し、大当たりをしていた。
ところが、会社を大きくしたいマイルズとダニエルの婚約者のベラは、今までの生産体制で満足しているダニエルを会社から追い出し、ダニエルの発明まで盗もうと計画し実行する。
親友と婚約者に裏切られたダニエルは、最愛の猫ピートを連れて30年の冷凍睡眠をしようと決意するが、冷凍睡眠に入る前に2人ともう一度対決する。
それが元で、当初予定していた冷凍睡眠の会社とは違うところで冷凍睡眠させられ、目覚めると2000年になっていた。
そこに、自分の考えていた発明が商品化されているのを発見し疑問を覚える。
30年前、2人と対決した後、会社や2人がどうなってしまったのか調べだすとともに、マイルズの娘に送ったはずの文化女中器の株の在り処を突き止めようとダニエルは奮闘する。
マイルズの娘リッキィが冷凍睡眠で最近目覚めたことを知り彼女を追うが、
彼女は目覚てすぐに結婚をしていた。
その結婚の相手とは・・・。
冷凍睡眠と時間旅行。
両方を組み合わせることによるパラドックスの回避が読みどころだ。
ストーリィも抜群に面白い。
ダニエルの技術一筋という職人気質な性格のせいで、裏切りを受け、悔しい思いをするのだが、その後の展開で収まるところにすべて収まると、よかったよかったと自分のことのように嬉しい気持ちでいっぱいになる。
ハインラインは、本書の中でダニエルに、過去に生きるよりも、未来のほうが断然良いに決まっていると言わせている。
この小説は、ハインラインの未来に対する希望と暖かい眼差しが詰まっている。
そして、猫に対する愛情もたっぷり詰まっている。
何度、「ピート可愛い!」と叫んだだろうか。
猫好き、SF好きにはたまらない一冊だ。
SFとしては難しくないので、初心者でも大丈夫。
ただ、福島正実さんが1975年に翻訳したものなので、多少、古めかしいところが気になるが、ストーリィ自体の面白さが打ち消されることはないのでその辺は目を瞑ってもらおう。
夏への扉ハヤカワ文庫 SF (345)
ここのあらすじ他でも使わせていただいてもよろしいでしょーか?てか使わせてもらいまーす。
また遊びにきますねー。
喜びのあまり、踊りだすかも・・・。
仲良くしましょうね。
くろにゃんこさんのブログは、画像が入ってパワーアップですね。やっぱり、画像があるとインパクトがあります。ぱっと見て分かりやすいです。
私が「夏への扉」で好きなのは、ピートの鳴き声。単純に「にゃあ」とかじゃなくって、「なーおう」とか、「うえあーあ」とか鳴くんですよね。
福島さんの面目躍如です。
あれ、猫を飼っている人には当たり前なんだけど、猫って要求によって鳴き声が違うんですよ。
あと、戦闘態勢になったときの雄たけびなんて、すごい迫力です。
猫同士の喧嘩なんて、とても間に入れません。こっちが怪我しちゃう。
ピートの寿命がきて、コールドスリープに入れようと考えるダニエルには、少し反発もしますが、猫好きなんで、その気持ちもわかるんだよね。