この本の中の世界は、私たちたは様子が違う。
なんてったって、文学が映画やTVよりもメジャーな存在なのだ。
前作で、サーズデイはブロンテ「ジェーン・エア」のなかに入り込み、結末をハッピーエンドに変えてしまったが、そのせいでサーズデイは時の人となり、地に落ちている特別捜査機関(スペオペックス)の評判の救いの星となる。
が、本人は(彼女に非はないのだが)相変らず問題ばかり起こし、
偶然が偶然を呼び死にそうになったり、やっぱり普通ではない。
普通ではないといえば、元時間警備隊のサーデイのお父さんも、
自分なりに世界を守ろうと四苦八苦している。
なんと12月12日20時23分に有機物質全てがピンク色のネバネバのベトベト物質に変わってしまい、人類がベトベト物質になって世界が滅びるらしい。
そんな折、この世界のイギリスを牛耳っているゴライアス社に、
サーズデイは夫のランデンを根絶(過去に戻って生きていないことにする)されてしまい、ゴライアス社からもう一度本の世界に行くことを脅迫される。
伯父、マイクロフトの開発した<文学の門>(本の世界に入れる発明品)はもう無く、伯父も行方をくらませている事から、本の世界に入り込もうと大阪にまで出向く。
大阪で、無事(?)本の世界に入り込める鍵を見つけたサーズデイだが、本の世界に待っていたのは、書かれている本全てとこれから書かれる事になっている全ての本がある図書館だった。
そこで彼女はジュリスフィクション(文学内務保安機構)に任命され、本の世界を守る仕事をすることになるんだけれど、なんとディケンズ「大いなる遺産」のミス・ハヴィシャムに弟子入りする。
この、ミス・ハヴィシャム、結婚式の当日に捨てられ、花嫁衣裳をずっと着ているという陰気な人物なのだが、「大いなる遺産」から離れると、とたんに変身する。
スピード狂だし、本屋さんのバーゲン(!)では、赤のクイーンと壮絶なバトルを展開するのだ。
さて、サーズデイは謎の狙撃者を倒し、人類を救い、夫ランデンを再現化(根絶されなかったことにする)させることが出来るのか?
この本は、有名な本の引用がたくさん散りばめられてあり
ニヤリとするところがたくさんあります。
私のお気に入りはカフカ「審判」の場面。
なんとも不条理な裁判の進行にニヤニヤしっぱなしでした。
本好きにはたまりません。
この物語の中の世界では、人間の能力が少しばかり高いようです。
本の中に入れる能力、時間を飛び越せる能力、偶然を呼び寄せる能力等々、個人差はありそうですが、それが物語を楽しく、ワクワクさせるものにしています。
人を根絶させるとパラドックスが起きるんじゃないの?と思ってしまいますが、この本では横滑りという技術を応用しています。
パラドックスうんぬんを気になさらない方で、本の世界に入り込んでみたい方、
是非この本をお勧めします。
本好きには最高のエンターテイメントです。
文学刑事サーズデイ・ネクス...
ジェーン・エア角川文庫クラシックス
大いなる遺産 (上巻)新潮文庫
審判岩波文庫
なんてったって、文学が映画やTVよりもメジャーな存在なのだ。
前作で、サーズデイはブロンテ「ジェーン・エア」のなかに入り込み、結末をハッピーエンドに変えてしまったが、そのせいでサーズデイは時の人となり、地に落ちている特別捜査機関(スペオペックス)の評判の救いの星となる。
が、本人は(彼女に非はないのだが)相変らず問題ばかり起こし、
偶然が偶然を呼び死にそうになったり、やっぱり普通ではない。
普通ではないといえば、元時間警備隊のサーデイのお父さんも、
自分なりに世界を守ろうと四苦八苦している。
なんと12月12日20時23分に有機物質全てがピンク色のネバネバのベトベト物質に変わってしまい、人類がベトベト物質になって世界が滅びるらしい。
そんな折、この世界のイギリスを牛耳っているゴライアス社に、
サーズデイは夫のランデンを根絶(過去に戻って生きていないことにする)されてしまい、ゴライアス社からもう一度本の世界に行くことを脅迫される。
伯父、マイクロフトの開発した<文学の門>(本の世界に入れる発明品)はもう無く、伯父も行方をくらませている事から、本の世界に入り込もうと大阪にまで出向く。
大阪で、無事(?)本の世界に入り込める鍵を見つけたサーズデイだが、本の世界に待っていたのは、書かれている本全てとこれから書かれる事になっている全ての本がある図書館だった。
そこで彼女はジュリスフィクション(文学内務保安機構)に任命され、本の世界を守る仕事をすることになるんだけれど、なんとディケンズ「大いなる遺産」のミス・ハヴィシャムに弟子入りする。
この、ミス・ハヴィシャム、結婚式の当日に捨てられ、花嫁衣裳をずっと着ているという陰気な人物なのだが、「大いなる遺産」から離れると、とたんに変身する。
スピード狂だし、本屋さんのバーゲン(!)では、赤のクイーンと壮絶なバトルを展開するのだ。
さて、サーズデイは謎の狙撃者を倒し、人類を救い、夫ランデンを再現化(根絶されなかったことにする)させることが出来るのか?
この本は、有名な本の引用がたくさん散りばめられてあり
ニヤリとするところがたくさんあります。
私のお気に入りはカフカ「審判」の場面。
なんとも不条理な裁判の進行にニヤニヤしっぱなしでした。
本好きにはたまりません。
この物語の中の世界では、人間の能力が少しばかり高いようです。
本の中に入れる能力、時間を飛び越せる能力、偶然を呼び寄せる能力等々、個人差はありそうですが、それが物語を楽しく、ワクワクさせるものにしています。
人を根絶させるとパラドックスが起きるんじゃないの?と思ってしまいますが、この本では横滑りという技術を応用しています。
パラドックスうんぬんを気になさらない方で、本の世界に入り込んでみたい方、
是非この本をお勧めします。
本好きには最高のエンターテイメントです。
文学刑事サーズデイ・ネクス...
ジェーン・エア角川文庫クラシックス
大いなる遺産 (上巻)新潮文庫
審判岩波文庫
くろにゃんこさんもこの本お読みになったとは!
嬉しいです!!
とにもかくにもランデンも心配ですし、早く続きを出していただきたい!
それまでに「審判」を読んでおこうかなあと思ったりしています(まだ読んでないのです)
早く読まなきゃ。
うわっ、課題図書がさらにボリュームアップ。
とりあえず、図書館に置いてある本から、手当たりしだいに行きますか。
サーズディシリーズは、純粋なSFとは言い難いので、読んでいる人がとにかく少ないのです。
でもって、単なる引用じゃなくて、他の本の世界に出入りしたりするでしょ。
そこが、敬遠されるところのようですね。
書庫フェチには、オタク心をくすぐられる一品なんですけど。
じゃいさまが、サーズディの世界を私と同じように楽しんでいるようなので、自分ひとりではなかったんだ~と妙に感激しました。
3巻、絶対に読みましょうね!