くろにゃんこの読書日記

マイナーな読書好きのブログ。
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七悪魔の旅 マヌエル・ムヒカ=ライネス

2005年11月23日 | 海外文学 その他
南米文学で、ユーモア小説?
いったいどんな本なんだ?
そう思いますよね。
南米文学の私の印象は、ぶっ飛んでいる。
東欧や英米に比べて、何かが突き抜けている感じなのです。
そんなこんなで、興味津々で読み始めたのですが、意外と普通。
あまり馴染みのない英米文学の作家の作品と偽っても、多分違和感がないんじゃないかしら。
でも、読み終えたときの感覚は、不思議と南米文学を読んだぞ~という気になるので、南米文学に興味はあるけど躊躇している人には最適な本かも。

七悪魔というからには七人(?)の悪魔が主役。
大魔王に、「最近、お前たちはたるんでいる。ちゃんと仕事してこ~い!」
と地球の人間界に送り出されるわけ。
とりあえず、人間の供給は地球だけみたい。
悪魔それぞれには、それぞれの分野に沿って課題が出されるんだけど、ターゲットはジル・ド・レーの奥方や西太后のような過去の有名人、著名人だけじゃなくて、未来にも赴くのですよ。
では、悪魔たちは誰かといえば、ルシフェル(倨傲)、マンモン(貪欲)、レヴィヤタン(嫉妬)、ベルゼブル(大食)、サタン(憤怒)、アスモデウス(淫乱)、ベルフェゴール(怠惰)。
この悪魔たちが、協力しながら課題をこなしていくのだけれど、
その舞台裏の様子が笑っちゃう。
記念撮影するカメラに良く写ろうとしたりするのよ、悪魔が。
あ、その写真からは、写真の雰囲気に合わせた音楽が鳴ったりするの。
課題と課題の間の旅の様子もなかなか面白い。
それぞれの乗り物(翼を持つ動物)の間に、恋愛があって、子供が生まれたり、
乗り物たちの間で労働組合が組まれたり。
あるときは、中国の仙人とお茶をするんだけど、君主制を重んじる悪魔と赤い本を持って「革命だ~」と叫ぶ仙人たちの間に対立が起きて、高価な茶わんを投げあったり、もう、ムチャクチャ。
でも、時々哲学的に論争したりするのよ、悪魔が。
ユーモア満載の一冊だけど、それだけじゃなくて皮肉まじりの世界観や宗教観がしっかり入っているから、読み応えは十分。
頭の中で、文章をマンガに変換すると、さらにおかしみがアップしますよ。

そうそう、エンパイア・ステイト・ビル付近で、ベルフェゴールが乗ったラテックスだけど、あれには学生時代の逸話を思い出しちゃった。
私の通っていた高校は、普通科が女子クラスだったのよね。
私も普通科だったんだけど、どこかのクラスで、
そのラテックスを風船にして遊んでいたという噂が・・・
う~む、なつかしい。

七悪魔の旅


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4 コメント

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Unknown (聖月)
2005-11-24 07:54:25
面白かったですね(^.^)

図書館の本ですか・・・



来年2月、参国したら、色々と教えてくださいませ。

どの本屋がちゃんとしてるとか・・・

沼津まで行かんと駄目だとか(笑)
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はい (くろにゃんこ)
2005-11-24 22:25:21
図書館の本なのです。

私は、あまり本を買わないので、読みたい本があれば、まず、図書館で探します。

本屋さんは、あまり期待しないほうがよろしいかと。

大きい本屋さんは、やっぱり沼津かなぁ。

あ、今日は、こちらにいらしたのですよね。

お忙しいようで、ご苦労様でした。
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TBありがとうございます。 (indi-book)
2006-01-11 17:24:43
くろにゃんこさん、TBありがとうございます。

こちらからも、TBします。

>魔夜峰央先生で、、とありましたね、、。

私もパタリロしか知らなかったのですが、調べると

悪魔などの、知識が大変お詳しいとか、、。

しかも、ギャグマンガだし、漫画みてみたいですね、、

 それでは、、。
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最近我が家では (くろにゃんこ)
2006-01-12 08:55:57
「ラシャーヌ!」にはまってます。

ブックオフで、文庫版を1~3巻まで購入して、一人ヘラヘラ笑いながら読んでいたのですが、気がついたら家族全員が読んでいました。

どんな家族なんだ。

「パタリロ」も少女マンガ史上もっとも長寿なギャグマンガになりましたね。

私は、学生時代にオンタイムで読んでいたんですけど、TVアニメ化されたときはPTAから苦情が殺到するのではないかと密かに恐れていました。。。

魔矢先生にはぜひこの作品をコミック化してもらいたいですね。
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