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徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

風疹流行止まらず・・・10人目の犠牲者(先天性風疹症候群)

2013年04月26日 05時49分06秒 | 小児科診療
風疹の流行が続いています。
患者自身は3日間の微熱と発疹という症状で済みますが、その被害者・犠牲者とも云うべき赤ちゃん(先天性風疹症候群、CRS)が増えてきています。

新たに風疹で赤ちゃんに障害
(2013年4月25日 NHK)
風疹が流行するなか、神奈川県で新たに1人の赤ちゃんが、母親が妊娠中に風疹に感染したことで、心臓や目などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断され、去年からの流行で風疹によって障害が出た赤ちゃんは全国で合わせて10人となりました。
風疹は、妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんが、心臓や目や耳などに障害が出る先天性風疹症候群になるおそれがあります。
神奈川県によりますと、1人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されたと、先週、医療機関から相模原市の保健所に届け出があったということです。
神奈川県内ではことしに入ってから今月21日までに風疹の患者が662人報告されていて、去年の同じ時期の110倍に上っています。
先天性風疹症候群と診断された赤ちゃんは、ことしになって全国で5人目で、去年から続く流行では合わせて10人となりました。
風疹について、多くの妊婦からの相談に応じている、国立成育医療研究センター産科の久保隆彦医師は、「これまでにない風疹の流行で、妊婦と生まれてくる赤ちゃんが脅威にさらされている。風疹の流行を食い止めるために、抗体のない成人の男性や女性はワクチンを打ってほしい」と話しています。


この風疹流行の原因は予防接種をしなかった年代が放置されてきたことです。
各自治体で風疹ワクチン接種金額の補助が始まりつつありますが、本来は国の政策の欠陥ですから、厚生労働省は「ワクチンを接種しましょう」との呼びかけだけでは無責任なのではないでしょうか。

★ 「ストップ風疹」(NHKの特集サイト)
★ 「風疹と母子感染2012年版」(日本産婦人科学会)
★ 「風疹予防接種のお願い」(先天性風疹症候群のお子さんを持ったお母さんのHP)

日本は健康教育レベルが低く、他人からうつされて患者になることは「被害者」との認識にとどまり、新たに「加害者」になる可能性も持ち合わせるという認識が甘いとつくづく感じます。
ワクチン接種は自分の体を守ることのみならず「弱者を感染症から守る方法」であると義務教育で是非教えていただきたいと思います。
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