櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

クラス始め

2016-01-06 | レッスン・WSノート
その場で言えばいいものを言い忘れたが、きょうのクラスは随分と動きが大きく感じた。
お正月休みが明けた初稽古は音楽オイリュトミーの練習だった。

一番基本的な練習に、3つの音の響きを踊ることがあるのだが、それに時間をかけた。根っこの音としての「C音」、不安定ゆえに振動豊かな「H音」、移ろいと調和を促す「E音」。その3つの響きを全身から放つ練習。

身体の動きは空気の流れにも影響を与える。動きの軌跡が風を発生する。オイリュトミー用のドレスは軽い絹で作ったヴェールのようなものだが、その揺らぎやはためきから、踊り手の生み出す風が目に見える。動きの余韻。響きの残像。美しく揺れるときもあれば、絡まったようになるときもある。ただ3つの音を踊りながら、各自がそれぞれの動きの作用や豊かさを味わう。
そのプロセスが、今日はときにダイナミックで迫力があった。
音と動きと意識変化の関係をめぐって、また、シュタイナーの認識論について、しばらく話したのち、バッハを踊った。無伴奏チェロ冒頭のプレリュードに取り組みながら、音の響きに溶け合う練習を続けている。振付は、シンプルなメロディーラインに沿って、水紋のような輪を生み出す動きや、煙のように上下する動きや、水平に滑空する動きを味わえるようにした。こなれるほどに、動く楽しみが増えると嬉しい。

踊ることは響くことでもある。音と身と心が一緒に動いている。
デリケートでダイナミックな、そして、確かな変化の連続から、心身の活力が目覚めてゆく。

良き踊りの場を、なんとか開き続けたい。
この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 訃報、ヨシダヨシエさん | トップ | ピエール・ブーレーズ逝く »
最新の画像もっと見る

レッスン・WSノート」カテゴリの最新記事