マイケル・チミノ監督が亡くなってしまったという記事を読みながら、正直、凹む。チミノが新作を撮った、というニュースをいつも探していたが叶わなかった。サヨナラだけが人生だ、なんて川島雄三は言い残したその一言をまだ解りたくなんかないのだけど、やはり誰もがいつかは向こうに行く。
わずか7本というフィルムの全てに
煮えたぎるような熱さを感じていた。
とりわけ『天国の門』と『ディア・ハンター』はどのシーンも覚えてしまうほどの説得力に満ちていた。ピストルと結婚式と怒りと反抗と酒とダンスが美しすぎる光線のなかで破裂して哀しみの淵が深く深く刻まれてゆく。全身全霊の力技の作風で、映画以上の何かを観たようになり、しばらく放心した。表現者としては己の根性を叩き直されたような気持ちに襲われた。鼻垂れ小僧の僕は、聖チミノの映画に叱られ続けていた。
ガッカリしている。寂しい。
冥福を祈るなんて、未だイヤだと思う。
わずか7本というフィルムの全てに
煮えたぎるような熱さを感じていた。
とりわけ『天国の門』と『ディア・ハンター』はどのシーンも覚えてしまうほどの説得力に満ちていた。ピストルと結婚式と怒りと反抗と酒とダンスが美しすぎる光線のなかで破裂して哀しみの淵が深く深く刻まれてゆく。全身全霊の力技の作風で、映画以上の何かを観たようになり、しばらく放心した。表現者としては己の根性を叩き直されたような気持ちに襲われた。鼻垂れ小僧の僕は、聖チミノの映画に叱られ続けていた。
ガッカリしている。寂しい。
冥福を祈るなんて、未だイヤだと思う。