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良い文章に触れることの楽しみが何倍も何十倍にも膨らんだ

  第57期文演12/4/14~6/23アンケートです。

 ラストは、一橋大学院生のHさんです。



          
Hさんの文演アンケート



 
Q.1 当講座をどんな目的で受講しましたか?
  A.1 自分の文章に関する能力と向き合うため。私が通う大学の授業では、文章の要約が毎週課される。授業の予習では、いつも時間に追われ、課題の内容よりも課題を完成させることばかりに集中していた。しかし、完成した文章について先生から指摘を受けることはあまりなく、内容は理解できていたのか、文章は書けているのかを反省したり分析したりすることはほとんどなかった。
   文演の受講前は、実力が把握できていないことへの不安と、それでも要約の数はこなしてきたという中身のない自尊心とが入り交じった状態だった。松田さんのブログを読むうち、文演アンケートに「要約の作業へ向ける意識のありようが、仕事、生活にそのままあらわれる」とか「足らなかった部分が埋まっていく、補われていくのを実感し」たと書かれているのを読んだ。文演がいま必要な講座だと感じた。文演を受講すれば、自分の実力と向き合うことができ、不足している能力を補うことができると思った。 


  Q.2 「文演」を受講して文章への印象で変わったことがありますか?
  A.2 
世の中の文章が玉石混淆であることに敏感になった。文演を受講する前は、玉と石の区別がほとんどついていなかった。せいぜい、きれいな石かくすんだ石かくらいにしか考えていなかったと思う。文演を受講してからは、両者の区別がはっきりとつくようになった。
   とくに驚いているのは、玉が玉だと分かるようになったことだ。いままで素通りしていたプロの文章に感動するようになり、どうしてこのような文章が書けるのだろうと関心が湧くようになった。以前に比べると、良い文章に触れることの楽しみが何倍も何十倍にも膨らんだと思う。


 
Q.3 宿題の「要約」はどうでしたか?
  A.3-1 「授業前」
 取り組みながら成長を感じることができた。最も成長を感じたのは、宿題提出の一カ月前に書いた草稿をその二週間後に見返したとき、その草稿がひどいものだと思ったときだ。たった二週間でも、文演を受講しながら文章の能力が伸びていることを実感できた。しかし、苦しみもした。この要約は、到底何度もできるものではないと思った。時間をかけるほど、こうか、いやこうしたほうがいいのでは、と何通りもの考えが浮かんだ。課題のプリントが文字で溢れるにつれて、頭の中が混乱していった。
   最後の一週間は、他のことが手につかなくなるほど文演の課題のことばかり考えていた。パソコンで大学の課題をやろうとしても、なぜか気になって文演の課題のワードファイルを開き、気が付けば文演の課題のファイルしか開いていないという日が続いた。

 
A.3-2 「授業後」 衝撃的な最終回だった。他の方々の作品と自分のものに対する松田さんの解説とを両方聞き、自分の要約が大したことのないものだと思い知ったからだ。授業前、受講生の方々の要約を読むと、自らの欠点がいくつも分かった。高校生の方の作品が、自分のものよりもはるかに本筋をとらえたしっかりした要約であることを恥じたりもした。それでも、授業に参加するまで、自分の要約がこれほど未熟なものだと分かっていなかった。ショックを受けてしまった。はじめは、何日もかけてこれだけの要約しかできなかった事実を受け入れられなかった。次第にそれが受け入れなければならない事実だと分かると、根本的な実力への落胆と、これからへの不安が湧きあがってくる。授業が終わってもそのまましばらくは茫然としていた。松田さんやスタッフの方々に面と向かってお礼の言葉を言うこともできないまま、クリエイトを後にすることになった。
   家に帰ると、授業のプリントを見返し、何が問題だったのだろうと悩んだ。机に向かって、ずっと頭に響いていた松田さんの言葉を書きとめているときは、身を削っていくような痛みがあった。考えた末に明瞭な答えが得られたわけではないが、気付いたことはある。それは、頭の中が、自分ばっかりだったということだ。頭の中に他人を入れようとしていなかった。自分のことで頭がいっぱいだったために、著者にも読み手にも十分に配慮せず、原文を平気で勝手に書き換えた要約を提出してしまった。授業前も、他の方々の文章を自分の文章のようには読めていなかったと思う。私は、松田さんがいつも注意されていた、自分の文章は行間まで読んでほしいのに、他人の文章は読み飛ばしてしまう人そのものだったのだ。しかし、それでは文章は書けない。他人を頭の中に入れて考えなければ相手には伝わらない。だから気をつけなさい。本をたくさん読んで、勉強して、他人の考えていることを知りなさい。最終回で、このようなメッセージを松田さんからもらったのではないかといまは考えている。


  Q.4 全体的な感想をお聞かせください。
  A.4 
文章にすべてが表れるというのは本当だった。まさか、文章を通して自分自身と向き合うことになるとは思わなかった。松田さんや受講生の皆さんと濃密な時間を共有することで、年齢に関係なく、尊敬すべき人がたくさんいることが分かった。衝撃を受けた経験を含め、文演は本当に楽しかった。最後の授業が終わったあと、松田さんから、「高校生のときに来ておけばよかったのにー」と言われた。心の中で(そ、それを言わないでください……)と思った。高校生のときにクリエイトの速読と文演に出会っていなかったこと、それがいまクリエイトに出会ったことの唯一で最大の後悔だからだ。文演の最終回が終わってしばらくたったいま、その気持ちはますます強くなっている。
 これから努力を重ね、文章について良い評価をもらえることがあったら必ず報告させていただきたいと思います。第57期文演に参加できてよかったです。松田さん、スタッフの皆さん、受講生の皆さん、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。


  
Hさんは、暁星高出身です。

 前から何回も書いていますが、不思議と馬が合う男子校です。

 それで「
高校生のときに来ておけばよかったのにー」と言ってしまったのです


 Hさんのアンケート送信メールには、以下のような文章がありました。

 Subject: 文演第57期受講アンケート  

            Sent: Saturday, June 30, 2012 4:54 PM

松田さん スタッフの皆様

受講No.●●●●●のHです。
文演では大変お世話になり、ありがとうございました。

アンケートをお送りいたします。
最終回が大変印象的だったため、全面的に内容を改定することになりました。
人の文章を批判しておきながら自分では稚拙な文章しか書けず歯痒いですが、お読みいただけましたら幸いです。

メールの最後に、一言お礼を申し上げさせてください。
松田さん、手術後はじめての文演だったと存じます。私は、講座が終わるまで、松田さんのご体調のことをつい忘れてしまっていました。それほど文演での松田さんのご指導はパワフルで、圧倒されました。ご苦労は拝察するに余りあります。全力でご指導くださり、本当にありがとうございました。
スタッフの皆様、毎回私たちが文演を気持ちよく受講できるようご尽力くださったことに厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

これからも、速読ではよろしくお願いいたします。

 全面的に内容を改定する」前のアンケートには、「松田さんのブログを夢中になって読んでいるうちに」とありました。すべて掲載してよいと了解をもらったのですが、ここだけにします。

 Hさんとは、2012-01-30歴史を感じます」のHさんであり、2012-02-25まずは読みやすい本を沢山読んでいきたい」のHさんであります。

 Hさんの要約は、大学院で「先生から指摘を受けることはあまりな」い内容に見合った、問題のないものでした。

 それでも「衝撃的な最終回」などと書いているのは、よくできるひとたちに共通した貪欲さからです。

 こちらの至らなさなどに目を瞑り、吸収できることはすべて吸収せずにおくものか、という好奇心の質のよさからです

 

 
 お蔭さまで、第58期文演も18名満席となっています。

 7月中に定員になるとは予想していませんでした

 万全の態勢で9月29日(土)を迎えられるよう、これからも体調に留意します。

  1日でも長く仕事をしたいため、健康があらゆることに優先することになってしまいました  
 

   





           ※クリエイト速読スクールHP 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
傑作 (小川)
2012-07-31 01:00:55
松田さん、こんばんは。

力作ですね。
《私は、松田さんがいつも注意されていた、自分の文章は行間まで読んでほしいのに、他人の文章は読み飛ばしてしまう人そのものだったのだ。》というところ、読んでニヤニヤしてしまいました。

それではまた。
 
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