electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

スルーレート

2010-01-06 22:09:16 | 電子回路
オペアンプには「スルーレート」という応答速度を示す特性があります。スルーレートが大きいほど応答速度が速く高周波信号を処理することができます。理想オペアンプではゲイン=∞などといいますが、このスルーレートも∞が理想です。例をみてみましょう。

オペアンプをボルテージフォロワ(ゲイン:×1)とし、図のように直角に立ち上る電圧を入力した時、入力がそのままの形で出力されるのが理想応答です。しかし実際には応答速度は有限値であり、中段の図のような台形波となりスルーレートが大きいほど立ち上がりの角度が急峻になります。

スルーレートは1μsecあたりの立上がり電圧(V/μsec)で表します。右の図は左に比べてスルーレートが大きい例です。このような場合は1μsecあたりの換算値になります。概ね10V/μsecくらいでしょうか。左の方は4V/μsec程度ですね。

高速オペアンプの誉れ高いLF357のスルーレートは50V/μsec、汎用のLM741は0.7V/μsecとデータシートに記載されています。私がよく使うLM358はデータシートにスルーレートの記載がありませんでした。恐らくお話にならないくらい遅いのでしょうね。またLM358はマイクロパワーのオペアンプですからそんなことはハナから問題にしていないのでしょう。それでもボルテージフォロワなら1MHzくらいまでの信号は扱えるのです。

ちょっと冗長ですがスルーレートについては一般解説も載せておきます。以下はNECエレクトロニクスのホームページからです。

【スルーレートとは、大振幅のパルス波形入力に対する応答性を規定したもので、1μs当たりの出力電圧の変化量(単位:V/μs)で表示します。一般的にスルーレートはAv=1のボルテージ・フォロワ回路のパルス応答によって規定されています。図にμPC451のパルス応答特性を示します。

このスルーレート(応答性)が悪い場合、たとえばオペアンプに入力信号として10kHz以上の周波数の電圧を印加し、出力を数V以上の大振幅で動作させると出力波形が三角波のようになってしまう現象が発生します。さらに周波数を上げていくと急速に出力振幅が減少し、正常な特性が得られません。したがって、使用条件によって最適なオペアンプを選択することが大切です。】

NECのHPにしては説明が不適切ですね。日本語も下手くそです。ボルテージフォロワの動作で、たかだか10kHzのsin波入力が、三角波出力になってしまうような汎用オペアンプなんてあるのでしょうか。遅いLM358でも数100kHzくらいまではへっちゃらです。1mV(0-P)以下の入力信号で1000倍に増幅して出力するのならまだ話は分かりますが。

そうそう、さっきは無いと言いましたが、LM358のスルーレートがパルス応答特性として載っていましたので右隣に添えておきました。μPC451よりちょうど2倍速いですね。0.2V/μsecくらいでしょうか。因みに調べてみたところμPC451は+5V単電源使用のオペアンプでした。

関連記事:オペアンプとは何か? 2007-09-02
ジャンル:
科学
キーワード
スルーレート 高周波信号
コメント (0) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック
« 悪魔のトリル | トップ | 定電流 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL