某ギターメーカー社長室

ギターメーカー社長の色々な出来事

ギターとベースのバランス

2005-12-10 11:49:50 | 楽器
いやいや、さすがに師走と言う事でバタバタと忙しく、思うように更新が出来ませんな(汗)
毎日更新!と思ってはいるものの、どう頑張っても1日は24時間しかない!

さて、前回にエンドピンについてちょっと触れたので、今日はエンドピンの位置による"重心の変化"についてにしましょう!

オーダーメイド時に皆さんが気にする"ヘッド落ち"、スタンダードな物でも変形だと中にはヘッドが落ちる物もありますからね、左手で支えながら演奏するのって意外と大変。

そこで、皆様が良く口になさる解消法として"重い材料でボディー製作"があります。
確かに、ヘッドが落ちると言う事はボディーの方を重くする事によりバランスが変わり、解消されそうなものですが実は間違いです。
一部極端な場合を除いてではありますが、殆どが無駄です。

一番大切なのは重量ではなくエンドピンの位置となります。
楽器製作において常識的な範囲内での重いボディー材を使用した場合、エンドピンの位置が悪いと殆ど解消されるケースはございません。

ギターやベースと言うのはある程度形が決まっております。
そこで同じ材料で重い物と軽い物を使い分けたとしても、楽器の形になってしまいますと物凄く個体差の大きいパターンでも1kg変わる事は殆ど無いのです。

以前"重量の盲点"でも書きましたが、同じ重さでも小さいと重く感じる!という事で、ギターやベースのボディーサイズですと数百グラムの違いでもかなりの重量差に感じるのですが、実際に計ってみると思いのほか"差"は小さいのです。

その"ちょっとした差"がボディーエンド部分に集中するのであれば"重い材料を選択する"という事は非常に効果的ですが、ボディー全体で満遍なく重くなるのですからエンドピンの位置が変わらなければ、バランスの変化は極僅かになってしまうんですね。

上記内容はあくまでも同じ材料で同じボディー形状でという前提ですけどね。
目安は上側のエンドピンを手で持ちギターないしはベースを持ち上げます。
その時ギターやベースのネック部分が体に対してどの位の傾きか?

傾きが水平に近ければちかいほど上下のエンドピンの間隔を狭く、垂直になればなるほど広くしなければなりません。
エンドピンの位置決めって意外と難しいんですよ(笑)出来上がってからじゃないと判らないですしね・・・・、もっとも極端な変形で無い限りは大体決まっているのですけどね。

ギターとベースのネジ穴

2005-12-05 23:57:27 | 楽器
おおっ!なんか配線材って皆さん結構気にしているし拘りもあるようですな♪
私はえるみたぁじゅさん派でしょうかね、私"醤油"が好きなんですよ、基本的に味付けは醤油味があればOK!醤油の味自体が大好きなんですね、でも掛け過ぎは美味しくないですからね~、良い具合ってのがある訳です。

楽器の音も同じような物でしょう♪

さてさて、今日は何書こうかな~なんて考えた結果!"ねじ山が潰れてしまった場合どうするか!"にします♪
最近の楽器で良くあるのが"エンドピンが緩んでくる"とか"ピックガードや裏蓋のネジがくるくる回ってしまう!"と言った事です。

これは以前書いたと思いますが"ネジの締め方の手順"を守っていればかなり防止可能ではありますが、最近の比較的安価なギターやベースはボディーが柔らかい材料で作られているケースが多い為に非常に陥り易いトラブルです。

柔らかい材料の代表!例えば、バスウッドや集積材などですね。
特に集積材は"紙?"と思わず疑いたくなる位サクサク削れてしまいます!

ですから例え一回でも手順を守らずにネジを締めてしまいますと、一撃でボディー側のネジ山が潰れ、ネジをいくら回してもキッチリと締められないようになってしまいますので注意が必要です。

では、そうなってしまった場合どうするか?
見た目で明らかにネジ穴がネジの径より太いであろうと思われる場合は埋めなおして再び穴を開けなおさねばなりません。

これは重症なケースですが、ある程度技術が必要なのでリペアに出した方が無難でしょう、ただリクエストがありましたら後日説明いたします。
今日のところは"ネジは締っていくがいつまでも回っている"とか"一応留まっているが緩んでくる"とか"軽症時"の直し方です。

良く見かけるのが"爪楊枝を差し込んで・・・"ですがこれはNGです。
残念ながら全く役に立ちません。

一番有効な方法!それはアロンアルファをはじめとする瞬間接着剤の活用です。
瞬間接着剤でネジを留めてしまうのではありませんからね、くれぐれも勘違いしないよう、最後まで読んで下さい。

どのように使うか?
穴を"少し狭くする"のです。

緩んでいるネジ穴部分にアロンを着けます。
この時、緩んでいるネジ穴の内壁にアロンを浸み込ますようにちょっとだけ着けます、"穴を埋める"のではないので間違えないで下さいね♪

で、ちょっと浸み込ませて乾燥させ、乾燥したらまたまた浸み込ませます。
くどいようですが"内壁に浸み込ませる"感じですからね!
これを数回繰り返す事によりネジ穴がアロン分小さくなります。
そしてネジを締めればしっかりと固定されます!

焦って乾かす時間が短いと失敗しますので気を付けて下さい、またポリ塗装やウレタン塗装でしたらアセトンで拭いてしまえば失敗しても簡単に直せますが、ラッカー塗装の場合、アセトンで拭けませんのでペーパーで磨いた後、最終的にバフで仕上げる必要が出てまいりますので、ラッカー塗装の場合は着け過ぎて周りにはみ出さない様に特に注意が必要です!

エンドピンのように重量が掛かる部分でも耐久性は抜群ですから安心して下さい!

配線材の違い

2005-12-03 21:44:33 | 楽器
これも良く頂くご質問ですな、配線材で良い物を使用するとどうなりますか?です。
これは非常に難しい問題なんですよね、良い配線材は何が違うのか?要は導電率が違ってくると言う事ですよね。
電気的な部分でどれだけロスを無くすか?と言う事では確かにメリットが御座いますね。

ただし!ロスが無い方が音が良いのか?と言う事になると話が変わってくると思うんですよ。
もちろんロスの出る周波数?何ですかね・・・・なんと言うのでしょう?が配線材によって異なるようですからローが良く出るとかハイが良く出るとか色々と有るようですが、基本的に何の音が基準になっているのかが大事なのではないでしょうか?

いくらハイが出てもロス無く出過ぎてしまうとうるさかったりとかね。
ちなみにハイが良く出るのと"抜けが良い"と言うのは=では有りませんのでお間違えのなきよう。

ハイが良く出るは音色で抜けが良いは音質の方なので、抜けを良くするには本体をセットアップしないと駄目ですよ♪

肉だけではなく骨までも?

2005-12-02 23:41:38 | 楽器
狂牛病にてアメリカ産牛肉が輸入禁止となって久しいですが、もしかして牛骨も以前はアメリカ産だったのでしょうか?
と、言うのも最近の牛骨ナット用材が使えない物が多いのです(汗)

ここ数年、牛も骨粗鬆症ではないかと思う位"す(漢字がわからない・・・・汗)"の入った物が多く非常に使い辛かったのです。
しかし、800とか1000とかの仕上げをする前に"す"を埋めてしまい、その後に仕上げの磨きを掛ければ美しく仕上がっていたのですが、ここ最近の物は"す"どころか"割れ"が入っている物が妙に多いんですよ(汗)

しかも、整形する前は見えないのですが、ある程度形を作った時点で中から出てくるんですな、非常に厄介です。
さすがに"割れ"となると修正して使用する事は無理なので"破棄"となります。
悔しいから出汁でもとってやろうかと思う位ですよ。

一昨日なんて6個連続ですからね、全部駄目なんじゃあないかと思う位です。
実は狂牛病被害は牛丼屋さんだけではないんですね~。
どこ産の牛骨なんでしょうかね?案外今の牛骨は和牛だったりして(笑)

ギター用の新しい回路

2005-12-02 16:09:20 | 楽器
ギター用にオリジナルの回路を検討し、ここのところ色々と試していたのですがついにサンプルが致しました!
パッシブ回路で基本的にはプリセットの音色を使用致しますが、これからもう少し改良して製品化となる予定です。

ギター用の回路は選択肢が少なく有ってもブースターがいいところ。
しかもF社やE社の物を使うのが定番だったので色々と考えておりました!

どんな回路かはまだ内緒ですが近々新製品としてお目見えすると思いますのでお楽しみに♪

ギターの重量の盲点

2005-12-01 21:45:47 | 楽器
最近多いご依頼で"軽い物"が欲しい!と良く言われます。
もちろん軽い材料でお作りすれば同じギターやベースであれば重量は軽くなりますよね。

中には軽い材料を使用した上にさらに軽量化を図り、ボディーを一回り小さくしたりと色々と努力をなさる方も多いです。
当然軽い材料で小さく作れば完成重量は軽くなります、が、ここが非常に大きな落とし穴なんです(笑)

軽い物を製作する場合、軽い材料を使用すれば軽くなります。
が、軽い材料を使用する部分はどこでしょう?そうです、ボディーとなります。

では、ネックはどうか?
これは軽い物を使ってしまいますと強度的に問題がありますし、ボディー等に使われる材料と比べハードメイプルは極端に重量の個体差が無いのです。

ですから、仮に畳一枚分のボディーサイズのギターやベースとA4サイズボディー(ありえないですが)のギターやベースのネックの重量って基本的に同じになります。

ア~ンド、ハードウェア・・・・。
これもゼマイティスの如く"アルミ製"の物でも使用しない限り"一般的に流通"しているパーツを使用した場合、軽量化は不可能となります。

要するに軽くするにはボディーの重量を軽くする以外方法が無いのですな。
で、軽量化を図る際にネックやハードウェアは通常のギターと同じボディーのみ軽い材料でしかも小振りにすると何が落とし穴なのか?

基本的に人間が持ち上げられないような重量の物は置いておいて、ギターやベースは軽いと言っても3kg程度~重い物でも5kg位。
仮に畳一枚の重量が4kg、パチンコ玉一つの重さが同じ4kgだとしたら?さてさて、重く感じるのはどっちでしょうか?

全体的に軽量化が可能であればトータルでかなりの軽量化になりますが、極端に小さくする以外は所詮ボディーを一回り小さくしたところで他の部分が同じなので大した軽量化にはならないのです。

まして元々軽い材料を使用しているならボディー一回り分減らした材料の重さなんて高が知れてます。
軽い材料になればなるほど同じ体積を削っても軽量化の重量は少しになるのです。

で、ネックやハードウェアは通常のギターで重量全体の約半分を締めております。
その部分の重量はそのままなのである程度の重さになってしまうんですね。
重量が大して変わらないのにサイズは小振り!実際の重量は軽くはなりますが、持った感じはかえって重く感じてしまう結果となります(汗)

普通は軽い材料をさらに小さくするのですから"劇的に軽く感じる!"と思って必要以上の期待を持ちますから大ショックでしょう(笑)
軽い材料を使用する場合は普通サイズで作るのが軽く感じます、それどころか劇的に大きく作った方が軽く感じてしまいかねませんよ!

軽い楽器が欲しいなら軽い材料でもの凄くデカイ楽器を作るべし!
デカクなればなるほど軽いギターやベースになる!新しい理論ですな(笑)

気持は解りますが"持って軽く感じる物"と"計って軽い物"皆さんはどちらを選びます?(笑)

ギターのモディファイ

2005-11-30 23:07:29 | 楽器
某有名楽器店様よりご依頼頂いていた有名メーカーギターのモディファイが本日完了!ナカナカの出来栄えに自我自賛♪かなり良くなりましたね。
ちなみに内容はリフィニッシュ・すり合わせ・ナット交換・ネックポケット調整並びに整形・カラハムブロック取り付けとフルコース!!!見かけたら絶対に買いですよ、普通これだけ施したらかなりの値段になっちゃいますからね。

さて、このモディファイと呼ばれる"トータル的な改造"ですが、現在お使いのギターやベースの"品質向上"には一番有効な手段となります。
ギターやベースを良い音がするように改造する!となると殆どの方々が"ハードウェア"の交換をお考えになるようですが、実際の効果としては"楽器本体の再セットアップ"の方が遥かに効果的となります。

楽器と言う物は"トータル的な出来の良さ"が非常に重要でして、ここをこうしたから音が良くなる!と言う様な事は期待でき無いのが現実です。
もちろん、悪くなる事は無いのですが"複数在る良くなる要素"をどれだけクリアするかにより比例して音が良くなるように思います。

塗装を変えたから良くなるか?もちろん悪くはなりませんが、他の部分がキチンと出来ていないと"お金を掛けた分"の効果は期待しない方が良いですね。

とは言え予算もありますので、一度に全てではなく少しずつ改造する前提で最も効果的な順番を考えましょう。
モディファイをするのであればまずは"ポケット調整"と"すり合わせ"でしょう。

但し、演奏をすればフレットは減ってきますので、はじめの改造と最後の改造のタイムラグが大きいと最終的な改造よりも先に再びすり合わせが必要になりますのでご注意を(笑)

次にやるとしたらリフィニッシュでしょう。
もちろん元々ある程度薄い塗装であればこの改造は必要ありません、あくまでもポリエステル塗装をはじめとする"厚い塗装"の場合となります。

弊社で言う"極薄塗装"程薄くなくとも一定以上の効果はありますのでリフィニッシュは無視しても問題無いでしょう。

以上を施してからピックアップをはじめとする"ハードウェア"の交換を行いますと非常に効果的に改造が可能です。
上記内容をやっておけばハードウェアが純正であっても良い音になってしまいます!

数万円掛けてハードウェアを交換するよりも同額程度で可能な最も効果的な改造をした方が間違い無く良い楽器となるでしょう。

凄い弦の巻き方

2005-11-27 18:00:28 | 楽器
昨日修理をやっていて初めてお目に掛かった弦の巻き方(汗)
ちょっと新しかったですよ♪名付けて"ロック式風"です。

修理過程でどうしてもブリッジを取り外す必要がありまして、見積もり段階なので弦を切らずに緩めていったんです。
ブリッジの方を見ながらペグを回していると、ある程度緩まった時点で今度は逆に弦が再び張られていくんです?????

"あれ?"なんて思ってペグを見てみると6弦がペグに縛ってありました(汗)
しかも硬結びで(汗)
他のペグも全て確認したのですが全部のペグに縛り付ける"ロック式風"となっておりました。

普通に巻くよりも明らかに手間でしょうに・・・巻き弦なんて得に大変だったのではないかと想像されます。
ペグの巻き方は非常に大切です、テンションやチューニングの安定に直接影響が出てしまう部分ですから出来るだけキチンと正しい方法で行って下さい!

ネジの錆び

2005-11-26 18:21:39 | 楽器
修理品で非常に多いのがネジの錆びているギターやベースです。
例えばペグ用やロッドカバー用、エスカッション用にピックガード用とギターやベースには実に多くの木ネジが使用されています。

木ネジが錆びているだけでは当然音には影響が出ません、が、修理をする際に木ネジが錆びていると言う事で修理代金が一気に跳ね上がる事があるんです。
と、申しますのも修理をする際に色々なネジを取り外さなければなりません。

ところがネジが錆びておりますと、表に見えている部分(ネジの頭)のみではなくボディーやネックの中に打ち込まれている部分も錆びているケースが少なくありません!

ネジの頭だけが錆びていてもドライバーで回した時に頭がなめてしまう危険性が高いのですが中まで錆が進行していると、錆が付いた分ネジが錆びの分太くなり、しかも錆びの表面はザラザラなので気の部分に食い込んでストッパーもごとく作用しネジが回らなくなってしまうのです。

とれを取り外そうとすると相手は木ネジですから強引に回すしかないのですが、ここで錆びによりもろくなったネジですと頭がなめたり、頭が折れたり、ネジの途中で折れてしまったりと大きなトラブルに繋がります。

木の内部でネジが折れてしまった場合、そのままの状態ですと当然新しいネジを打つ事は不可能なので取り出す事となります。
この場合、折れたネジがラジオペンチ等でつかめる程度までネジの周りのボディーを削り、ネジを取り外した後に広げた穴よりも大きい穴をドリルにて開けなおし、そこにダボを打ち込んで改めてネジ穴開け直しが必要となっております。

修理の際、当然その分の手間賃が掛かってまいりますで値段が高くなってしまうのと、大事な楽器に余計な大穴を開ける事となりますので気をつけましょう。
ネジ関係はパーツで普通に売っておりますし、数百円程度なので"錆びたな"と思った時は交換しておいた方が確実にお得ですよ。

ネック折れますよ

2005-11-25 13:43:15 | 楽器
メイプルネックのネック折れ?当然あります。
ただし、マホガニーと比べれば圧倒的に木が硬いので絶対数は少ないですね。

どんなギターが多いのか?"FRTの付いている古いギター"が圧倒的に多いですね。
最近の物はロックナットを上側(弦を乗せる側)からネジ留めしているので問題無いのですが、昔は2種類ありましてネックの下側にボルトを通す穴を開け、下側からロックナットを固定する方法をとっている物が多いのです。

弊社でも古いギターはその方法で製作しておりました。
現に私のギターがそうなっております(汗)

ネックに穴が開いておりますので当然強度的には弱く、倒すとメイプルと言えども折れる事になります。
ギブソン系のように"バックリ"と折れる事は少ないですが"穴同士が繋がる感じ"に亀裂が入る事が多いですね。

もちろんフェンダー系の物でもネック折れ修理をした事はありますし、どんなネックでも耐久度以上の負荷が掛かってしまうと折れてしまいますから気をつけましょうね♪

ちなみにスカーフジョイントの部分は折れたのを見た事がないですね、指板との接着面積が広いのでよほどの事が無い限り折れる事は無いでしょう。
接着が甘くて"スッポリと抜け落ちた"と言うのは見ましたが(笑)

ネックが折れたらどうするか?

2005-11-24 23:37:21 | 楽器
ギブソン系に多いネック折れ修理、これがかなり綺麗に治せるんです、強度も十分確保できますしね。
但し、折れたらそのままの状態で修理に出してもらえればと言う条件付です(笑)

倒してネックを折ってしまった!とりあえず自分で接着してみよう!何て考える方が意外に多く折れた部分に接着剤をたっぷりつけてチャレンジ。
ところが上手く着かなくて修理を出す事にした・・・。

この場合修理不能になります(汗)
はじめから修理に出して頂ければかなり豪快な折れ方をしても塗装さえしてしまえば"パッと見判らない"程度には修理可能ですが、接着剤を折れ口に塗ってしまった時点で修理が不可能となってしまうのです。

と、申しますのも一度失敗してしまうと折れ口に接着剤が残ってしまいます。
これを除去しませんとキチンと接着が出来ないんです。

"じゃあ除去すれば良いのでは?"と思われるかもしれませんが、折れた部分は木の目に合わせて"ギザギザ"になっていて、そのギザギザの中に接着剤が入ってしまうと除去しきれないんです。

少しくらいであれば"目打ち"等を使用し穿り出して何とかするのですが"しっかり接着する"と言う前提で皆さん接着剤を塗りますので"タップリ"塗りこんであるケースが殆どです。

中には"タッピングビス"で固定してある豪快な方もいらっしゃいました(笑)
ネックは楽器で一番大切な所ですので"生療法"は絶対にやめましょう!
結果的に"もったいない"事になってしまいますよ。

ピックアップの音の違い

2005-11-23 20:26:48 | 楽器
お~、やっと新しいHPをアップしました♪
数年前より皆様にご意見を頂きましてその度に"今作っている"と言いながら早4年?5年?すげー長かった(汗)

一応その時々で本当に製作していたのですが、何せやる事多くて中途で挫折!!!
何回作り直した事やら・・・・(汗)

まだ一部のコンテンツや詳細、写真とか途中の部分もありますが一応形なったのでとりあえずアップしました♪
製作中の部分は随時アップしますので見に来て下さいね~♪

さてさて、コメントの回答です!
ピックアップによる音の違いはどこから来るのか?

これは奥深い!ディープですぞ。

まず、ポールピースのサイズやネジの切り方でも変わるようです。
例えばインチとかミリとかのピッチの違いですね。

それとコイルのターン数、並びにコイルの種類。
これはコイルのエナメル層の厚みの違いによって同じターン数巻いても体積が変わってきますしね、電導率とかも違うのでしょうから当然変わりますよね。

それに手巻きなどでは締め具合によってもターン数が同じでも全然変わってきますしね。
でもハンドワイヤリングやっている姿を見るとそこまで考えてやっていないのでは?と思ってしまうような雰囲気が漂ってますけど(笑)

後は磁石ですよね。
これも同じ磁石でもオリエントとノンオリエントとありまして、型番が同じでもハイの出方が違うんです。

巻いている人はこの辺りの組み合わせを考えて製作しているのです。
職人ですね~。

ギターの材料の組合せみたいなものでしょう。

テンションについてはヘッド角度で一律にテンションをかけるのも一つの方法ですが、厳密に言えば1弦1弦テンションを変えるのが一番でしょうね。
後藤のHAP等はそういう発想から作った物ですからね。

1・2弦にテンションガイドが付いているのは、ペグのポストが遠い為にナットに対する角度が浅くなるからでしょう。

1・2弦は細いのでどうしてもテンションが弱いですからね、バランス的にはガイドをつけて丁度良いと思いますよ♪


テンションによる音の違い

2005-11-22 22:11:56 | 楽器
あ゛~昨日は体調が悪く更新出来ませんでした(汗)
今も朝からNEWホームページ製作をしており、かなり疲れてきたのでちょっと一息ブログ更新です。

さてさて、コメントで"テンションがキツイと音がハッキリ出る~"と言うものを頂きましたのでテンションによる音の違いでも話しましょう。
テンションが強いと"音がハッキリする"のか?大当たりです(笑)

そもそも弦のチューニング、例えば440HZと言うのは1秒間に440回振幅すると言う事ですから、とりあえずどんな条件でも同一弦であれば440回振幅すれば同じ音程と言う事ですよね?

では、音程が変わらず音が変わるという事はどう言う事か?
振幅回数が同一で、それ以外の部分が変化すると言う事ですね?

では、テンション(弦を引っ張る力)が強くなって変化する事が考えられるのは唯一つ!振幅の幅となります。

テンションがきつくなってチューニングが変わらないのか?と言うご意見も有るでしょうが、弦長や弦の伸び率の変化によってテンションが強くなっても音程は変わらないのですよ、話すと物凄い長い話なので割愛しますが・・・。

で、紐を強く引っ張ると振幅の幅が小さくなりますよね、それと同じで弦も振幅の幅が狭くなるのです。
するとピックアップのポジションによる音色の変化と同じ理屈です。
幅が広いとマイルドに、ブリッジ寄りの振幅幅が狭い所は締まった音になるのです。

ですから"テンションがキツイとハッキリした音に~"と言うコメントは正解です(笑)
ちなみに、弦の支点となっているサドルやナットへの密着が強くなりますから生鳴りも良くなり、ボディーやネックの材料の持つ"音の特性"がハッキリと出音に反映されるので、太くて厚みのある音になりますよ♪

ちなみに前回の内容でテンションガイドについて考えましたが、テンションガイドを下げる事により、弦長が長くなる為にテンションが強くなります。
ナット部分に対する弦の角度も深くなりますから一石二鳥ですね。

デメリットは密着が高い分チューニングが狂い易くなるのですけどね(汗)

テンションガイド

2005-11-20 14:11:26 | 楽器
昨日は納品&打ち合わせが長引いてしまって更新できなかったな(汗)
打ち合わせ終わったのが朝の4時(爆)もちろん飲み屋での打ち合わせではないですよ(笑)アーティスト関係は我々一般人とは生活のサイクルが違いますからね・・・我々の仕事は朝早いですから結構きついです(笑)

さてさて、テンションガイドの形についてです。
正直丸ガイドとカモメガイドについてはあまり考えたこと無かったですね(笑)
例えば某F社の最近のモデルについている物や昔ブレード等で使用していた物などは弦との摩擦を減らすように考えてありますけどね、カモメや丸はまさに名前の通り"テンションをかける目的"のもとにかんがえられた物のよな気がしますが・・・。

同じカモメでも後藤製の物などは弦を掛ける部分に角度が付いていたりしておりますので"摩擦軽減によるチューニングの安定"を考慮し改良を加えてありますが本家のものは単純に"平面"で弦を押さえているだけです。

我々が使用する理由と言うのは単に"こういう物"的な感覚で深く考えずにギターの"製作された年代"に合わせて使っているだけと言うのが正直なところです。

あくまでも推察ではありますが製造するに当たってのF社の都合で丸からカモメになったのではないでしょうかね?

50年代の物は"丸ガイド"を使用していますよね?
あの感じだと少ロッドで生産できる"掘削"で製造されているのだと思うのですよ。
それが生産本数が増えるにつれローコストで製作可能なカモメ型の"プレス製造"に変わったのだと思うのですがどうでしょうね~。

サドルも50年代の前半のTLなどには"掘削"によって作られたブラスサドル等が使用されていますよね。
でもST等50年代中盤の物はサドルがプレス製の物になっております。

たぶんはじめは外注を使っていたのだと思うのですが・・・・テンションガイドはギターやベース1本につき1つですよね、サドルは6つ使いますから少ロッドでは製作不可能なプレス製を54年STなどで使用し始めたのではないでしょうかね。

現在では自社工場内で金属のプレス加工も行っておりますので、生産本数が増えるた事により安価で製作可能なカモメに変えたのではないでしょうか?
想像ですけど(笑)

コーティング弦のメリット&デメリット

2005-11-18 19:11:11 | 楽器
コーティング弦が確かに流行っていますね~、私個人の好みから言えば余り好きではありませんな。(あくまでも私の主観ですからね)
どうも音に艶がなくてね~、コンプレッサーをかけた様な音がして好きではありませんね。

コーティング弦と言えば面白い話がありますよ(笑)

コーティング弦のメリットは"錆びなくて長持ちする"と言う事ですよね?
これは弦の表面をコーティング剤(何だか知りませんが)で覆っているからですが、この事が思わぬトラブルになる事があるんです!

それは"ノイズ"です。
表面をコーティングしてある為に弦アースが落ちていない時があるんですよね。
予想ですが普段はサドル部分のコーティングが剥げたり、汗が付いたりしてなんとなく弦アースが落ちているようですが、全く落ちていないケースもたまにあるんですな。

その状態で使用しているうちに使用部分のコーティングが剥げてくると、コーティングの剥げた部分のみ弦アースが落ちる事になります。
すると演奏中、弦アースが落ちる部分に触れた時にのみ突然アースが落ちますので"パチッパチッ"とノイズが入ってしまうのです。

本来"長持ち"と言う事が最大のメリットなのですがこうなると弦が錆びているとかそう言った問題ではなくなってきちゃいますよね(笑)
弦自体は死んでいなくとも要交換になってしまいます。

"出音・価格・持ち"等トータルで考えますと一般的なそこそこの弦を"マメに張り替える"がお得な気が致しますが、皆さんはどう思いますか?