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香害という公害とその背景にある「商戦」

2018-06-27 00:26:28 | 時事ネタ

こんばんは!
少し前の晩、お料理していた時に切った大根を新聞紙にくるもうとして、新聞紙をパッと引き出したら、そこに紙面一面の「シャボン玉石鹸社」の広告記事がありました。
「日本に新しい公害があります―その名は『香害』」とありました。


これと関連して、私の身の回りで起こっていたことについて書き、なぜ問題かを考えていこうと思います。

🌿香害の背景にある「モットモット商戦」🌿

私はハーブショップに勤めていますが、ある時、クリスマス商戦という繁忙期だったので、毎日アロマオイルを店の芳香機のデモ機で、いつも以上に焚いていたことがありました。
その焚いていたオイルは、ある柑橘系のオイルが入っていて、短時間やある一定の時間楽しむには、とてもいいブレンドオイルだったのですが、ショップに立っている私は、仕事を終えると、アロマの香りで癒されるどころか、香り疲れで、鼻と脳が疲れていました。
そのため、休日はアロマを楽しむどころか、家では一切やらなくなっていました。

店では「遠くまで今売れ筋の香りを香らせて、この階に来たら、この店だというようにわかるように」と言われていました。私は、実際に香りにヘトヘトになっていましたし、他の同じ階にある店にとって、迷惑じゃないか、と思っていました。
そこまでしてでも、「他店よりも売り上げを!」として、スタッフ全員が「競争に勝つこと」や、「会社の利益を上げること、自分の店が会社にいい評価をもらうこと」に意識が集中しているのです。

ちょうどその時期に、あるお客様が来店し、「香りの害があるって知っていますか?」と聞かれたことがあります。とても敏感な方で、少しでも香料がきついものをつけたりすれば、反応してしまうとのことでした。その方とのお話で出てきたのは「最近の某有名メーカーたちがそろって出す柔軟剤とか洗剤とかは、香りがきつく、臭い」ということでした。実際、それらの洗剤や柔軟剤を使った洗濯物を着ていることによって、周囲に敏感になってしまう人たちが増えているそうで、また、そのために頭痛やめまいを起こしたり、吐き気を起こして体調不良になる人たちも多いようです。

これらの「香害」の背景には、「商戦」があるように思いました。
どのメーカーも、倫理・道徳的な感性を無視してでもエスカレートしてモノづくりをしているところがあるように思います。開発側も経営陣もそれだけ「麻痺」しているのです。
「売れるためには、人の五感を支配する」ということは、当たり前のマーケティング方法のようです。でも、決して「支配」とは言いません。「五感にアピールする」と言います。

こんな意図で作られたり、売られたものを平気で買って、「いいものだ」と思い込んで使用している消費者たちにも問題があります。同様に感覚がマヒしていることに気付いていないのです。強い香りを好む時は、それだけ「感覚がマヒしている」ということです。これでは、何がいいのか、悪いのか、嗅覚からくる判断も育たなくなります。

『心身の神癒』という真理の本では、イエスは「五感はサタン」と言い切っています。
つまり、五感を「商戦」で支配しようとする企業の姿勢は、表向きは「豊かな綺麗な、素敵な香る生活」のイメージですが、単に、私たちから「奪おう」としているだけなのだな、と気づきました。

でも、その「奪うことで企業が得られるものは、なんでしょうか?」
会社の利益、株価、名誉・・・。
でも、それらは、有限です。時が経てば、いらなくなるものです。
しかしながら、そちらを優先すれば、今問題になっている、副作用の方が、クローズアップされます。環境破壊、利害をめぐる他者との争い、競争意識の白熱化です。
企業は、物を通して、それらを「売っている」ということに気付いていないのです。
そう考えたら・・・消費者の立場からみたら「その商品、欲しいの?」と自問自答してしまいませんか?

このように「香害」だけではなく、ちまたには過激な刺激があふれています。他には「音の害」もあります。ショッピングセンターなどには、ふさわしくない音量でふさわしくないうるさい音楽・・・「購買意欲(消費者の不足感)を掻き立てるような音楽」も流されています。また、ゲーム音楽が流行ることで、電子的な音に慣れてしまうと、アナログの醸し出すいい音が「なんだかモヤモヤしている」というようになります。
行き過ぎたデザイン性や過剰な色使いも消費者の不足感(購買意欲)を掻き立てています。
また、コンビニの広がりにより、濃い味付けや規格化された味付けに慣れてしまっていることもあります。
過剰な宣伝やアピールに込められている「購買意欲を掻き立てる」デザインや香り、音・・・それらに慣れ親しんでしまうと、お互いの不足感が増幅され、ニセモノの世界(奪われる側と奪う側のドラマ)に取り込まれて行くのです。

上述の事柄は、「本質(宇宙、神)からくる美」にかなったものではありません
過剰な宣伝やアピールに込められている「購買意欲を掻き立てる」デザイン、配色、香り、音・・・それらに慣れ親しんでしまうと、私たちの本質が(本当に)いいと感じていることが分からなくなります
こうして、お互いの不足感が増幅される形で動いており、お互いがニセモノの世界(奪われる側と奪う側)に取り込まれて行くのです。
話題に上がっている「香りが強い」洗剤や柔軟剤について言えば、それらは水に流されても「合成」のため、分解が遅いため水が浄化されるのに時間がかかります。
そうやって、環境に負担をかけ、そして、自分たちに返ってくる・・・例えば税金や自分たちの健康や正常な感覚、他者への配慮を失ってまでやることは、本当は目先の利益を追いかけているだけにすぎず、むしろリスクの方が大きい、ということを、今一度売る側も買う側も思い出してほしいものだと思いました。それは、ニセモノの世界・・・ニセモノの豊かさが回る世界です。

例えば、日本人にはもともと繊細な感覚が他の民族よりも備わっているともいわれていましたが、それが経済効率を上げる動きに伴って、失われてきています。
この「香害」の問題をきっかけに、私たちの本来の感覚(本質から感じること)を取り戻すことはとても大切なことだと思いました。
モットモットを止めて、私たちの本来の正常な感覚を取り戻すことはとても大切なことです。
地球環境と共にあること、香りに敏感な人たちや自分たちの嗅覚を守る行動をとること、自然からくる香りを守ることは、安らぎや穏やかな幸せ、真の豊かさに導かれます。
人によっては、エゴが抵抗することもあると思いますが、少しずつでも気づいたら抜けていく人たちが増えてくることを祈っています。

この新聞記事は、私たちに目覚めの警笛を鳴らしてくれたと思います。

参考になれば、幸いに思います。


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