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聖教新聞 (2017/ 4/28) 〈文化〉 スマホ時代のニュース

2017年05月24日 21時08分26秒 | コラム・ルポ

〈文化〉 スマホ時代のニュース

2017年4月28日

プラットフォームは面白い半面、誤情報も
藤代裕之
 
  
 
 
発信方法が変わった

 中高生をはじめ、大学生などスマホに慣れ親しんだ若い世代の大多数が、スマホで日々のニュースを見ています。
 ニュースを見るには、ニュースアプリやニュースサイト、SNSから、おすすめの記事を読むことになります。ただ、同じようなニュースアプリであっても、表示されるニュースは異なります。
 大きな違いは「メディア」か「プラットフォーム」か。
 メディアは取材から発信まで、自社で行っているもの。従来の新聞やテレビ・ラジオを思い浮かべると分かりやすいでしょう。
 それに対して、プラットフォームは、ネットに流れている、さまざまなニュースを集めてきて掲示したもの。既存メディアのニュース記事をはじめ、SNSで話題になっていることや、人気ブロガーの発言・解説なども入っています。
 これまではメディアがニュースを取材・作成・発信していました。しかし、ネットのニュースをまとめ、分かりやすく掲示するプラットフォームが増えています。
 ただ、プラットフォームは「ニュースを載せているだけ」という建て前から、その内容に対するチェックはありません。つまりニュースの真偽を問わないわけです。
 例えるなら、プラットフォームの閲覧は、フリーマーケットで買い物をする感じでしょうか。さまざまな商品がありますが、その価値は未知数。誰も保証してくれないため、本物かどうか見極める目が必要なわけです。
 一方、メディアは百貨店といったところ。質は保証されているかわりに、それなりの値段がします。

強い思い込みの理由

 近年、多くの学生から、既存のメディアは信用できないという声を聞きます。メディア社会学科に入学してくるぐらいですから、メディアに対して意識の高い学生なのですが……。新聞にはうそしか書いていないと、本気で思い込んでいる学生も一部にいます。
 彼らはスマホ世代。幼い頃からスマホに慣れ親しんで、あらゆる情報をスマホから得ています。
 普通の感覚であれば、突飛なことに対しては、本当かなと疑ってみるもの。でも、同じ内容が次々とニュースに表示されたらどうでしょうか。しかも、友人からも同じ話を聞いたとしたら……。もしかしたら、と思ってしまうでしょう。
 検索エンジンやニュースアプリには、その人が興味を持っている内容を上位に表示させるアルゴリズムが使われています。いち早く興味のある内容を表示できるため、非常に便利な機能なのですが、これが情報の偏りにつながっています。
 フィルターバブルと呼ばれ、アルゴリズムによって、特定の情報の泡の中に閉じ込められたようになってしまうのです。
 しかも、SNSなどで「いいね」のやりとりをするような友達にもアルゴリズムが同様に働くため、同じフィルターバブルに取り込まれることになります。

正邪を見極めるため

 現状では、ニュースメディアにはいろいろな種類があり、その確からしさ、責任はあいまいなまま。しかも、プラットフォームとメディアが混在しているケースもあって、より混乱を招いています。
 何が正しく、何が間違っているのか、読者が正しく認識するためには、そのニュースの発信者や情報の中身を明確にする必要があります。
 それらは今後、ニュースを発信する側に求められるようになるでしょう。
 一方、読者の側が情報を見極めるためには、自分とは違う意見に耳を傾けることです。これがフィルターバブルから抜け出すことにもつながります。
 スマホの普及によって、ニュースが個人で見るものに変わってきました。たとえ同じニュースサイトを見ていたとしても、同じニュースを見ているとは限りません。
 アルゴリズムは、個人の興味を強化する方向に働くもの。特に、お子さんのいる家庭では、注意が必要です。何を見ているのか、どんなニュースが話題になっているのか、たまには親子で話をしてみてください。=談
 (法政大学准教授)

 

 ふじしろ・ひろゆき 1973年、徳島県生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科准教授。日本ジャーナリスト教育センター代表運営委員。専門は、ジャーナリズム論、ソーシャルメディア論。著書に『ネットメディア覇権戦争』『ソーシャルメディア論』などがある。


他人のことは言えないけど、何を信じて、何を情報源にするのが一番なのか…。

やっぱり新聞? NHK? 

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