なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

エンセファリトゾーン症

2024年05月03日 | 仕事
がウサギにとって最凶じゃないか、と思う点は
  1. 小さくて目視できない。抗体の有無でチェックする方法もあるが、不確実。
  2. 体内のあらゆる場所に寄生する可能性がある。
  3. 尿を介して伝搬するらしい(従って、同居ウサギに簡単に広まってしまう可能性が高い)。
  4. 寄生していても、症状が発現するとは限らない。
  5. 発症する時期・年齢・部位・性別全てに脈絡なし。
  6. 寄生虫に一応効果があるらしい駆虫薬はあるが、長期連用が必要。
  7. 寄生虫を駆除したとしても、発症した症状の改善に繋がらないことがままある。
  8. 死亡率が高い。神経症状が出た場合は危ない。病態としては「脳炎」だから。
  9. どうやらかなり蔓延している事は間違いなさそう。生涯発症せず不顕性寄生で過ごす例を考えると、下手をすると9割くらいは罹っているのではないか?  
 あと、この件について極めて重要なのは、エンセファリトゾーンという寄生虫は哺乳類全てに寄生する可能性がある、という事。人とて例外ではない。こういう寄生虫がたかってるかもしれない動物をガッコなんかで飼育してよいのか?

 当院で診ていて多分確実と考えているのは、ウサギの次に危ないのはハリネズミで、ハリネズミのふらつき症候群と呼ばれている疾患は、おそらくハリネズミのエンセファリトゾーン症であろう、という事。ハリネズミのふらつき症候群の症状は人間のALSに酷似している。ALSは人のエンセファリトゾーン症なのではないか?と疑ってるんです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする