エスティマ日和

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』2章まで収録の、エッセイ集です。独立しました。

【連載】ぼくたちと駐在さんの700日戦争 2章-第1話

2006年05月08日 | 連載
お待たせいたしました。どれだけの方が待っていたのか、よくわかっていませんが、2章スタートです。

最近、犯罪の若年化がすさまじいですが、こうやって読み返すといい時代でした。
こんなことが許されていたんですからねぇ(許されてませんでしたけど)。
ちなみに1章をまだお読みでないかたは、こちらからどうぞ。
前回までのお話。
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話 第11話

ぼくたちと駐在さんの700日戦争 2章

1.バター騒動

僕たちは、宣戦布告の回答として、駐在さんの机の上に12冊の○○ファンを並べてきました。
西条くんは、僕の自転車の後ろに乗り、逃げろ、だの、飛ばせ、だの好き放題言っていましたが、しばらくすると、またなにやら悩んでいるようでもありました。

「西条、よかったのか?あの本、高いんだろ?」
すると西条くん
「え?大丈夫。あれくらい暗記してるから」。

どうやら悩みはそれではないようです。
しかし暗記って、エロ本だから。しかも何百ページあるでしょう?

「お前なぁ。もっと他のもの覚えろよ。そんなもん暗記する脳細胞があるんだったらさ」。
「うーん・・・。まぁ、好きこそモノの上手なれってな。得意不得意があるんだよ。脳にも」。

どういうモノの上手なのでしょう?
こいつの脳の9割は煩脳といわれる脳にちがいありませんでした。

しかし

「あ。お前らも読みたかった?」

う・・・・。そこを言われると弱い。

「たださ・・・あの本・・・」
西条くんが続けました。

「こないだのより、もっとすげぇテクが書いてあるんだよなぁ・・・。大丈夫かな。奥さん」。

またそっちか?
テクってなんだ?テクって?『縄に××××する女たち』より、すごいテクか?

「いや・・・・大丈夫ってのも困るなぁ・・・」。

コイツがなにを困るのでしょう?

「またそれを悩んでたのか?お前」。

「いやいや。今回は違うよ。もっと深刻なこと」。

「なんだよ。話せよ」。

コイツのことですから、作戦にどんな影響があるかわかりません。

「いやぁ。あの中で1月号だけな・・・・」

「うんうん」


バターとかぬっちゃってるんだよね~」。

「はあ?」

「そいつがさぁ、乾かなくて」。

なぜバターが塗ってあるか、と言いますと、一時期そうした本の「黒塗り」部分がバターで落ちる、と、まことしやかにささやかれたことがあったのです。むろん、とんだガセネタなんですが。
バターは油分なので、ずっとシミとして残る・・・・らしいのです。あくまで聞いた話ですが。

「お前ねぇ・・・・それを置いてきたわけ?」

「え?12冊揃えろって言ったのお前らじゃん!」

いや。言ったけど。それなら11冊でもいいものを・・・。

「はぁ~・・・・・」。

西条くん以外、全員が溜息をついた理由を、彼はまったく理解できないようでした。

「それもな、ほぼ全ページなんだよね~・・・」。

1ページだめならあきらめろよっ!
なぜ全ページ試す!?

「え?試すだろ?普通」。

コイツの「普通」がわかりません。

いずれにせよ、とんだ恥さらしな挑戦状となったことだけは確実でした。

    2章 第2話へ続く この「1月号」というのを記憶しておいてください


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
傑作 (ぱぱんだ)
2006-05-09 15:00:28
こんにちは。

2章、スタートしたんですね。お待ちかねしていた一人としておよろこび申し上げます。

バターですか(笑)。そんな話もあったように思いますね。確かに。

これたいへんな傑作だと思います。がんばって続けてくださいね。楽しみにしております。コメントが少ないのは、ほかの話のように完結がわからないからだと思いますよ。けっして検索エンジンではないと思います。
2章でございます (制作部)
2006-05-09 20:30:24
ぱぱんださん、こんにちは。

はい。ポツポツとは言え、コメントもいただけるようになりまして、検索エンジンがコメントを残すわけがないので、よーやくやる気になりました。



2章は1章の比較ではない攻防がございますので、お楽しみいただけるものと「確信」いたしております。

ああ、それにしても、どんどんブログタイトルとかけはなれていきますねぇ。
出版決定! (コバコバ)
2006-05-10 01:01:06
>「え?試すだろ?普通」。



 西条くん、面白すぎwww
西条君 (制作部)
2006-05-10 15:13:19
コパコパさん、こんにちは!



そうですね。書いていると面白いです。西条くん。

でも、その時は腹がたちましたけど。



実はこんなもんじゃすまなかったんですけどね。
質問です (はる)
2006-05-10 23:12:28
以前”靴の墓場”という記事に登場してきた「かあちゃんが名前書いてた」っていうのも西条くんですか?
ちがいます (制作部)
2006-05-11 12:20:37
はるさん、はじめまして。



http://blog.goo.ne.jp/cloissant/e/9a81a56650dd6205dfa1af3414def020

『靴の墓場』で、とんだ失態を演じた馬鹿者は、孝昭くんという、700日戦争では、シンバル男として登場する馬鹿です。



西条くんは、ここにも書かれている通り、電車通学でしたので、自転車での活動はありませんでした。

今思うと、よくこれだけの馬鹿に囲まれて、国家権力を相手にしたものだと感心します。今ならとうていできません。

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