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ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第1話 タネ
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第2話 俺たちは亀
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第3話 俺たちは亀
3.伏兵
逃げる逃げる僕たち。
追いかける追いかける駐在さん。
思えば、警察官が走っている横、次から次へ車は通り過ぎるわけですが、そりゃ警官が走っていれば飛ばしません。
シンバルよりずっと邪魔になっているのでは?
そんなことはおかまいなしに、とにかく怒りで全速力の駐在さん。
考えてみると、シンバル以外のやつは未遂ですから、逃げる必要などまったくないのですが、人間、追って来るものがあると逃げます。不思議だね。
しかし、逃げる、と言ってもスーザホンを首からまいた僕はたいへんでした。
音楽部副部長をだまして持ち出した時も「それ、100万近くするらしいよ。気をつけて扱えよ」と、釘をさされておりました。
てなわけで、一番最初に追いつかれたのは、シンバル野郎ではなく、僕でした。
駐在さんが言いました。
「このやろー。元陸上部をなめるなよ」
いや・・・陸上部じゃなくても、幼稚園児でもスーザホン持ってるやつには追いつけますから。
「おまえ、そこに待機!」
と言い捨てるなり、駐在さんはさらにダッシュ。
あっという間に鎧兜、シンバル、タライ、トロンボーンと捕まえまして、またしても5人。
残りは逃亡に成功しました。
いやぁ。初めて見ました。『太陽にほえろ』ばりの逮捕劇。
捕まってるヤツがみんな奇妙ないでたちでしたけど。
駐在さんは、僕たちをひとつところに集めまして、またしても尋問。
捕まったうちの3名までが前回と同メンバーってのもやんなりましたが、それはたぶん駐在さんも同じでしょう。
「はぁはぁ。おまえらぁ。そろってなにやってんだ? あ?」
顔を見合わせる僕たち。
とにかく、尋問やら説教やらは、もう馴れきっている僕たちでしたから、駐在さんよりは一枚上でした。
「いや・・・今、友人の葬儀に参列するところです」。
「ほぉ。シンバル持ってか?じゃ、このタライはなんだ?」。
「ご遺体を洗うんです」。
「なんでお前こんな格好してる?」。
鎧兜少年に、あまりに当然な質問です。
「いや・・・葬儀の正装ってよくわかんなくて。それで家で一番立派な服を・・・」。
ああ。そりゃ立派ですとも。これ以上はありません。
この画期的な受け答えに、僕たちも思わず吹き出してしまいました。
「ほぉ。 誰が死んだんだ?言ってみろ」。
というか、いいかげんここまでつきあっていただかなくてもよかったんですが
「西条くん(仮名16歳)です。おしいかたを亡くしました」。
西条はバイクで停学になったこの争いの超本人(ちょうが違うとつっこまないでください。意味として超なんです)。
「だいたいなぁ。お前らは停学とけたばっかりだろ?」
「ええ。人の生き死にはわからんものです」。
ここまで聞いて駐在さん。
「おまえら。警察にうらみでもあるのか?」
あるに決まってるでしょう。すでに停学くらってるのに。まぁ、しかけたのは僕たちですけどね。
逮捕までしといて、抜けた質問としか言いようがありません。
しかし、鎧兜にスーザホン。尋問する警察官。
まわりからは、どう映っているのでしょう?不思議です。
「おまわりさん」。
「なんだ?」
「こいつ(シンバル男)はともかく、僕たちは、なんにもしていませんけど。スーザホン持って歩いてちゃいけませんか?」
「ぐ・・・」
逆襲開始です。
「やろうとしてただろう?」
「それはおまわりさんの憶測というもんです。想像で人を捕まえないでください」。
「ぐ・・・」。
「こいつ(シンバル男)にしたって、たまたまあそこでああしてみたくなっただけで、
ただの歩行者じゃないですか」。
普通 ああしてみたく なりませんけどね。
「ぐ・・・・」。
快心の一撃。おまわりさんHP -100ポイント。
ところが!
ここで思わぬ伏兵が現れてしまいました。
それは通行人Aです。
通行人Aは、ちょっと目立っていた僕たちをじろじろと見るなり、突如、思い出したように声をかけてまいりました。
「お。孝昭(仮名16歳)じゃないか?なにやってんだ、お前」。
「え?」
それはシンバル男の叔父さんでした。
親族が現れるという想定外の展開に我々はとまどいました。
ああ・・・。これだから小さい町はいやなんだ。
第5話へ続く・・・・・
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第1話 タネ
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第2話 俺たちは亀
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 第3話 俺たちは亀
3.伏兵
逃げる逃げる僕たち。
追いかける追いかける駐在さん。
思えば、警察官が走っている横、次から次へ車は通り過ぎるわけですが、そりゃ警官が走っていれば飛ばしません。
シンバルよりずっと邪魔になっているのでは?
そんなことはおかまいなしに、とにかく怒りで全速力の駐在さん。
考えてみると、シンバル以外のやつは未遂ですから、逃げる必要などまったくないのですが、人間、追って来るものがあると逃げます。不思議だね。
しかし、逃げる、と言ってもスーザホンを首からまいた僕はたいへんでした。
音楽部副部長をだまして持ち出した時も「それ、100万近くするらしいよ。気をつけて扱えよ」と、釘をさされておりました。
てなわけで、一番最初に追いつかれたのは、シンバル野郎ではなく、僕でした。
駐在さんが言いました。
「このやろー。元陸上部をなめるなよ」
いや・・・陸上部じゃなくても、幼稚園児でもスーザホン持ってるやつには追いつけますから。
「おまえ、そこに待機!」
と言い捨てるなり、駐在さんはさらにダッシュ。
あっという間に鎧兜、シンバル、タライ、トロンボーンと捕まえまして、またしても5人。
残りは逃亡に成功しました。
いやぁ。初めて見ました。『太陽にほえろ』ばりの逮捕劇。
捕まってるヤツがみんな奇妙ないでたちでしたけど。
駐在さんは、僕たちをひとつところに集めまして、またしても尋問。
捕まったうちの3名までが前回と同メンバーってのもやんなりましたが、それはたぶん駐在さんも同じでしょう。
「はぁはぁ。おまえらぁ。そろってなにやってんだ? あ?」
顔を見合わせる僕たち。
とにかく、尋問やら説教やらは、もう馴れきっている僕たちでしたから、駐在さんよりは一枚上でした。
「いや・・・今、友人の葬儀に参列するところです」。
「ほぉ。シンバル持ってか?じゃ、このタライはなんだ?」。
「ご遺体を洗うんです」。
「なんでお前こんな格好してる?」。
鎧兜少年に、あまりに当然な質問です。
「いや・・・葬儀の正装ってよくわかんなくて。それで家で一番立派な服を・・・」。
ああ。そりゃ立派ですとも。これ以上はありません。
この画期的な受け答えに、僕たちも思わず吹き出してしまいました。
「ほぉ。 誰が死んだんだ?言ってみろ」。
というか、いいかげんここまでつきあっていただかなくてもよかったんですが
「西条くん(仮名16歳)です。おしいかたを亡くしました」。
西条はバイクで停学になったこの争いの超本人(ちょうが違うとつっこまないでください。意味として超なんです)。
「だいたいなぁ。お前らは停学とけたばっかりだろ?」
「ええ。人の生き死にはわからんものです」。
ここまで聞いて駐在さん。
「おまえら。警察にうらみでもあるのか?」
あるに決まってるでしょう。すでに停学くらってるのに。まぁ、しかけたのは僕たちですけどね。
逮捕までしといて、抜けた質問としか言いようがありません。
しかし、鎧兜にスーザホン。尋問する警察官。
まわりからは、どう映っているのでしょう?不思議です。
「おまわりさん」。
「なんだ?」
「こいつ(シンバル男)はともかく、僕たちは、なんにもしていませんけど。スーザホン持って歩いてちゃいけませんか?」
「ぐ・・・」
逆襲開始です。
「やろうとしてただろう?」
「それはおまわりさんの憶測というもんです。想像で人を捕まえないでください」。
「ぐ・・・」。
「こいつ(シンバル男)にしたって、たまたまあそこでああしてみたくなっただけで、
ただの歩行者じゃないですか」。
普通 ああしてみたく なりませんけどね。
「ぐ・・・・」。
快心の一撃。おまわりさんHP -100ポイント。
ところが!
ここで思わぬ伏兵が現れてしまいました。
それは通行人Aです。
通行人Aは、ちょっと目立っていた僕たちをじろじろと見るなり、突如、思い出したように声をかけてまいりました。
「お。孝昭(仮名16歳)じゃないか?なにやってんだ、お前」。
「え?」
それはシンバル男の叔父さんでした。
親族が現れるという想定外の展開に我々はとまどいました。
ああ・・・。これだから小さい町はいやなんだ。
第5話へ続く・・・・・
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