提案の際に必ず作成するのがこの『マテリアルボード』。新築の場合、塗装色だけで統一されていることは稀ですし、塗装の場合でも塗料の艶の具合や骨材の割合などにより、色の見え方が変わってくるため、出来るだけ早い段階から現物を使用しての提案を心掛けています。
色彩は周囲や背景の色に影響され、影響を与えるという相互の関係性を持っているため、選定した素材を添付するボードの色にはあるこだわりがあります。それは、『出来るだけ現実の見え方に近い状況を再現する』ということです。CLIMATでは長年、中明度のグレイ色のボードを使用しています。
商品名はクレセントグレイトーンボード(B-03)。他のイラストレーションボード等に比べるとやや割高ですが、マットな質感といい、表面がほぼニュートラルなグレイ、裏面がややピンキッシュなライトグレイとリバーシブルであるため、提案の内容に併せて地色を使い分けられる、とても使い勝手の良いボードです。
【地色からの影響を最小限に抑えることが出来るグレイ色のボード】

建築家の方のプレゼンボードは、白いパネルを使う方が多いようです。こだわる方だと黒。ですが、どちらの場合も図となる素材との対比が強くなりがちで、実際に屋外で見た際の印象と大きく異なる場合が多々あります。これは色彩の心理的な働きの一つ、“同時対比”という現象によるものです。
【同時対比】

上図、左右の正方形の中央にある淡いグレイの正方形は、左右同じ色です。背景を白とした場合と黒とした場合では、見え方(この場合は明るさ)が大きく異なります。これは例えば白色の背景の左側だけを見た際には、図の色に対する影響力を認識することはできませんが、黒色の背景と同時に比較することによって、地色が持つ影響力を認識することが出来るのです。
もちろん、最終的には大型の見本を用意し、屋外で検証を行い使用素材・色を選定します。ですが、提案の初期~中期段階では、部分やパーツでの検討・提案を行うことが多々ありますし、その部材それぞれの質感や色彩が“何かに影響される状況を出来る限り軽減した状態で”提示することが重要だと考えています。
背景との対比を出来るだけ抑え、屋外で素材・色彩を見た時の印象と大きく差異のない状態を考えると、自ずと背景をどのくらいの明るさにすればよいかが見えてきます。
プレゼンテーションのテクニックとしては、敢えて対比を強調し、『素材・色彩を映えさせる』ということにチャレンジする場合もあります。それは相当計算して、後々の最終決定のことも見据えた場合でないと、後で『プレゼンの時の印象と違う!』と問題になる場合もあるので、十分な配慮と工夫が必要です。
実際にそのような状況がこれまであったのも事実です。その際は背景を二種用意し、同時対比の効果を目の前でお見せすることにしています。そうすると大概の方が、『騙された!』とおっしゃるのですが(笑、私が見ている色と、施主が見ている色が違うわけではもちろんありませんし、騙しているわけでもありません。色がそういう見え方の性質を持っている。ただそれだけのことなのです。
色彩は周囲や背景の色に影響され、影響を与えるという相互の関係性を持っているため、選定した素材を添付するボードの色にはあるこだわりがあります。それは、『出来るだけ現実の見え方に近い状況を再現する』ということです。CLIMATでは長年、中明度のグレイ色のボードを使用しています。
商品名はクレセントグレイトーンボード(B-03)。他のイラストレーションボード等に比べるとやや割高ですが、マットな質感といい、表面がほぼニュートラルなグレイ、裏面がややピンキッシュなライトグレイとリバーシブルであるため、提案の内容に併せて地色を使い分けられる、とても使い勝手の良いボードです。
【地色からの影響を最小限に抑えることが出来るグレイ色のボード】

建築家の方のプレゼンボードは、白いパネルを使う方が多いようです。こだわる方だと黒。ですが、どちらの場合も図となる素材との対比が強くなりがちで、実際に屋外で見た際の印象と大きく異なる場合が多々あります。これは色彩の心理的な働きの一つ、“同時対比”という現象によるものです。
【同時対比】

上図、左右の正方形の中央にある淡いグレイの正方形は、左右同じ色です。背景を白とした場合と黒とした場合では、見え方(この場合は明るさ)が大きく異なります。これは例えば白色の背景の左側だけを見た際には、図の色に対する影響力を認識することはできませんが、黒色の背景と同時に比較することによって、地色が持つ影響力を認識することが出来るのです。
もちろん、最終的には大型の見本を用意し、屋外で検証を行い使用素材・色を選定します。ですが、提案の初期~中期段階では、部分やパーツでの検討・提案を行うことが多々ありますし、その部材それぞれの質感や色彩が“何かに影響される状況を出来る限り軽減した状態で”提示することが重要だと考えています。
背景との対比を出来るだけ抑え、屋外で素材・色彩を見た時の印象と大きく差異のない状態を考えると、自ずと背景をどのくらいの明るさにすればよいかが見えてきます。
プレゼンテーションのテクニックとしては、敢えて対比を強調し、『素材・色彩を映えさせる』ということにチャレンジする場合もあります。それは相当計算して、後々の最終決定のことも見据えた場合でないと、後で『プレゼンの時の印象と違う!』と問題になる場合もあるので、十分な配慮と工夫が必要です。
実際にそのような状況がこれまであったのも事実です。その際は背景を二種用意し、同時対比の効果を目の前でお見せすることにしています。そうすると大概の方が、『騙された!』とおっしゃるのですが(笑、私が見ている色と、施主が見ている色が違うわけではもちろんありませんし、騙しているわけでもありません。色がそういう見え方の性質を持っている。ただそれだけのことなのです。