2月26日(土)、千葉県柏市の景観まちあるきワークショップを行ってきました。柏市では例年、この時期に景観シンポジウムを開催してきたそうなのですが、10年を経過し専門家の話を聞くというスタイルも一つの節目を迎えたということで、もっと市民からの意見を取り入れるような形のイベントを企画したい、という要請を受け、昨年暮れから何度も現地を訪れたり市役所の方と打合せを行ったりしながら内容を練ってきました。
タイトルは『絵になる風景・気になる風景』というもので、A3サイズ大の黒いフレーム(額縁)を用意し、参加者にタイトルに即したまちなみの風景を切り取って(=写真に撮る)もらいました。それを会場に戻ってから各自のスライドショーをスクリーンに映し、どの点が『絵になる・気になる』のかを発表してもらい、最後に私が色彩の観点から絵になる要因・ならない要因を挙げ、意見交換を行って終了、という半日のスケジュールでした。
クリマのスタッフは何回かワークショップの経験がありますが、写真を撮影して即PCに取り込んでという流れは初めての経験。そして市役所の方も初の試みですから、何もかもが始めてで、上手く分担したつもりだったのですが、途中データが取り込めなかったり、編集であたふたしたりと少々慌てる場面もありました。
それでも、参加者の方々の反応がとてもよく、難しいと言いながらも色々な写真を撮ってきて下さいました。20代の大学生3人を含めても平均年齢が62歳前後という年配の方が中心のイベントだったのですが、最後には『看板を規制する法律はあるのか』 『風景と景観の違いは何か』等の質問も飛び出し、市役所の方が景観法や景観計画の解説を行う等、まさに『これからの景観まちづくりへの取り組み』を知ってもらうためのイベントとしては大成功だったように(手前味噌ながら)思います。
そのワークショップの模様は後日、市のHPに掲載予定ですのでそちらを待つこととして。最後のレクチャーで一番参加者からの反応が大きかった内容の一部をご紹介します。
タイトルは『色は関係性が大切』。毎度おなじみの文句です。下のモザイク、向かって左側は多色がランダムに混在している例です。商業施設の集積する中心市街地などの見え方に相当します。右は、それをただ並べ替えたもの。低彩度色を上部に配し、全体にトーン別にまとまりをつくることによって、見え方が大分“整った”印象になると思います。
次に、更に暖色系・寒色系に分類し、彩度の高い色の割合を全体の1/3程度に抑えてみました。色そのものは、上の画像の左図と何も変えていません。
これをppt(パワーポイント)のアニメーションで表示した際には、参加者からおおっ、と歓声(ちょっと大げさですが)が上がりました。私達にとっては、この配色のバランス(隣に来る色によって見え方が変わる)はとても重要で、色を扱う時にいつも意識している点です。まちなみの計画を考える時、全てが低彩度色であればいい、と思っているわけではありません。変化を感じさせる、或いは賑わいや活気の演出等にある程度色味のある色彩も欠かすことは出来ないと思います。
色それぞれが相互の関係性を持っており、互いに影響しあうという、至極明確な論理。これさえ頭に叩き込んでおけば、色に対する余計を先入観は払拭でき、色の持つ可能性を探求しやすくなるように考えています。
タイトルは『絵になる風景・気になる風景』というもので、A3サイズ大の黒いフレーム(額縁)を用意し、参加者にタイトルに即したまちなみの風景を切り取って(=写真に撮る)もらいました。それを会場に戻ってから各自のスライドショーをスクリーンに映し、どの点が『絵になる・気になる』のかを発表してもらい、最後に私が色彩の観点から絵になる要因・ならない要因を挙げ、意見交換を行って終了、という半日のスケジュールでした。
クリマのスタッフは何回かワークショップの経験がありますが、写真を撮影して即PCに取り込んでという流れは初めての経験。そして市役所の方も初の試みですから、何もかもが始めてで、上手く分担したつもりだったのですが、途中データが取り込めなかったり、編集であたふたしたりと少々慌てる場面もありました。
それでも、参加者の方々の反応がとてもよく、難しいと言いながらも色々な写真を撮ってきて下さいました。20代の大学生3人を含めても平均年齢が62歳前後という年配の方が中心のイベントだったのですが、最後には『看板を規制する法律はあるのか』 『風景と景観の違いは何か』等の質問も飛び出し、市役所の方が景観法や景観計画の解説を行う等、まさに『これからの景観まちづくりへの取り組み』を知ってもらうためのイベントとしては大成功だったように(手前味噌ながら)思います。
そのワークショップの模様は後日、市のHPに掲載予定ですのでそちらを待つこととして。最後のレクチャーで一番参加者からの反応が大きかった内容の一部をご紹介します。
タイトルは『色は関係性が大切』。毎度おなじみの文句です。下のモザイク、向かって左側は多色がランダムに混在している例です。商業施設の集積する中心市街地などの見え方に相当します。右は、それをただ並べ替えたもの。低彩度色を上部に配し、全体にトーン別にまとまりをつくることによって、見え方が大分“整った”印象になると思います。
次に、更に暖色系・寒色系に分類し、彩度の高い色の割合を全体の1/3程度に抑えてみました。色そのものは、上の画像の左図と何も変えていません。
これをppt(パワーポイント)のアニメーションで表示した際には、参加者からおおっ、と歓声(ちょっと大げさですが)が上がりました。私達にとっては、この配色のバランス(隣に来る色によって見え方が変わる)はとても重要で、色を扱う時にいつも意識している点です。まちなみの計画を考える時、全てが低彩度色であればいい、と思っているわけではありません。変化を感じさせる、或いは賑わいや活気の演出等にある程度色味のある色彩も欠かすことは出来ないと思います。
色それぞれが相互の関係性を持っており、互いに影響しあうという、至極明確な論理。これさえ頭に叩き込んでおけば、色に対する余計を先入観は払拭でき、色の持つ可能性を探求しやすくなるように考えています。