初心者のクラシック

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「ピアノの詩人」ショパン  (第2話)

2006年08月21日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「ピアノの詩人」フレデリック・フランソワ・ショパン(第2話)です。

≪作曲家の肖像≫
幻想即興曲/ショパン・ピアノ名曲集
ブーニン(スタニスラフ), ショパン, アルゲリッチ(マルタ), ベルマン(ラザール)
ユニバーサルクラシック

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【Frederic Francois Chopin】
(↑画家ドラクロワによるショパンの肖像です↑)

故郷ワルシャワを出てウィーンに向かったショパンに何が待ち受けているのでしょうか?

(第2話)【ウィーンからパリへ】
 1830年、20歳になったショパンは期待に胸をふくらませてウィーンへと旅立ちます。以前ウィーンを訪れた際に成功を収めていたショパンは、ある程度自身を持ってのウィーン再訪でしたが、ウィーンは彼が思っていたほど歓迎は受けず、期待していた出版社ハスリンガー社にも楽譜を持っていきますが、ぞんざいに扱われてしまったようです。
落胆しているところに、ロシア支配にワルシャワ市民が反乱を起こしたという知らせが入ります。「ワルシャワ蜂起」が起こっていたのです。一緒にウィーンに来ていたティトゥスはこの知らせを聞くと、祖国の危機を救おうとワルシャワへ帰ってしまいます。

 ショパンも祖国の危機を黙って見過ごす事はできないと考えていたようですが、期待されて見送ってくれた家族や友人のためにも、音楽の道を進む事を決めてしばらくウィーンにとどまる事にします。しかし祖国の危機に、もんもんとしていたショパンはほとんど音楽活動らしい活動はできなかったようです。
ウィーンでは、当時ヨハン・シュトラウスの華やかなワルツが流行していたため、ショパンもこの影響を受けたと言われていますが、本人は複雑な心境だったんでしょうね。

 当時ウィーン(オーストリア)はロシアと同じくポーランドを分割して支配していた側でしたから、ワルシャワ蜂起を起こしたポーランド人を敵視するようになっていました。ポーランド人のショパンはそんなウィーンに居づらくなり、1831年ウィーンで成果をあげる事なく、同じく音楽の都と称されていたパリへと向かう事にしました。旅の途中、ロシア軍によりワルシャワが陥落した事を知ると、ショパンは悲嘆に暮れてしまいます。この時期に「革命のエチュード」などを作曲したと言われています。

 やっとの思いでパリに着いたショパンは演奏会の準備にかかります。当時はウィーンと対立関係にあったパリ市民はポーランド人のショパンを好意的に受け入れていましたから、演奏会の準備も順調に進み、1832年のパリデビューとなった演奏会は大成功のうちに終わります。その演奏会には当時ピアニストとして成功していたリストやメンデルスゾーンも聴きに来ていたようです。

 その後もショパンは、何度かパリで演奏会を開きますが、大ホールでの彼の演奏は繊細で迫力に欠け「音が貧弱」というような評価まで受けてしまいます。しかし、そんな繊細な表現は上流階級の貴族たちに好評となります。そして上流階級から評価を得たショパンはサロン(今で言うところのセレブたちのホームパーティーみたいなヤツ)にも招待されるようになり、そこでも大人気だったショパンは、そんな貴族たちからピアノ教師を依頼されるようになり、かなりの高額収入を得る事ができるようになりました。

 ところが、こういった上流階級の知り合いが増えると、いかに高額所得者となったショパンといえども、維持・交際費が大変になってきたようです。オペラや演奏会等に使う観劇費用はもちろん、そこへ行くために着ていく衣装やアクセサリー、馬車代等々活動をすればするほど、お金がかかり、ワルシャワにいる父にも何度か仕送りを催促する手紙を送っていたようです。

 そんなパリでの音楽活動をする中で、ショパンはリストとも親交があったようです。こんなエピソードもあるようです。当時天才ピアニストとして既に成功していたリストにショパンが自作の練習曲集を手渡し、リストも自信たっぷりにピアノの前に座りその曲を弾きますが、あまりにも高度なテクニックを要するその曲を、リストはその場で弾く事が出来ませんでした。翌日にはパリから姿を消したリストでしたが、数週間程してショパンの所へ戻り、見事にこの練習曲を弾きこなしたのでした。この演奏に感動したショパンはこの練習曲(エチュードOp10)をリストに献呈したのでした。



ウィーンを逃げるようにしてたどり着いたパリで、ようやく暮らしていけるようになったショパンでしたが、その後のパリでは何が起こるんでしょうか?続きはまた明日。

≪今日出てきたショパンの作品≫
♪練習曲エチュードOp10 の記事はこちら


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