初心者のクラシック

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ルイ・エクトル・ベルリオーズ(第3話)

2006年10月15日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日はルイ・エクトル・ベルリオーズ(第3話)です。

≪作曲家の肖像≫
後ろに映っている女性は!?
ベルリオーズ:幻想交響曲
チョン・ミュンフン, パリ・バスティーユ管弦楽団, デュティーユ, ベルリオーズ
ユニバーサルクラシック

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【Louis Hector Berlioz】

音楽院には入れたものの、仕送りを止められたベルリオーズはうまくやっていけるんでしょうか?今日はその続きからです。

(第3話)【シェイクスピアを演じる女優】
 悲願の音楽院での生活を手に入れたものの、父親からの仕送りが無くなったため、ベルリオーズは得意のフルートとギターの個人レッスンを行い、夜は劇場でコーラスのバイトをして生活費を稼ぎました。

 しかし、それだけでは足らず食費まで切り詰めてギリギリの生活をしていたようです。それでも作曲を続けていくのでした。やがて、そんな貧しい息子の暮らしぶりが父親のもとに伝わると、父親もようやく折れて仕送りを再開するのでした。

 父親からの援助を受けるとベルリオーズの作曲活動も本格化し、作曲家の登竜門とされた「ローマ大賞」を目指して作曲活動を続けます。
1827年カンタータ「クレオパトラ」をローマ大賞のコンクールに出品すると、その年には1位が該当なしの扱いになり、ベルリオーズは2位を受賞しますが、1位では無いので惜しくも「ローマ大賞」を逃してしまいます。

 しかし、この成果を本人以上に喜んだのは両親のようでした。親の意思に背いてまでも続けた音楽で評価されたのがよほど嬉しかったんでしょう。それまでの借金も払ってくれ、音楽の道に進む事も快く許してくれたようです。

 そして、ちょうど同じ頃にパリではイギリスからの劇団がシェイクスピアを上演するという話で持ちきりになっていました。パリでシェイクスピアが上演されるのが初めてだったためベルリオーズのみならずパリ中の芸術家、市民たちがその上演を待ちかねていたようです。

 パリのオデオン座では、「ロメオとジュリエット」「ハムレット」などが上演されパリでも大喝采を浴びることになるのでした。ベルリオーズも大作家の名作に痛く感動したようですが、それ以上に彼の心を奪ったのはこの演目でジュリエットやオフィーリアなどのヒロインを演じた女優ハリエット・スミッソンでした。

 ベルリオーズはハリエットに心を奪われると、毎日のように劇場に通いました。舞台で悲劇のヒロインを演じる彼女から目が離せなくなってしまったようです。このときベルリオーズは23歳、ハリエットは27歳でしたから、舞台でヒロインを華麗に演じる「お姉さま」に憧れのまなざしを向けていたんでしょうね。

 そして、「彼女こそが運命の人」とばかりに、ハリエットを自作の演奏会に招待しますが、ハリエットは大女優。賞はとったとはいえ、新人作曲家のベルリオーズのことなんて全然気にする様子も無く。もちろん演奏会にも出席せずに、次の公演地へ向かうべくさっさとパリを後にするのでした。

 ああ悲しくも無残なまでにベルリオーズの想いはあっけなく終わりを告げるのでした。しかし、断ち切れないこの想いを作曲に託すのでした。こうして出来たのがアノ有名な「幻想交響曲」だったのです。



さて、あっさりと振られてしまったベルリオーズでしたが、おかげで「幻想交響曲」が出来ましたね。それにしても、その後の彼はどうなってしまうんでしょうか。つづきはまた明日。


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