初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

リヒャルト・ワーグナー(第11話)

2007年06月18日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

有名な作曲家にはその真偽はともかくとして、たくさんの興味深いエピソードがあります。
そんな興味深いエピソードを中心に作曲家の生涯をたどっていきます。

今日はウィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー(第11話)です。

≪作曲家の肖像≫
ワーグナー:名演集
クナッパーツブッシュ(ハンス), ワーグナー, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, フラグスタート(キルステン), ロンドン(ジョージ), ニルソン(ビルギット)
ユニバーサルクラシック

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【Wilhelm Richard Wagner】
ワーグナーはもちろん右側です。

完成した「ニーベルングの指環」の初演に向けて意気込むワーグナー。今日はその続きからです。

(第11話)【バイロイト音楽祭】
楽劇「ニーベルングの指環」が完成すると、次にはこの練習にあたります。そしてバイロイト祝祭劇場が完成すると、1876年、いよいよ第一回バイロイト音楽祭が開催される事になります。

ワーグナー主催のバイロイト音楽祭にはバイエルン国王ルートヴィヒ2世の他に、ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世など、その噂を聴きつけた王侯貴族たちが訪れていたようです。
また、こうした王侯貴族の他にもリスト、ブルックナー、チャイコフスキーなどの作曲家たちも訪れていたようです。

ちなみにワーグナーの妻コジマの父である(舅)リストはバイロイト祝祭劇場定礎の際にも一度声をかけられますが、初めは断固として反発していたようですが、ワーグナーの熱心な呼びかけに応じて1872年に二人は和解に漕ぎ着けていたのでした。

後にワーグナーはこの時の事を思い出して「芸術家が王侯貴族に呼び出されたことはこれまでにもあったが、皇帝や王族が芸術家の元を訪れたことは、いまだかつて無かった事だろう」と言っているように、壮大なスケールの音楽祭は8月にこうして幕を開けるのでした。

演目はもちろん、この日のために作曲していたと言っても過言ではない大作の「ニーベルングの指環」でした。この曲は序夜「ラインの黄金」第1夜「ワルキューレ」第2夜「ジークフリート」第3夜「神々の黄昏」という4つの楽劇を4夜連続で(一晩あたり2~5時間)演奏するという、これまでにも例の無いほどの異例の超大作だったのでした。

こうして、かつて無いほどの壮大なスケールの音楽祭が開催されますが、ワーグナー自身はこの第一回の音楽祭を成功とは思っていなかったようです。翌年には新しい形で再演を開催しようとしていたようですが、さすがに大掛かりな舞台や各地から集めた演奏家へのギャラ等々でバイロイト音楽祭は大赤字を出していた事もあり、翌1877年にバイロイト音楽祭を実現する事は出来ませんでした。

しかし、これにもめげずワーグナーは新しい作品の創作に取り掛かっていきます。それは「パルジファル」でした。キリスト教の伝説のひとつにある聖杯伝説をモチーフに実は一度ルートヴィヒ2世に求められてこの作品を作っていたようですが、バイロイト音楽祭などの準備に向けて多忙だったため、一時創作を止めていたのでした。

ワーグナーはこうして新しい作品「パルジファル」に再起を掛けて熱心に取り組んで行くのでした。


前代未聞の音楽の祭典を繰り広げていったワーグナーですが、本人はあまり納得していないようです。さてこのつづきはまた明日。

ちなみにバイロイト音楽祭は現在でも夏にバイロイト祝祭歌劇場で毎年行われるドイツでも一大イベントとして有名な行司のひとつになっています。更に日本でも年末にはその年のバイロイト音楽祭の録音をNHK-FMで一挙に放送していますが、最近あんまり聴いてないから実際はどうなんだろう?(多分やってると思います。)


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