Chiharu SHiota Farther Memory
もともとは公民館だった建物。
中央にトンネル状の通路が作られている。
通路は、不要となった家を解体した窓や扉を集めて作られている。
この窓をとおして、いろいろな日常があっただろう。
この島のいろいろな光を家の中に通しただろう。
遊び心も
かつてはどこにでもあったような普通のふすまの模様も
よくあった独特のくもりガラスも
どうしようもなく懐かしいこの板の、何とも言えない模様も
そのすべてがアーティストと鑑賞者によって覚醒する。
ここにはたくさんの声が響いていただろう。
今聞こえるのは、ツバメのかわいい鳴き声だけ。
建物の内側にも外側のような光景がある。
花がきれい。
花にも建物にも窓にも、人々のいろいろな想いがある。ように思う。
この忘れられた遊具にも。好きだったな昔、この遊具。
マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」のような美しいアートだなと思った。
かつてあった美しくはかない時間を撫でるような。
Art Setouchi 2011 春 INDEX
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