Texas Straight Talk 2013/07/22
Bernanke’s Farewell Tour
バーナンキ議長のさよならツアー(拙訳:チモシェンコ大村)
先週、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、2014年の退任を前に、おそらく最後になるであろう議会証言を行いました。しかし残念ながら、彼の退任演説は、米経済の現況とFRBの金融政策が市場に与える効果に関して、多くの矛盾に満ちたものでした。その中で彼はうかつにも、ウォールストリートの必要性のほうが一般市民や米経済および健全な通貨よりも勝るということを明確にしてしまいました。
FRBによる量的金融緩和政策(QE)や実質的ゼロ金利政策は証券市場の好況をもたらしました。しかしFRBは、今後もQEの蛇口が閉じられることはないと言って、ウォールストリートを安心させ続けなければなりません。さもなくば、景気回復という幻想はたちまち消えてしまうからです。そういうわけで、バーナンキ議長は、FRBの金融政策が経済を立て直したと称賛する一方で、QEを終わらせてよいほどには米経済は回復していないという点を必死に強調したのです。
また、バーナンキ議長は、FRBの政策が直接的に金融市場を活性化させたのではないという点も強調しました。しかし、QE3(量的金融緩和第3弾)において不動産担保証券(MBS)や国債を購入するためにFRBによって何も無いところから産み出された金は、誰よりもまず、大銀行や金融市場関係者などの、FRBの競売に招かれた一部の人間を利するのです。新たに作られたこの金は、株式市場や債券市場、農地市場、その他あらゆる市場においてバブルをもたらします。その結果最も打撃を受けるのが、個人の貯蓄家や投資家そして定年退職者であり、FRBのゼロ金利政策によって彼らの貯蓄は目減りしてしまうのです。
ウォールストリートを優遇し、一般の貯蓄家には何ももたらさない金融政策だけでは物足りないかのように、FRBはさらに米国民にインフレという大きな負担を押し付けています。彼らは、今年、米ドルの価値をさらに2%も下げるつもりでいます。2008年の景気後退以降、米ドルの購買力は10%も下がっているにもかかわらず、バーナンキ議長はまだ満足ではないようです。実際のところ、従来の消費者物価指数(CPI)の計算方法によれば、インフレの実態はずっとひどいものになっています。この方法では、ステーキとミンチ肉を等価なものとして計算しません。
Shadow Government Statisticsのジョン・ウィリアムズがこの従来のCPIを用いたところ、過去5年間だけで、ドルの購買力は50%近くも下落していることが分かりました。つまり、金融危機の前では20ドルで買えたものが今では30ドルもするということです。ウォールストリートの連中にとっては端金(はしたがね)かもしれませんが、一般的な勤労者にとっては大きな金額です。これはFRBによる窃盗なのです。これは、バーナンキ議長の言葉を借りれば、“文字通りの意味ではないが”FRBが印刷した何兆ドルもの新たな紙幣が直接もたらした悲劇なのです。
バーナンキ議長の最後の議会証言で明らかになったのは、FRBは彼らの金融政策がもたらす代償と新たなバブルの影響をあからさまに軽視しているということです。彼らは、証券市場の活性化しか頭になく、物価上昇や誤った資源配分、バブル、失業率の上昇のつけを払わされるのは中産階級や低所得者であるということを理解していません。
一部の人間だけに便宜を図るという最悪の金融政策から抜け出すための唯一の方策は、健全な通貨を取り戻すことです。これにより、FRBは通貨を操作してウォールストリートを優遇することができなくなるでしょう。何度も証明されてきたことですが、国民の労働の対価や財産、そして自由で豊かな生活をする権利を守ることのできる真の貨幣を、FRBはまったくもって無視してきました。FRBやウォールストリート、連邦政府は、今こそ、通貨を操作するのをやめ、証券市場の好況を隠れ蓑にして米国民の財産を盗むのを終わらせなければなりません。
Bernanke’s Farewell Tour
バーナンキ議長のさよならツアー(拙訳:チモシェンコ大村)
先週、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、2014年の退任を前に、おそらく最後になるであろう議会証言を行いました。しかし残念ながら、彼の退任演説は、米経済の現況とFRBの金融政策が市場に与える効果に関して、多くの矛盾に満ちたものでした。その中で彼はうかつにも、ウォールストリートの必要性のほうが一般市民や米経済および健全な通貨よりも勝るということを明確にしてしまいました。
FRBによる量的金融緩和政策(QE)や実質的ゼロ金利政策は証券市場の好況をもたらしました。しかしFRBは、今後もQEの蛇口が閉じられることはないと言って、ウォールストリートを安心させ続けなければなりません。さもなくば、景気回復という幻想はたちまち消えてしまうからです。そういうわけで、バーナンキ議長は、FRBの金融政策が経済を立て直したと称賛する一方で、QEを終わらせてよいほどには米経済は回復していないという点を必死に強調したのです。
また、バーナンキ議長は、FRBの政策が直接的に金融市場を活性化させたのではないという点も強調しました。しかし、QE3(量的金融緩和第3弾)において不動産担保証券(MBS)や国債を購入するためにFRBによって何も無いところから産み出された金は、誰よりもまず、大銀行や金融市場関係者などの、FRBの競売に招かれた一部の人間を利するのです。新たに作られたこの金は、株式市場や債券市場、農地市場、その他あらゆる市場においてバブルをもたらします。その結果最も打撃を受けるのが、個人の貯蓄家や投資家そして定年退職者であり、FRBのゼロ金利政策によって彼らの貯蓄は目減りしてしまうのです。
ウォールストリートを優遇し、一般の貯蓄家には何ももたらさない金融政策だけでは物足りないかのように、FRBはさらに米国民にインフレという大きな負担を押し付けています。彼らは、今年、米ドルの価値をさらに2%も下げるつもりでいます。2008年の景気後退以降、米ドルの購買力は10%も下がっているにもかかわらず、バーナンキ議長はまだ満足ではないようです。実際のところ、従来の消費者物価指数(CPI)の計算方法によれば、インフレの実態はずっとひどいものになっています。この方法では、ステーキとミンチ肉を等価なものとして計算しません。
Shadow Government Statisticsのジョン・ウィリアムズがこの従来のCPIを用いたところ、過去5年間だけで、ドルの購買力は50%近くも下落していることが分かりました。つまり、金融危機の前では20ドルで買えたものが今では30ドルもするということです。ウォールストリートの連中にとっては端金(はしたがね)かもしれませんが、一般的な勤労者にとっては大きな金額です。これはFRBによる窃盗なのです。これは、バーナンキ議長の言葉を借りれば、“文字通りの意味ではないが”FRBが印刷した何兆ドルもの新たな紙幣が直接もたらした悲劇なのです。
バーナンキ議長の最後の議会証言で明らかになったのは、FRBは彼らの金融政策がもたらす代償と新たなバブルの影響をあからさまに軽視しているということです。彼らは、証券市場の活性化しか頭になく、物価上昇や誤った資源配分、バブル、失業率の上昇のつけを払わされるのは中産階級や低所得者であるということを理解していません。
一部の人間だけに便宜を図るという最悪の金融政策から抜け出すための唯一の方策は、健全な通貨を取り戻すことです。これにより、FRBは通貨を操作してウォールストリートを優遇することができなくなるでしょう。何度も証明されてきたことですが、国民の労働の対価や財産、そして自由で豊かな生活をする権利を守ることのできる真の貨幣を、FRBはまったくもって無視してきました。FRBやウォールストリート、連邦政府は、今こそ、通貨を操作するのをやめ、証券市場の好況を隠れ蓑にして米国民の財産を盗むのを終わらせなければなりません。
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