チモシェンコ大村のロン・ポール研究+くだらない話

ロン・ポール氏のブログ翻訳を通じて、リバータリアン思想・オーストリア経済学について勉強しています。

我々の自由を侵害するのがIRSの仕事

2013-05-22 12:58:50 | 経済
Texas Straight Talk 2013/05/20

The IRS’s Job Is To Violate Our Liberties

我々の自由を侵害するのがIRSの仕事(拙訳:チモシェンコ大村)

「大統領を攻撃すればどうなるか分かっているか」国税庁(IRS)の職員はこのように言って、当時のクリントン大統領の弾劾を求めた保守系団体の代表者に対して会計監査を行ったとされています。現政権の政策に反対する団体に対してIRSは「特別な監視」を行っているという事実が最近明らかになりました。これは、いまだに多くのIRS職員が大統領の政敵に嫌がらせをすることもまた仕事の一部だと考えているということを意味します。

IRSに関する最近の報道は衝撃的なものでありますが、こういったIRSによる現職の大統領の政敵への嫌がらせを、一部の党だけが絡んだごく近年の現象だと捉えることは誤りです。バートン・フォルソムは著書「New Deal or Raw Deal」の中で、1930年代にIRSがニューディール政策に反対する者を集中的に捜査していたことを指摘しています。また、ジョン・F・ケネディ政権とリンドン・ジョンソン政権がIRSを利用して言論を封じたことは良く知られています。さらに、リチャード・ニクソンへの訴追条項の中には、彼がIRSを用いて政敵を攻撃したことが挙げられていました。IRSの乱用はクリントン政権下では常態化していたとされ、さらに今週、オバマ政権の支持者によれば、ブッシュ政権時代に、進歩主義的な反戦団体がIRSによる捜査を受けたことが分かりました。

両党とも政敵叩きのためにIRSを利用してきたという事実は、問題が非常に深刻であることを示唆しています。一部のたちの悪いIRS職員や一部の政権下で起きた政治的腐敗が問題なのではありません。真の問題は、税制がIRSに与えた異常なほど強大な権力なのです。

IRSが日常的に収集する情報は実にさまざまで、我々がどうやって収入を得ているか、何に投資をしているか、自分自身や家族のためにどのようにお金を使っているか、さらには我々がどのような慈善・宗教団体を支援しているかまでも調べているのです。来年からは、オバマケアへの加入を徹底するため医療保険に関する個人情報までも収集するつもりです。

また現行の税法はIRSに、非営利組織への非課税を認可しないことで現政権の気に入らない目的や思想をもったあらゆる教育・政治・宗教団体を排斥する権限を与えています。IRSをめぐる最近のスキャンダルはすべて、ここに端を発しているのです。

IRSが米国民に対して行使する権力。そして権力を持った人間の性向として常に自由を侵害するものであるという事実。これらを踏まえると、政治的動機に基づいたIRSの横暴をさらに見聞きすることになっても驚きはしません。初代最高裁判所長官のジョン・マーシャルは「課税権は破壊する力である」(The power to tax is the power to destroy)と言っています。政敵を破壊するのでなくて誰を破壊するのでしょう。

所得税がまだ無かった時代、米国は120年以上にわたる繁栄を享受してきました。我が国に自由と繁栄を取り戻すには現行の税制を廃止する他にありません。国民の労働報酬に手をつけるという不道徳なことをしなくても連邦政府は十分に成り立つのです。特に、所得税の廃止とともに大幅な歳出削減を行えばうまくいくでしょう。まずは、高い税率と大きな政府の反対者を装う多くの人間が大好きな軍事費から始めるべきでしょう。

IRSに関する最近のスキャンダルについて議会が調査し関係者全てに責任を取らせることも重要ですが、この問題を一部の悪人が起こした事件という風に矮小化してはなりません。IRSの真の目的は富を再分配することに他ならず、その過程で自由を侵害するのです。したがって我が国の自由を守るために議会がすべきことは、所得税をなくしIRSを完全に廃止することなのです。

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