ロン・ポール議員のブログから
Texas Straight Talk 2011/11/21
On the Super Committee
スーパーコミティ(拙訳:チモシェンコ大村)
通称スーパーコミティ(米議会超党派委員会)が、笑ってしまうほど少ない額の政府歳出削減を今後10年間で行なおうと協議を続けています。その合意期限が今週(11月23日)に迫っています。実際のところ、この控え目な目標を達成するには、10年間で、毎年1200億ドルの支出削減をするだけで良いのです。しかし、これっぽっちの額でも、議会は戦々恐々としヒステリーに陥っています。今回の赤字削減というのは、予定されている歳出増加からの削減にすぎません。実際の削減とは何の関係もありません。このことは、我が国の非常に深刻な債務問題に対して政治家はいかに不真面目であるかを示しています。
しかし、公平のために言うと、ある意味、スーパーコミティは不可能な課題に直面していると言えます。彼らには、社会における政府の役割をまず問うことなく政府支出を削減することが求められています。彼らは、連邦政府が社会保障やメディケア(訳注:高齢者向け医療保険制度)、メディケイド(訳注:低所得者向け医療保険制度)を今後も約束通り提供できると主張し続け、一方で、酷く介入主義的な外交政策を維持しなければなりません。しかし、これが嘘であるのは誰にでも分かることです。
覚えておいていただきたいのは、2011年の連邦債務だけで約1.3兆ドルもあるということです。ですから、スーパーコミティは毎年この額だけ支出削減をする必要があるのです。10年以上かけてやるものではありません。もし議会が米国の債務問題を本当に解決したいのであれば、まず新たな赤字を増やすのを今すぐ止めなければなりません。
2012年の政府歳入は約2.3兆ドルになる見込みです。2004年の歳出が約2.3兆ドルでした。したがって、議会はただ単に、2004年の予算案を来年採用すればいいだけなのです。そうすれば、連邦政府は歳入と歳出の帳尻を合わすことができます。それだけのことで今すぐにでも均衡財政を実現できるのです。たかが7年前の2004年当時、連邦政府の規模は小さすぎたのでしょうか。もちろん違います。ワシントンにおけるヒステリーによって、そのように信じ込まされているだけなのです。
それなのに、スーパーコミティにおける共和党員も民主党員も、均衡財政を達成するのに10年も、30年もかけようとしているのです。
政府による支出は無駄が多いだけではありません。掲げている目標に対して害になることもしばしばです。単純にスーパーコミティが全部門において2004年の支出レベルを適用するだけで、健全財政にむけた大勝利を達成できることでしょう。
しかし、現実問題として起こり得ることは、さらなる歳入を得ようと税制が改正されることです。所得控除もなくなり、ブッシュ減税も廃止されるでしょう。その結果、雇用を創出し経済成長を産み出す民間部門において残される資本は少なくなるでしょう。スーパーコミティには正しい方向に小さな一歩を踏み出すチャンスがあります。しかし、間違いなく、彼らはこの機会を利用して増税し、事態を悪化させることでしょう。増税は国民の自由を損ない、景気を深刻化させるだけです。スーパーコミティは“歳入を増やす”という名目で税金を引き上げる術を探るのではなく、真の赤字削減案を提案し、アメリカを再び自由と繁栄の道へと戻さなければならないのです。
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