動物園へ行こう-ハイデルベルク編(続々々々々)

 
 餌を持っていそうな子供たちにメェ~、メェ~と迫るミニヤギたち。その勢いにたじろぐ子供たち。が、実はヤギたち、1ユーロの餌なんて本当の目的じゃない。
 ミニヤギ園に入ろうと、一群れの人が扉を開けるのを待って、ヤギたちはメェ~と扉をくぐり抜ける。そして、次の一群れを待って、メェ~と次の扉をもくぐり抜け、スイートホーム・ミニヤギ園からの脱出を図るのだ。ヤギ、怖るべし。

 つまりヤギたちは、ヤギの餌なんかよりも美味いものがヤギ園の外にあるのを知っているわけだ。ヤギ園脱出は、束の間の至福を目指すヤギたちの常套行為なんだろう。
 外に出たヤギたちは、芝生や花壇に入り込んで、低木の葉や芝草、花などを手当たり次第にムシャムシャと食う。

 が、初めてこの動物園にやって来て、初めてヤギ園に入ろうとし、その扉を開けた途端にヤギが逃げ出した状況では、訪問客のほうは大いに焦る。私と相棒も、最初にヤギが逃げ出したのを目撃したときには、なんだかちょっとしたアクシデントに遭遇したような気分だった。
 その場に居合わせたみんながそうで、互いに見ず知らずの間柄なのだが、同じピンチに陥った者同士、戦友のような連帯感を持って、ワーワー言いながら、協力し合って逃げ出したヤギを追い立てる。角を引っ張ったり横腹を押したり、行く手を遮ったりして、園へと戻すのだった。

 To be continued...

 画像は、ハイデルベルク動物園、花壇で草葉をむさぼるミニヤギ。

     Previous / Next
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 動物園へ行こ... 動物園へ行こ... »