ピエドラ川のほとりで私は泣いた

 
 コエーリョ「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」を読んだ。
 最近、コエーリョにハマってる相棒、自分が読み終えると、次から次へと持ってきて、読めとせっつく。私は別のが読みたいんだけどなー。

 スペインの片田舎に住む、29歳の女性ピラールは、安定した仕事と平凡な結婚を得るために勉強している学生。あるとき幼馴染の男性に呼ばれ、12年ぶりに彼と再会、彼から「愛している」と告白される。
 今や修道士であり、聖母と対話し人々の病を癒すという、不思議な力を持つ彼とともに旅するなかで、彼女は人生と真実の愛とを再び見出していく。……という物語。 
 
 この物語のテーマは「愛」なのだけれど、これが、男女の愛だけでなく、神の女性性、聖母マリア信仰としての愛と重なっていて、かなり分かりにくい。
 わずか一週間で、ピラールは人生観を大きく変える。彼女が幼馴染を愛する過程と、信仰心を取り戻す過程とは、軌を一にする。

 先の見えないこと、失うこと、傷つくことを怖がり、不安がる彼女は、
「お伽話のなかでは、王女さまが蛙にキスすると、蛙は王子さまになるわ。でも現実では、王女さまが王子さまにキスすると、王子さまが蛙になってしまうんだわ」と、恋を皮肉に、皮相的に捉える。
 が、その後、信仰心を取り戻した彼女は、
「マリアさま、私が愛する人の友となり、絆となりますように。そして二人が手を携えて、自分たちのなすべきことを達成できますように」と祈るようになる。
 
 To be continued...

 画像は、ラファエロ「草原の聖母子」。
  ラファエロ(Raphael, 1483-1520, Italian)

     Next
     Related Entries :
       アルケミスト
       星の巡礼
       第五の山
       ベロニカは死ぬことにした
       悪魔とプリン嬢
       11分間
       ザーヒル
  
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 旅は人生、人... ピエドラ川の... »