されば悲しきアホの家系(続々……………々々々々々)

 
 祖母が死んでから、二条の家には、出戻りの伯母と従姉が二人で住んでいた。が、しばらくして従姉は結婚し、夫君とともに新居に移った。
 出戻りの伯母は、可愛い娘の新婚生活に水を差さないよう、離婚した際に相手方の家に残してきたもう一人の娘(=私の従姉)を呼び寄せて、さらに数年をこの二条の家で暮らした。二条の家の人間というのは、テレビを観るくらいでしか、自分独りきりの時間を過ごすことができない。ので、同居人が必要になるわけ。

 この、もう一人の娘も結婚したとき、出戻りの伯母は、二条の家を引き払い、かねてからの予定どおり、ずっと一緒に暮らしてきたほうの娘(=私の従姉、美人のほうの)と同居することにした。

 ところで、久しい以前から、この二条の家の土地および家屋は、出戻りの伯母と、次男坊の伯父との共同名義となっていた。出戻りの伯母は、長く祖父母を養ったという理由で。次男坊の伯父は、長男坊の伯父が婿養子に出たために、代わって家の跡継ぎとして、先祖の墓を守るという理由で。

 To be continued...

 画像は、ヒッチコック「オランダの花嫁」。
  ジョージ・ヒッチコック(George Hitchcock, 1850-1913, American)

     Previous / Next
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ギリシャ神話... されば悲しき... »