世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
陽気なM一家
初夏にエストニアを旅行したときの話をば、少し……
ラトビアのリガで夏至祭を見物した翌日、長距離バスでエストニアに向かった。バルトの国々じゃ、鉄道よりもバスで移動するのがメジャーな模様。
バスが国境を越え、エストニアに入った途端、道路脇の車が、止まれ、と合図してきた。運転手がバスを止めながら、ラトビア語でアナウンスする。どやどやと入ってきたのは国境警備員たちで、つまりID審査に来たわけ。
国境なのだからパスポートコントロールは当然なのだけれど、やたらに時間がかかる。
国境越えではいつも緊張し、そのたびに肩透かしを食らってきた東洋人二人。今回の旅行でも、フィンランドからエストニアへの入国、エストニアからラトビアへの入国ともに、いとも簡単なチェックで済んできたこともあって、この頃にはもう、パスポート見せたら、ハイ終わり、わーい、また一つ国境越えたー、行った国増えたー、という感覚までに気持ちが緩んでいた。
で、厳しい顔で念入りにパスポートを調べている警備員(ちなみに女性)に、EU入国のスタンプでも探しているのかと勝手に合点した相棒、ニコニコ顔で横から口を出そうとすると……
「構わないで!」
即座の、有無を言わせない無表情な制止。
……これくらい厳しいのが本当なんだろうな。国境越え、怖。
到着したのは、エストニアのパルヌ(Pärnu)という町。
長距離バスが苦手な私は、降りたときにはもうヘロヘロ。出くわしたカモメに挨拶する元気もない。
相棒は下調べしておいたラトビア家庭料理の店に連れていってくれた。スープと煮込み料理と黒パンと、ケーキとコーヒーの、私たちの旅じゃ最豪華なランチ!
私たちって普段、店で食事しないんだよね。受難の後に降って湧いたようなこの僥倖。うう、落涙。耐えた甲斐があったよ。
パルヌはエストニアの“夏の首都”と呼ばれる保養地なのだが、夏至祭のこの時期はまだ静閑としたもの。このくらいの人出が私にはちょうどいい。
To be continued...
画像は、パルヌ、メインストリート。
Next
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ホーム・バウ... | 陽気なM一家... » |