ギリシャ神話あれこれ:テセウスの冒険(続々々々)

 
 そうするうちに、貢物の少年少女を差し出すよう、クレタから使船が到着する。年頃の子を持つ親たちは、泣く泣く籤を引いて生贄を選び出していた。
 父王から事情を聞いたテセウスは、自ら生贄に志願、父王が止めるのも聞かずに、クレタへ行くことに。

 生贄を送るアテナイの船には、喪の印として、黒い帆を掲げる慣わしだった。テセウスは、もし自分が無事、生還した際には、白い帆を揚げて帰ろう、と父王に約束する。

 一行はクレタに到着、下船してミノス王の前に引き出される。と、そのとき、テセウスの姿を垣間見た王女アリアドネは、たちまち激しい恋に落ちてしまう。

 アリアドネは恋しいテセウスをなんとか助けようと、名工ダイダロスに相談する。そして、こっそりとテセウスを訪れ、麻糸の玉と剣とを手渡して、ダイダロスの知恵を授け、もし成功したら、自分をアテナイに連れて行って欲しい、と頼む。
 で、テセウスは、無事、アテナイへと戻ることができたら、必ずあなたを妻にしよう、と誓いを立てる。

 ラビュリントスに向かったテセウスは、アリアドネに言われた通り、糸玉の一方の端を入口の扉に結びつけ、迷宮の奥へと進む。一番奥まったところには、鎖につながれた、あの牛人ミノタウロスが……
 テセウスは決然とミノタウロスに切ってかかる。牛の頭をした怪物であり、人肉も喰らうとはいえ、剣を持ったテセウスの敵ではない。彼は見事、ミノタウロスを倒すと、麻糸を手繰って入口へと帰り着く。
 
 To be continued...

 画像は、モロー「クレタの迷宮内のミノタウロスに送られるアテナイ人たち」。
  ギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau, 1826-1898, French)

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