ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-ニンフ・カリュプソ

 
 カリュプソは、天を支える巨人アトラスの娘で、美しいニンフ。なぜだか一人でひっそり気ままに、オギュギエ島で暮らしていたのだが、浜辺に打ち上げられたオデュッセウスを見初めてしまう。
 で、カリュプソはオデュッセウスを自分の洞窟に連れ帰り、丁重に持てなす。

 こうしてカリュプソと一緒に暮らすようになったオデュッセウス。もちろん、魔女キルケのときと同じように、相手に求められ、愛人として生活する。
 このときも最初の1年くらいは、つらい長旅の疲れを癒すつもりだったのが、居心地の好さからつい居着いてしまって、のんびりと暮らしたかも知れない。が、今度はそれが7年間続く。7年間も!

 オデュッセウスは、夜はカリュプソにせがまれて、望まないながらやむなく添寝するが、昼には決まって海辺に座り、叶わぬ帰郷に哀泣し、呻吟し、嘆息し、懊悩しては、自分を苛み、蝕みながら、ひたすらに海を眺めて暮らしていた。

 海神ポセイドンを除く神々は、さすがにカリュプソの島に囚われているオデュッセウスを憐れんで、ポセイドンがエチオピアに出向いている隙に、オデュッセウスが帰郷できるよう計らうことにする。

 こうして、伝令神ヘルメスがオギュギエ島にやって来る。カリュプソの洞窟を訪ね、優しく告げる。
 ゼウス神の命令を伝えに来た。これ以上、オデュッセウスをこの島に引き止めてはならない。神々は彼を故郷イタケへと帰してやろうと望んでいる。と。

 To be continued...

 画像は、ベックリン「オデュッセウスとカリュプソ」。
  アルノルト・ベックリン(Arnold Böcklin, 1827-1901, Swiss)

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