ギリシャ神話あれこれ:テセウスの冒険(続々々々々々)

 
 父アイゲウスを継いでアテナイの王となったテセウスは、一方で、なお折々に冒険を手がけた。

 テセウスはヘラクレスに同行して、女性だけからなるアマゾン族に遠征。その女王ヒッポリュテ(あるいはその妹アンティオペまたはメラニッペ)を奪い去って、自分の妻とした。
 にも関わらず、ミノス王の死後、不意を突いてクレタに出征。難なく敗って、ミノス亡き後に王となった息子デウカリオンに、和平の条件として妹パイドラ(アリアドネの妹でもある)を、これも妻として貰い受ける。つまり二股。アリアドネをあっさり捨てただけのことはある。

 二股の屈辱に怒髪天を衝かんばかりのアマゾン女族は、女王ヒッポリュテとともにアテナイに猛攻をかけてくる。が、テセウスはアテナイを率いてこれを迎撃、激しい戦いの末に、女王もろともアマゾンを殺して、勝利を収める。

 その後テセウスは、カリュドンの猪狩りに参加。さらに、金羊毛を求めるアルゴー船の遠征にも参加した。
 
 また、マラトンの牡牛退治以来の盟友、ラピタイ族の王ペイリトオスとともに、彼の婚礼の際、ケンタウロス族と戦っている。
 さらにペイリトオスの力を借りて、まだ幼いスパルタの王女ヘレネを、妻にするため誘拐。その返礼に、ペイリトオスが妻にと望んだ、冥界の王妃ペルセフォネを強奪するために、冥界へと降りる。が、逆に冥王ハデスに騙されて囚われてしまう。

 月日が流れ、テセウスは、最後の難業のために冥界にやって来たヘラクレスによって助けられる。が、彼が地上に戻ってみると、王位はすでに奪われていて、結果、アテナイを追われることに。自業自得。
 テセウスはスキュロス島に逃れて、王リュコメデスのもとに身を寄せるが、王に裏切られて崖から突き落とされて、殺されてしまった。

 好色の英雄は、あっけない最期を遂げたとさ。

 画像は、ルーベンス「アマゾンの戦い」。
  ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640, Flemish)

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