Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

事実はなかなか見えない!

2016年03月12日 | 写真家のマナー違反について
事実はなかなか見えない!
美瑛町街中に天文台つき郷土学館。

「哲学の木」が伐採されて2週間以上たった今、この街は何事も無かったかのように静かになった。
少なくとも僕にはそう見えます。
しかし、実際のところ、他の有名な木を管理している地主さんはどう思われているのか?
なかなかその本音は表に出ないですし見えてこないものです。
・・・そこで僕は個人的に話を訊いて見る事にしました。

もちろん皆さん考え方が違うのは当然です。
でもハッキリ同じ考えを持たれている点もあります。
当然ですが、「行政はもっと動いて欲しい。」
この考えは皆さん同じ様です。
「わしらは金が欲しい訳でないから、ちゃんと農業出来るようにして欲しい。」
その金と言うのは、
今年度から名所の地主である農家さんに支給される「年間3万円の助成金!」の事だと思いますが、
皆さんはもっと単純明快な意見で、きちんと農業が出来るよう行政が具体的に行動して欲しいと考えています。

ここから書くのは僕の考えですが、
「観光・撮影マナー」に関して、啓蒙活動はもちろん大切です。それは今後も続けるべきでしょう。
しかし農家さんの仕事は待ったなしです。現実に今眼の前で起こっている事に対処する必要があります。
ある農家さんは夏の時期ほぼ毎日、農作業を始める前に、『前日畑に入った観光客の足跡を消す作業をします。』
それはそうしないと、ここは入って良いと勘違いする観光客が増え、どんどん入るからです。
本来の農作業をする前にそんな作業をされています。
冬も同じです。
前日畑に入った足跡を、雪をかけて目立たなくして、
「誰かが先に入っているから自分も入って良い」などと思われない様に足跡を消しているのです。

ところで先日「クリスマスツリーの木」をパトロールしに行きましたら、美瑛町に住むプロ写真家の黒川氏が先にいました。
彼も頻繁にこの木をパトロールされていますが、一人で畑の雪丘についた足跡をスコップで雪をかけて消していました。
その姿には頭が下がりました。
「地主さんの気持ち考えるとさ、この木切った方がずっと農作業は楽だと思うんだ。でも観光客のために切らないでくれてるんだから、何か出来る事しないと…。」
そう話されていました。

先日も書きましたが、ちょうど一年前に、「美瑛町の農業と観光の両立に向けた意見交換会」と言うのが開かれました。
僕も出席し「監視員」の配置をするべきであると提言しました。
しかしその話はその後行政できちんと議論される事も無く消えました。
なぜでしょうか? 
もっとも即効性があり、農家さんの言われる「ちゃんと農業出来るようにして欲しい。」という希望に沿った効果のある方法の一つです。

実は「予算がない!」ということで殆ど議論にもならなかったようです。
ちなみに先日新聞発表された「新年度予算案」


「2016年度予算案」
これを見ますと、7月オープンの郷土学館の年間管理費が2400万円となっています。


街の中心にある役場の真前に新しく建てています。天文台付です。街の真ん中ですよ!
建築費が何億円か知りませんが…7月OPEN予定。
今年度の管理費だけで2,400万円だそうです!!
管理費は今後毎年必要になります。

役場の真前ですから…
美瑛町のお役人さん達が仕事帰りに天体観測されるのでしょうか???

そもそもこの街をここまで有名にした丘の農家さんの名所は、天文台など無くても満天の星が見えます。
しかし今、その農家さん達が被害を受けているというのに、「監視員」さえ配置できないそうです。
それも理由は「予算がない!」そうです。
こんな天文台に、これからず~~~っと管理費に毎年何千万もかける金はあっても、名所の農家さんを守る金は無いそうです!
ぜ~~~んぶ税金です!!

こんなに金余ってるなら、
この街を支えている農業そして観光業まで支えて下さっている地主さん達を心無い観光客から守り、農作業し易い環境作りをするための「管理費」も計上したらどうですか!
それくらい出来ないのか!

実は僕が車に「観光パトロール」のワッペンを貼って見回りするだけでも効果があります。
ですからきちんと制服着せた「監視員」は間違い無く効果があるはずです。
しかも大切な事は、そういう効果のありそうな事を行政が先頭に立ってどんどん行う事です。行政がそういう行動をしない事が農家さんの不信感に繋がっているのです。
年に3万円貰って…何がどうなるんですか???
すでに「景観条例」はあるんですから、「景観維持管理費」とか、名前や名目はどうであれ、「農家を守る管理費」を計上して、きちんと「監視員」を配置すべきでしょう。
またやるべき適切な処置をどんどん実行すべきです。
少なくとも僕はそう考えています。

美瑛町の町議さん数名とこの件で話をしましたが、
ハッキリ言って今一迫力が無い。正直に言いますとヤル気が感じられない。
町長に意見を言える様な町議はいないのか? 
情けない…。

実際に農家さんから話を伺うと、普段見えてこない事実が分かります。
たとえこの街に住んでいても、関わらない様な生活をしていれば何も分かりません。
一見もっともらしく見えている事が実は間違っていたという事はよくある話です。

例えば面白い話があります。
昨年夏から「哲学の木」が伐採されるまで、
実は「Google Map」で「哲学の木」を検索しますと僕の宿の真横に位置しました。
美瑛にいらしたことがあり、「哲学の木」を実際にご覧になった方は分かるはずです。実はあの木の周りには建物は何も無かったのです。しかも僕の宿から車で10km以上離れていました。
しかし初めてくる方達は「Google Map」で検索して来ますから、皆僕の宿に集まります。どうしてそうなったのか?何が原因か分かりませんが…。
いずれにしましても来られる方は圧倒的に外国人が多く「哲学の木はどこですか?」毎回そう訊かれました。
しかし本当の場所を教えるのは地主さんが望んでいないでしょうから、毎回嘘をつきました。
つまり、「木はもうないです。切られました!」そう英語で答えていたのです。

まさか本当にそうなるとは思っていませんでしたが…。
「Google Map」がいつも正しいとは限らないのです。

最後に写真を1枚貼付します。


「青い池」2016年1月23日

上の写真を見て気がつきましたか?
え!何が???
何も気がつきませんでしたか???

実はこの写真は夜9時過ぎ、ライトアップ終了後に露出時間を長くして撮影しました。
太陽の様に見えるのは月です。
言われなければ昼間の撮影だと思ったはずです。
『事実はなかなか見えない!』
そういうことです。

追伸:
上記建設中の郷土学館について、建設に関して当時の町議会で話された資料が見つかりました。
ご覧下さい。
当初建設費用が2億円程度だったのが「天文台」が加わり3億8千万円になったそうです。





僕の様に小さな宿であっても経営者なら、いつも行政に対して同じ疑問を持ちます。
それは「建設費用」しか問題にしない事です。
実は一番大切なのは「維持管理費用」です(今年度2,400万円)。
結局これが町の財政に大きな負担になります。
なぜなら間違い無く100%赤字経営だからです。
そういう箱物をどんどん作れば、どんどん「維持管理費用」が増え大きな赤字になる。
当然ですよね? 違いますか???
馬鹿でなければ理解出来ますよね!
これ以上は書きません…。

ケント白石
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