Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

Nikonが僕をここまで鍛えてくれた。感謝しています!

2015年09月05日 | カメラ&写真
Nikonが僕をここまで鍛えてくれた。
感謝しています!

昨夜は雨が降っていましたが、今朝は予想通り晴れ!
こういう日は雨が蒸発して朝もや、朝霧が発生しやすい。
また経験上そうなる事が分かっていたので、朝5時前に撮影に出発。
もちろん昨夜も仕事が忙しかったので今朝は徹夜です。

昨晩紹介したSONYの純正カメラバッグに機材を満杯に詰め込んでいざ出陣。
レンズのテスト、とりわけ逆光性能を知りたいので今朝はテストに最適。
日の出前からテスト撮影を開始しました。

すると後から若い(20代後半?)青年がやって来て、三脚を立て始めました。
僕は一本一本レンズを同じ条件でテストして、
さあ次に向かうぞ!そう思って車に戻りかけた時、
「ケント先生ですか?」
彼に声をかけられました。
瞬間、まずい!何となく嫌な予感がしました。
そこでサングラスをかけていた事もあり、
あえて何もしゃべらず「違うわあなたの間違いよ~」って感じで、彼の横を通り過ぎたその瞬間、
「わあ~~~~やっぱりケント先生だ!そのSONYのバッグ、昨夜ブログに出してましたよね!!」
そう大声で叫ばれました。
いやいや爽やかな朝なのに、とんでもない騒々しい若造に捕まった!
そう思ったが後の祭り…。
「俺、ケント先生の大ファンなんです。うれしい~~~す!最高っす!!オス!」
なんじゃい、お前さんは…どこぞのうだつのあがらん応援団員かい。
こんなの相手にしてる時間はない。どんどん陽が昇ってしまう。
そこでさっさと車に乗り込んでエンジンかけたら、
いきなり走って来て、「先生、俺も同行して良いっすか?」
ここまで一言もしゃべらなかった僕に対してそう言いました。

少々呆れましたが、なかなか度胸のある男です。
でもここは厳しく言いました。
「君は僕のブログ読んでるんだろ?」
「ハイ、殆ど全部読んでると思います。」
「だったら知ってるよな? 僕が三脚使わないの。」
「はい、知ってます。」
「じゃあなぜ、君は三脚使うんだ?」
「習慣です!」
なに?もう一度、今何て言った?
「黙っていても箸を右手で持つのと同じ習慣です!」
はあ???何かそれ違うんでないかい?何言ってるの君は?
「君のカメラは最新のオリンパスE-M1だろ? 5軸手振れ補正がついてるじゃないか!」
「三脚に頼るな!若いんだから自分の身体と頭を使えよ!」
「三脚使う奴は足手まといだ、同行させない!!」
そう言ってドアを閉めてその場を離れました。

5分間貴重な撮影時間をロスしました。
そしてそれから3ヶ所ほど場所を変えながら撮影して、
最後に朝もや・朝霧が雰囲気よく立ち上がっている場所に来て撮影を始めた頃、
「先生はそうやって片手で撮影しているんですか?凄いですね!!そんな撮影方法初めて見ました。」
いきなり後ろから先ほどの若いのが声をかけて来ました。
「なんだ君は?僕の後をつけてきたのか?」
「違いますよ!先生の車は赤いオープンカーだから目立つんですよ。見つかりたくなかったらもっと地味な車にした方が良いですよ!」
「アホ!余計なお世話だ!!」
僕はそう言って、直ぐに撮影を続けました。
すると彼も横で撮影し出しました。
E-M1は素晴らしい連射が出来ますので、何十枚も同じ場所で撮影しています。
そして時々僕の事をじっと見て観察している様でした。

「君はさっきから同じ場所ばかり撮ってるだろ?無駄な撮影はしない方が良いぞ。
デジタルになってから、下手なアマチュアほど数打つんだよ。でも一発も当たらないんだ。この意味分かるか?」
「分かります。俺がそうですから…。だから俺三脚使うんです。打つ数減らすために。」
はあ?また訳分からん事言ってるなこいつ、しょうもねえな。
僕はそう思いましたが、ここまで追っかけて来たんだから一つぐらい教えてやるかと思って、
「撮った写真見せてみろ?」そう言ってカメラを取って見てみました。
そうしたら・・・全部、いやほんと殆ど全部手振れしています。
手振れ防止機能がOFFになっていないか確かめました。でもOnになっていました。
なぜだ?色々カメラを調べていると・・・
「先生、カメラは正常です、異常なのは俺です。」
何?
「君の頭が異常なのか??」
すると彼はけらけら笑って、
「違いますよ、いや頭も少しは異常かもしれませんが・・・異常なのは僕の手なんです。震えるんです。」
「それは手振れって言うんだよ!」
「いえそうじゃなくて、本当の手振れです。手が震えるんです。」
良く見ると、本当に手が震えていました。たしかにそういう病気はあります。

「だから俺は三脚使ってます。」
「そうか、・・・それは知らなかったとはいえ悪かったな。」
「だったら三脚立てて撮れよ。」そう言って、
それからは二人で並んで撮影しました。
彼は三脚を立てて、僕はもちろん手持ちで。
そして太陽を撮る時の、ハーフNDの使い方とハレギリを指導しました。
撮影で出来る事は全てする。これは大切です。
僕はハーフNDをつけたカメラを右手で持ち、
左手には余計な光をかっとするためのパラソルを持ちました。
そして右手一本だけで撮影。
それが次の写真です。


"Field of morning mist" This morning 5:30. Biei in Hokkaido,Japan.
Camera:SONY α7R II (ILCE-7RM2)
Lens  :SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA
「朝霧の畑」
今朝 5:30。北海道美瑛町

僕がこの歳になってつくづく思うのは、
やはり大切なのは日頃の意識です。
それこそNikon Fを買ったのが約40年前。
デジタルも創世記からずっとNikon。
つい最近、SONYを手にするまで、
2台のNikon D800Eに、大三元レンズのナノクリスタルコーティングされた24-70mm F2.8、
70-200mm f2.8をそれぞれつけて撮っていました。
特に毎日の様に24-70mmは使いましたが、必ず片手で撮る訓練もしていました。
これが今思えば良かった。
右手一本で撮影出来るよう工夫して自分の限界に挑戦し続けました。

その結果、今やSONYを使う様になったら、
その軽さにびっくりです。
α7RIIに70-200mm F4つけた方がD800Eに24-70mmmつけたより遥かに軽いのです。
ですから右手一本で、ある低速SSまで簡単に撮影出来ます。
もちろん他のレンズをつければもっと軽いので撮影は簡単です。
よって左手でストロボでもパラソルでも何でも持ちながら撮影出来ます。

これは何年間もニコンで鍛えたおかげです。
特にD800Eに24-70mmつけた場合、手振れ防止機能がありません。
よって自分の体で、訓練で、手振れさせない様にする必要があります。
意識を持ってこの訓練をしてきた事が今とても役立っています。

Nikonが僕をここまで鍛えてくれました。感謝しています!

僕が今言える事は、
健常者でありながら、若い時から三脚に頼って撮影していると、
いざという時に手持ちで自信を持って撮れないはずです。
そしてそういう方は、ある大切な日、人生でそう何度もない決定的なチャンスを逃します。
またもっと酷い方はそのチャンスを逃した事にさえ気がつかないでいます。
・・・それがアマチュアです。

その瞬間、その場にいなければ、絶対に撮れません!
どんな高級なカメラを持っていても不可能です。
そういう決定的なチャンスに遭遇した際に、必ず撮れるように、
日々意識と訓練が必要なのです。
少なくとも僕はそう考えています。
(#^.^#)
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
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